台所の水栓が外れた! トイレの水が流れっぱなしで止まらない! お風呂のシャワーノズルが絶不調! 等々、これまで襲われた水回りのトラブル。
でも心配なし。我が家には心強い味方がいるのだ。名付けて「水回りのデスパイネ」。とある大手の修理屋さんなのだが、これが頼りになるのである。
ちなみにデスパイネとは、プロ野球チームのロッテに一昨年まで在籍した助っ人外国人である。昨年からソフトバンクに移籍、ホームラン王と打点王の二冠となった強打者だ。腕っ節の強い頑強な強面の、でもどっか愛嬌のあるキューバ出身選手。
そのデスパイネによく似ているのだ、その水回り助っ人さん。
そこの会社は、依頼主の近所から手の空いている修理屋さんを派遣する仕組みらしいのだが、だからうちが依頼すると、彼に当たる確率が高い。最初にやってきたときに一発で覚えた。物覚えや人の顔の覚えが悪い自分がそうなったのには訳がある。
その方、見かけはデスパイネのごとく大きくて頑強そう。なのにである。なのに、声が。声がソプラノなのである。
玄関に迎えに出た自分が居間に戻ると、オットが「事務の女性も一緒に来たの?」と訊いてきたくらいだ。その見かけと声とのギャップがあまりにすごくて、インパクト大。一瞬で記憶に刻まれたというわけである。
でも、仕事はまさにデスパイネ。丁寧でしっかり、説明もわかりやすい、の三冠王。何より電話するとすぐに飛んできてくれるのだ。「すぐにはちょっと……」と一度口ごもられたことがあったのだが、「どのくらいかかりますか?」と訊くと「あと30分はかかっちゃいます」と申し訳なさそうに。いやいや、夜とか明日とか言われるのかと思ったんで、全然OKです。むしろ申し訳なく思ってもらうのが申し訳ない。……といった具合に親切度も花丸。
ここに辿り着くまでには、いろいろな修理屋さんを渡った。来るのに一週間かかったかと思えば、状況を見ただけで「来週道具持ってきます」と言い放った業者には二度と電話しなかった。ああでもないこうでもないとさまよった末に大金の見積もりを出したところも同様。マンション管理提携先には、「適用外」とか軽く言い渡された。
けど今はデスパイネがいるから安心。水回りは緊急を要するし精神的にパニックになりやすいので、これはとても大きい。
そしてもう一つ。物語を書く時の大事な要素に「キャラ創り」というのがある。それは「ギャップ」というものが一つのキーになる。このデスパイネのキャラ、いつか使えるのではないかと、密かに創作メモに書き留めてある。
(了)
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