水引き(17/10/29) | 石の上にも○○年~物書き志望女のひとりごと

石の上にも○○年~物書き志望女のひとりごと

日常で気になったことや、長い物書き志望歴で思ったことをランダムに綴ります。

 自分は、エセリケジョである。けれども世間的には数字が不得意ではないということになり、よって経理よりなアルバイトなどをやっている。

 そのせいで、お金関係の勘定を任されてしまうことがある。この間もそうだった。

 

 何を隠そう、お葬式。これほど大勢が少しずつ持ち寄って、大金が集まることはあまりない。当日のご遺族はお忙しいし、かといって知らない人に任せるのも不用心。だから遠すぎず近すぎず、の関係のときにお鉢が回ってくることが多い。


 今回は、屋内の結構広々した一室と文具全般を貸していただいて、お茶までつけてもらえた。外は季節外れの凍える雨だったので助かった。以前頼まれた中には、外のテントの下、受付の後ろで薄暗さ&雨風寒さと戦いながら、という場合もあったので、かなり恵まれていたと言える。

 

 けれども。

 個別は三千円とか五千円とか一万円とか。全体で百万を超える量である。それを、香典袋一つずつ開けて、中の封筒を開けてお金を取り出す。受付で書いてもらったお名前と照らし合わせ、封に書かれた金額と中身のお金が合っているかどうか確認。慌てたのか訃報のショックのせいなのか、相違があったり入っていないこともある。もちろん来て下さっただけでありがたいわけなので、指摘したりはしない(できんわ)。こっそりご遺族に伝えておくにとどめる。

 

 ということを百人近く分繰り返していると、指先がつるつるになってくる。指紋もなくなる勢い。用意された文具の中に、メクールはあったが指サックはなかった。自前のを持参しなかったのが敗因だ。

そうなってくると香典袋を開けるのさえ面倒になる。そんな中で最も腹が立つのがあれ。

水引きである。

 

お香典を差し上げたことがある方ならわかると思うが、親しかったりお世話になったりした方宛だと、ちょっと良い目の袋ーー水引きのついたものを選ぼうという気になる。

これは、封にお金を入れ、香典袋でそれを包み、それを上から輪ゴムのように留める仕様。が。水引きの大きさが封筒ピッタリすぎて、しかも伸び縮みするものではないので、留めるのも外すのも結構な力とコツがいる。

 

で、それだけの量をこなしていると、封を開けてお金を出して、封筒だけ戻して香典袋に包み直す、の前後に水引きをぐいぐい引いて外し、水引きを力任せに押し込んで留める――という二手間が加わるのが、相当苛つく。一つ終わって次の封を手にした時、水引き付きだと殺意さえ芽生えてくる(いえ、ため息の間違い)。最後にはもう戻す気力がなくなり、セロテープで留めてしまうという罰当たりに及んだ。

 

 マナー的に何が一番上等かは知らない。けれど、経理係的に言えば、水引きなどない、香典袋の中に封筒さえない、お金がそのまま入っているパターンが最も輝いて見えた。

 自分が次、ご焼香する場合は、絶対にそうする。ここに固く決意致します。

 

                                 (了)

 

 

 

 

 

 

 

 

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