自然体の王子様(17/7/30) | 石の上にも○○年~物書き志望女のひとりごと

石の上にも○○年~物書き志望女のひとりごと

日常で気になったことや、長い物書き志望歴で思ったことをランダムに綴ります。

 夏休み、涼しい高原に数日避難。そこで湿原を散策したりしてみたのだが、そのときの出来事。

 

どしゃ降りの雨上がり、道は水溜まりだらけ。場所によっては端っこの、水はないけどかなりぬかるんだ細い泥の上をそろりそろり渡るような状況。

何回目かに、対面の男性がちょっと待って先を譲ってくれた。感謝しつつ、不安定な足取りでズルリ、「おわっ!?」みたいになった瞬間、彼は反射的にこちらを助けるように手を出した。

どうにか踏ん張ったのでその手を借りることはなかったのだが、欧米系の若い男性だった。さすがである。全くの自然体なのだ。

多分、幼少から「男子たるもの女子には常に手を貸すべし」とか育てられ、普通に身に付いている挨拶的な最低限のマナーなのだろう。

 

思い出したのが昔観た映画「フットルース」。高校生の男の子が、車から女の子が降りようとするのを制して運転席から降りるシーンがあった。グルリと車の後ろを急ぎ足で周り、女の子のためにドアを開けてあげる。それをやってみたくてしかたない、ジェントルマン準備生みたいな。

あれを観た時の衝撃といったら。だって普通の高校生でしょ? 未成年でしょ? 要はガキんちょだよね? そんな子供が、ケンカはしたってエスコートなんて、日本じゃ全く見たことないし。

 

何かのバラエティーでの実験を見たことがある。年配男性に、奥さんが座るとき椅子を引いてやるというもの。

これがダメダメ。やり慣れていないのでタイミングが計れない。奥さんが「どうしたの? 何か忘れ物?」とか心配し出す始末。奥さんの方もそんなことに慣れていないので、いぶかしんでしまうのである。

 

何年か前、電車で気分が悪くなって、駅でしゃがみ込んでいたことがあった。その時真っ先に心配してくれたのが外国人の方。当たり前のように立ち止まり、「Are  you  ok?」と聞いてくれた。とてもありがたくて涙が出た。

それは女性だったが、同じことだろう。男性が女性を大事に扱う、ということは、弱者、困っている人への親切に通じるんじゃないだろうか。席を譲ったりの小さな親切ですら、照れが入ってしまう日本人。文化的な問題なのか、初等教育に違いがあるのか。

 

まあとにかく。

自分がくだんの湿原の彼にほわんとなったのは言うまでもない。

しかし、それがもしうちの旦那だったら? それこそいぶかしみ、内緒の借金でもあるんかい? と勘繰ってしまうこと間違いなし。

 

 悲しいほど日本人。

 男性側がこなれていなければ、女性側も居心地が悪いのだ。

 けれど、大事扱いされることは嬉しいのだと、たまに王子様に出くわした時に気付く。(了)

 

 

 

 

 

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