映画のセリフで一番好きなのはどれ? と聞かれたら迷う。
でも、覚えている中では、この映画の中の掛け合いがすごく好き。
「アフリカンダンク」という、簡単に言えば、アフリカまで選手をスカウトに行くバスケットのコーチの物語である。目当ての選手の住む村がとても奥地にあって、そこへのバスの便を尋ねたシーン。
「バスはまだ?」すると係員が答える。
「残念だね、出ちゃったよ」
「ちっ、間に合わなかったか。いつ?」
「10年前」
細かくは違ったかも知れないが、大体こんな感じだった。筋にもあまり関係ないし、役名すらないだろう係員が放ったこのセリフ。時間感覚のズレが笑えて気に入っている。
有名なところでは、「ターミネーター」シリーズ。
シュワちゃんの「I’ll be back」=「また来る」。こう言われたら、明日とか1週間後とかだと思うじゃないですか。それが一瞬後にとんぼ返りの大襲撃、という……これも時間感覚のズレが面白くて。
ここまで考えて、自分は「時間差」が好きなのかな、と思った。
そういえばバレーボールが好きで、昔ちょっとかじったことがある。自分ではできなかったが、間近で生のクイックA、B、C、Dを見た。唖然とするほどの大迫力だった。時間差ってマジックだなと思ったものだ。
野球を観ていても、ディレイドスチールなんていう時間差攻撃がある。1,3塁のチャンスで1塁ランナーが走るのだ。盗塁阻止しようと2塁へ球が投げられたら、その隙に3塁ランナーがホームを狙う。うん、これも好き。
やっぱり自分はそういう好みなのだ。
実は結構前から温めてきたアイディアがあって、それは交差点を見ていて思いついた。同じ場所なのに、車が行き交う時間と人が渡る時間がズレている。だからお互い交差点を渡ることができるのだ。時間差だ。それが同一時間でしかできなくなったらどうなるのだろう、と。
けれど、傑作物語が作れると思ったこのアイディアは、話した相手に一言で蹴散らされた。「それ、お互い譲り合おうね、ってだけの話だよね」と。
まあ確かに、それだけといえばそれだけだけど。
そういえば、バレーをやっていたとき、誰かが言った。「今、一人時間差やったのに、誰も気付いてくれなかった」と。「アタックのタイミングが合わなかった下手くそにしか見えなかっただろうなあ」って。
私のアイディアも、気付いてもらえなかった一人時間差的な……いや、見てろ。いつか、傑作にしてやる。(了)
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