スマホに変えた。
けれど、ゲームアプリは見ない。触らない。手を出さない。これに限る。
もう20年近くの前のことだが、友人宅で初めてファミコンに触った。確かスーパーマリオシリーズのどれかだ。敵と戦いながらアイテムを手に入れ障害物を避けつつマリオを前進させる。
このとき知った。私はゲームドハマリ体質なのだと。
その友人宅に伺うたび、話もそこそこにずーーーっとゲームをやっていた。あまりに延々とやっているので、その友人はゲーム本体を持っていない私にハードごと貸してくれた。
その頃仕事も辞めて家にいた私は、朝も早くからマリオを始め、ごはんを食べる間も惜しんで操作ボタンを押し続けた。腰が痛くなって周りを見ると日が暮れかけていて愕然とする、という日が続いた。
友人にハードを返してからはすぐに購入し、再びのめり込んだ。
そして別のソフトにも手を出した。コズモザギャングというパズルゲームだ。これは、テトリスの原理で、落ちてくるブロックにコズモというキャラクターとボールが含まれていて、上手く並べるとボールがコズモを弾き飛ばすという単純なものである。
それに相方と共にハマッた。トイレやドアホンでは休止ボタン、お風呂のときは交替で継続し夜更かし。休日は朝から晩までぶっ通し。
これはまずい。
ビデオは溜まるし家の中も片付かない。肩腰目にくるし外にも出ないし、何より我に返ると「他にあれもこれもできたのに」という深い後悔と虚無感に襲われる。
結局引越の際に全て捨てた。
しかしパソコンという物がある。お節介なことに、わざわざ取り込まなくても買った当初からいくつかゲームが入っているのである。
私はその中のMahjong Titansという、山になった麻雀パイを崩すゲームにハマリ、延々とやり続けた。
他のTODOがどんどん溜まっていく。私は泣く泣く麻雀ゲームをパソコンから消した。
するとフリーセルだのハーツだのに手を出す。これらはすぐに終わるトランプゲームだが、一回負ければ何くそ、勝てば良い気分でもう一回、と繰り返してしまう。
ついにこれも消去である。
出かける用事があれば忘れてるし、手が震えることも頭から離れない訳でもないから、中毒というほどではない。
思うに、家事とか課題とか書類整理とか、やりたくないことがあるときの逃避先なのだ。
昔、試験前になるとやたらに部屋の整理をしたくなったものだった。机の回り、引き出しの中、普段開けもしない押し入れの段ボールまで。
部屋はそう広くない。いずれ整理は終わる。
けれどゲームはエンドレスである。だから、私はもう新しいゲームに手は出さない。ゲームは嫌いなのである。(了)
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