25年の片想い(17/2/26) | 石の上にも○○年~物書き志望女のひとりごと

石の上にも○○年~物書き志望女のひとりごと

日常で気になったことや、長い物書き志望歴で思ったことをランダムに綴ります。

昨日、ずっと憧れ続けていた人と初めて会えた。その人を知ったときから、25年が経っていた。

 

いわゆるOLだった。当時私はコンピュータを扱う仕事をしていたが、無償残業や男性社員との給料差など、今なら大問題なことがまかり通る女性特有の職種にいた。転勤必須という男性と同じ職種へ転換を薦められるも腑に落ちない。そしてそれを受けた途端、同じ待遇で転勤のない職種ができ、右往左往した。

 

男にはないそんなゴタゴタに疲れ切っていたとき、「切ないOLに捧ぐ」というエッセイ集に出会った。以来この本は私のバイブルであり続ける。

 

時代や環境こそ違え、共感する強い思い。著者の内館牧子さんに一方的に想いを寄せた。そして私は内館さんの通ったシナリオ学校に入学したのだった。

内館さんと同じように映画を毎日観て宿題を欠かさずこなし――はさすがに無理で、この方はすごいと尊敬を新たにした。

 

それでも及ばずながら8割を目標に真似をした。内館さんのドラマも書かれた本も殆ど全てを観たし読んだし、私物の展示会にまで足を運んだ。

こうなると想い人というよりアイドルの追っかけである。

 

やがて私は、マンガ原作の仕事に携わる機会を得た。なかなかページをもらえなかったが、「輝く女性」を取り上げる企画があったとき、私は思い切って声を上げた。内館さんを取材したいと。

 

残念ながら実現しなかったが、おかげで別の方の素敵な半生の物語を描く機会を得、とても貴重な体験ができた。私にはやっぱり内館さんしかないと想い人であり続けた。

もう殆ど神様扱いである。

 

けれど原作の仕事はそうそうもらえなかった。諦めようかと別の勉強に浮気したりもしたが、書くことはやめられなかった。季節の風物詩的にコンクールに応募しては落ち続けた。

そして、意を決してもう一度基礎から勉強し直そうと思い立ったのだ。

 

その大学で、内館さんの特別講義があったのが昨日。私は前の日から眠れず落ち着かず心ここにあらず。勝手に人物像をでっち上げていたが、……思った通りの方だった。

気っ風が良く思いやりや気遣いに溢れ温かい。「必ず必ず陽は昇る」とのサインをいただき、私は思わず泣けてしまった。やっぱり想い続けてよかった。

 

私は諦めないと決めた。いつか内館さんの百分の一でも軽やかに前に向かっていく物書きになる夢を。

 

講義で内館さんは仰った。文字制限をつけたエッセイを週に一本書き続けると構成力がつく、と。だから私はこれを書いている。

25年間想い続けた人のアドバイスである。守らないという選択肢はない。(了)

 

 

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