読書6月 国宝/年間100万円の配当金が入ってくる最高の株式投資 | 読書日記

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自分用の読書備忘録。
なので、よほどのことが無い限り画像とか一切無いです。
そしてアップはけっこう遅延しがち。

6月に読んだ本は7冊(図書館本5冊・購入2冊)でした。

※「国宝」は上下合わせて1冊でカウント
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<満足度>★★★ オススメ ★★ 面白い ★ 収穫少なめ 

 

クリップ『国宝 (上)青春篇 / (下)花道篇』吉田修一(朝日新聞出版 2018.9)
【満足度】★★
【概要・感想】単行本購入後、5年経ってようやく読み始めました。花井半二郎という歌舞伎の女形の生涯です。実写化する場合の配役を考えつつ、青春篇の終わりから面白くなり、花道篇まで一気に読み終わりました。吉田修一特有のドロドロは少なく、かと言って爽やかでもありませんが、スピード感があり引き込まれます。歌舞伎を知らなくても十分楽しめる作品。

 

本『年間100万円の配当金が入ってくる最高の株式投資』配当 太郎(クロスメディア・パブリッシング 2023.2) 

【満足度】★★
【概要・感想】 高配当株投資の指南書。と言っても、単純に高配当株を上から順に買うという話ではありません。現時点の配当利回りで判断するのではなく、増配によって雪だるま式に受取配当金が年々増えていくのが狙い。増配率を考慮して、現時点で配当利回り2%くらいで増配しそうな企業の株を早めに買っておく、この目利きこそがキモです。高配当株の多いセクターはメモに残した通り。著者注目の15銘柄の紹介もありますが、そこは類書と大差ありません。

【ポイント】

*下がったから買うのではなく、=中略= 自分が買える時にしっかり買って、株数を

 増やしていく(p.86)

*「参入障壁が高い企業」に投資する(p.106)

 ⇒銀行・金融・商社・保険・通信キャリア

*個人投資家が信じるに値するような基準は、「1株当たり利益」だけ(p.135)

 ⇒その株がどれだけ稼いでいるか。

*配当株投資は最低でも10年くらいの期間を想定しますから、過去の実績を見るならば、

 少なくとも10年は遡る(p.145)

*買った後に1株当たり利益が上がれば、基本的に株価収益率は低くなる(p.149)

 

クリップ『「数学的」話し方トレーニング』深沢 真太郎(PHPビジネス新書 2022.12)
【満足度】★★
【概要・感想】著者はビジネス数学なる能力の人材教育を手掛けるコンサル。「数学」と言っても

数字を使って話すという意味ではなく、「数学的に話す」方法について、話し方を変えるために、「思考」を変えるという順序で本書は展開されていきます。その根幹は「数学とは、説明である」と。公式化すると、数学的な話し方=定義×(分解+比較)×(構造化+モデル化)です。豊田社長、林修、イチロー、宮田裕章など話のわかりやすい有名人の発言を例に分析していてイメージもしやすい。また、演習問題も28問用意されており、実践しやすい工夫も散りばめられています。人になるほどと言わせる場面を多く作っていきたいものです。
【ポイント】

導入→主張→解説→結論(p.50)

 導入:定義をする(AとはBである)⇒定義するのは、言葉・話す時間・前提・話す目的

 解説:分解・比較・構造化(例え話)・モデル化(型にする)を組み合わす

 話し方の善し悪しは導入解説で差が生まれている。

*わかりやすく話す人の共通点は、話す前にその内容を分解している(p.110)

 ⇒ex.ポイントは2つあります。

*わかりやすく伝わる内容は、図解することができ、そしてそれは必ず「塊」と「矢印」で

 表現できます。(p.131)

 ⇒スムーズに図解できないならそのテーマに対しての理解が足りていない

*1メッセージを1分間で、最大3要素までで説明し切る(p.134)

 ex.主張に対して根拠は3つです/主張を前提、分析、結論という3つの順で説明します

*時間軸の比較で話す(p.155)

 ex.少し前は&これからは /いま必要なこと&これから変わらなければ手遅れに 

「数字で話そう」ではなく「比較して話そう」(p.168)

 ex.AとBの対比で説明します

*日常のコミュニケーションでクイックに使える法則を知識として持っておくこと(p.235)

*説得力のある話とは正しそうな話のこと(p.247)
 数学的:正しそうに説明する

 

メモ『話し合いの作法』中原 淳(PHPビジネス新書 2022.9) 

【満足度】★★
【概要・感想】 著者は立教大の教授。「話し合い」というものは求められる割に、どこかで教えられたり、学んだこともないのが実情です。そもそも日本人は話し合うのが苦手・・・。話し合いが成立していないこともしばしばありますよね。よく言われますが、多様性や不確実な世界では自分の強みを持って集まり、話し合い、決めていくことが大事。その一助となる一冊です。

【ポイント】

*シェア―ド・リーダーシップ(p.63)

 いつも同じ人がリーダーではなく、今手掛けていることが得意ならリーダーになり、他の人

 の方が得意ならフォロワーに回ってチームに貢献する。

*議論を通して、どこからどこまでがわかり合えているか、どこからわかり合えないか、知る

 こと。(p.84)

*対話の効果とは、「この問題については、Aという意見とBという意見がある。この2つは

 こういう部分で違いがある」ことを明らかにして、いったん、メンバーの間で共有する(p.92)

*話し合いとは、「私は~と感じる」を出し合う「対話」からはじまり、「私たちは~したい」を

 決める「決断」に至るコミュニケーションである(p.132)

 ⇒主語を私にして語ること から 主語を私たちにして決めること

*重要なのは、対話に参加しているすべてのメンバーが、なんらかのかたちで、ケリのついて

 いない課題に対して「自分と関係がある(当事者である)」と思えていること(p.135)

 ⇒漫然と雑談になってしまう。話し合う必要性と、話し合いによるメリットを理解

*フォーカスされた問い(p.150)

 職場の中で気になったことを教えてください

 ここ3ヶ月で職場の中で気になった出来事を1つ教えてください

*行為を行った結果、そこで「何を言っても、干されない」という経験をした「あと」で、

 はじめて、心理的安全性というものは実感できる(p.178)

 ⇒一言でも全員が発言し、皆がそれに関心をもって聞く

 

本『映画を早送りで観る人たち』稲田 豊史(光文社新書 2022.4)
【満足度】★★
【概要・感想】1974年生まれのライターが21年にネットサイトに寄稿した9本の記事を元に書いた本。『作品の鑑賞』ではなく『コンテンツの消費』はデジタル化が進んだ時点で始まった話ですが、タイムパフォーマンスという概念と組み合わさって、最近は流し見・倍速視聴を助長している気がします。倍速視聴の背景として、①作品の供給過多 ②コスパを求める ③セリフで説明する作品の増加 が挙げられると指摘されています。Z世代を中心にTIKTOK、リールが流行っている点からも、「わかりやすく面白く、そして短時間」という傾向は一定程度あるのではないかと思いました。
【ポイント】

*10秒間の沈黙シーンには、10秒間の沈黙という演出意図がある。(p.13)

*「観客が幼稚になってきているんだと思う。=中略= 全部説明してもらって、はっきり

 させたい。自分の頭が悪い事を認めたくない。だから、理解できないと作品のせいにする。」

 (p.95)

 ⇒SNSの誕生で気軽に「わかんなかった(だから、つまらない)」と被害報告を発信できる

  ようになったことが、説明セリフ過多の作品を生み出した可能性が高い

*Z世代を中心とした層に、「回り道」や「コスパの悪さ」を恐れる傾向は強い。(p.167)

 ⇒子どもをめぐる環境が親切になっている。そのため、耐性が低い。

*共感できるかどうかは物語の魅力のひとつではある。しかし一方で、到底共感できない

 人物の行動を目の当たりにすることで、人間という存在がいかに多様で複雑であるかを、

 畏怖や驚嘆とともに理解する。これも鑑賞行為の豊かさを構成する、欠くべからざる要素

 (p.206)

 ⇒自分の考えを補強してくれる物語を求め、強化することは他者視点の圧倒的な欠如

*リキッド消費(p.246)

 ①短命(次から次に) ②アクセスベース(購入ではなくレンタル・シェアリング)

 ③脱物質的(物質を少なくしか使用しない消費)

 

メモ『奇跡の小売り王国「北海道企業」はなぜ強いのか』浜中 淳(講談社+α新書 2022.8)
【満足度】★
【概要・感想】著者は北海道新聞社の記者。新書で350ページの超大作。ユニクロ、イオンしかり地方がルーツのチェーンストアは多いですが、北海道は特にその傾向が強く、本書ではその理由を探ります。小売業界の黎明期で必ず出てくる渥美俊一氏のペガサスクラブの影響もあり、北海道発のチェーン店で全国区になった企業(ニトリ、ツルハ、セコマ、ホーマック、コープさっぽろ等)は、志の高さ・構想の大きさが特徴で、早い時期から効率経営、投資を行ってきました。各企業の発展してきた歴史は興味深かったのですが、章のタイトルと内容が一致していないこともあり、全体的には何が言いたいのかわかりにくく、ぼやけた印象でした。(完全に企業別でまとめた方が読みやすかったのも?)

 

本『数字のセンスを磨く』筒井 淳也(光文社新書 2023.2)

【満足度】ーーー
【概要・感想】著者は社会学者の筒井氏。最初、数量化のセンスあたりは読みやすいと思いきや中盤に進むにつれ難解になり、実質、読み飛ばしに。実例を挙げて検証する本は自分の性に合わないもので・・・。著者の専門としている計量社会学の内容なのかも?