主観をコントロールする事の大切さ | 迷えば原点

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医療法人翠章会 すまいる歯科 理事長・山村洋志明が書き綴ったブログです。

主観とは、「自分が生きていた記録・結果から導きだされた感覚や価値観」であり、それを大切にする・信じる事はとても大切です。

でもその主観とは<諸刃の刃>であり、盲信してしまうと、自分の成功体験から自分の都合のいい「パズルのピース」を選び出し、それを無理矢理はめようとします。周りが見えなくなっているような状況においてでもです。

<主観をコントロールすること。。。>

それこそが、これからも成長を続ける企業経営者の必要不可欠な資質である。



こんにちは。山村です。
今日は、<主観のコントロール>という事について、考察していきたいと思います。
はじまりはじまり!





経営者として、気をつけていなければいけないのが、自分の価値観やアンテナがあらゆる場面で「絶対に正しい」と過信する事ではないだろうか。

「こうであるはずだ!」
「こうあるべきだ!」
「きっと、こうだろう!」
「今まで正しかったのだから、今回も正しいはずだ!」
「君にはこれが正解だ!」
「君はこの道を進んだほうがいい!」
「君のために言っているんだ」



すべてが間違っているというわけではない。


何と言っても経営者として道無き道を進んでこられた方であれば、なおさら、「自分の嗅覚・先見性」というものに、絶対的な自信をもっているのでしょう。


ただ、その「嗅覚や先見性」は時間が経つごとに、年数が経過するごとに劣化していくという傾向は、歴史的に見ても当てはまる場合が多いのではないだろうか?(もちろん例外的な敏腕経営者はいらっしゃるかもしれないが、確率論で言えば、極稀であるだろう)。


スタッフ教育においても、似たような事が言える。


「この新人の子は、こういう感じで育てれば、うまく育つだろう」
「この先生は、こういう叱り方をすればいいだろう」
「この子をチーフにすれば、責任感がでて、さらに良くなるだろう」
「こういう感じの受け答えの子であれば、採用しても良いだろう」
「こういう言い訳をする人は、今後も伸びないだろう」



これは、すべての基準が「経営者(上司)の成功体験・失敗体験」に基づいて、「今と未来」を判断している典型的なケースであり、ある意味、危険な状態とも言える。


確かにある程度の傾向はあるかもしれないが、人の可能性というのは無限の可能性・パターンがあり、「あの子がうまくいったのだから、この子もうまくいくだろう・・・」というのは、少々乱暴な考え方だと考えます。


しかも、創業からスタッフと苦楽を共にして、経営も順調にいっている企業の経営者(上司)というのは、自らの成功体験から周りの意見を耳に入れずに、主観のみで突き進んでいる「思考停止の状態」に陥っている事も多い。


「会社はある程度うまくいったのだけれど、最近は伸びていないなぁ」とか、
「昔はスタッフとわかり合えたのだが、最近はうまくコミュニケーションがとれていないなぁ」


などといった、悩みを持っているのであれば、その危険度を減らしていく事はとても必要なことだと考えます。

なぜなら、そういった漠然とした不安や悩みを持っていらっしゃるということこそが、「経営者(上司)としての能力が高い」といえるところだからです。
「危機管理能力(アンテナ)」が優れている証拠です。

だって、能力の無い方なら、
その事自体に「気づかない」「違和感を感じない」からです。


ビジネスの世界において、「アンテナが鈍る」ことは致命的な事であり、「なにがしかの不安」を抱えているという事は、決して悪い事ではなく、現状の改善・さらなる向上のための初めの一歩であると言えます。


もちろん、その漠然とした不安をそのままにしていては、その不安は現実のものとなりますから、現状を改善するための行動が必要になります。


どうすればいいのか?


シンプルな答えですが、やはり、


スタッフと語りかける。食事をする。楽しむ。話を聞く。寄り添う。


正直、これ以外は無いと思います。
そして、その大切さは、人に言われるまでもなく、その経営者(上司)自身が最も痛感していることなのだと思います。


創業から右肩上がり(浮き沈みはあっても、全体として)で来られた企業さんというのは、ほとんどの場合、「経営者(上司)と従業員さんとの信頼関係」は素晴らしく、抜き出ていることが多く見られます。


なぜなら、そういう信頼関係がなければ、この世の中で成功することはできないからです。
ものすごくシンプルな事です。


ただ、会社が忙しくなると、様々な期待やプレッシャーなどで精神的にはきつくなってきます。
仕事以外の時間を削って、対応しなければならなくなるでしょう。
自分の自由な時間もなくなり、体も心もリフレッシュしにくくなります。
ストレスがたまりやすい状況が生まれていくわけです。

そうなると人は、そのストレス状態を解消するような行動をとり始めます。
これは、正しいとか間違っているとかではなく、人間としての本能なのです。

その行動とは、、、




自分の時間」を確保するために、どこかを削って、帳尻をあわせようとします。


その典型こそが、

スタッフと共に過ごす時間」を削ることなのです。

私も、多くの方から相談を受けるのですが、
多くの経営者の方がやはり、この方法をとられるようですね・・・


ただし、これは<諸刃の剣>なのです。

時間を確保する事で、精神的なストレスは相当改善します。

しかし、それを得る代わりに失うものもあります。
それこそが「スタッフと一緒に過ごす時間」なのです


「スタッフと共に過ごす時間」が少なくなれば、スタッフそれぞれが、「何を考えているのか?」「どうして欲しいのか?」ということがわからなくなります。


わからなければ、「本人に聞けばいい」のですが、その時間すらとれなくなっているのでしたら、経営者の「主観」で判断せざるを得ません。


それこそが最初に言った、


「こうであるはずだ!」
「こうあるべきだ!」
「きっと、こうだろう!」
「今まで正しかったのだから、今回も正しいはずだ!」
「君にはこれが正解だ!」
「君はこの道を進んだほうがいい!」
「君のために言っているんだ」


という、考え方になるのです。


恐ろしいくらいにシンプルな現象、、、いや、法則か。



この世の中には「阿吽(あうん)の呼吸」というものがあります。


ビジネスでもスポーツでも、言葉や文字にしなくてもお互いに「伝わる」感覚というものが存在します。
マニュアルではなく、感覚です。
そしてそれは、ビジネスやスポーツにおける<成功>に<必要不可欠>なものであります。


相手の心が理解できない。相手の考えがわからない。


そんなことでは、「阿吽の呼吸」にはなりません。





そろそろまとめます。


不安を感じているという事は、「アンテナが敏感」であることの、なによりの証明です。
それを今、改善すれば更なる向上へと突き進むのでしょう。

大切なのは、時間の使い方です。
時間とは命です。



その命(時間)をどの分配・どの優先度で使うのか・・・


結果というものは、とてもシンプルです。
世の中の成功の法則というのは、実はこれがすべてなのかも。。。


求め・努力したものは、叶います。
求めず・努力しないものは、叶う事がありません。



そのまま何もしなければ、現状よりも良くなる事はないでしょう。
不安を感じているのなら、まずは、スタッフと時間を共にして、お互いがわかりあうこと。
お互いの主観と客観をすりあわせること。
何よりそれが大事なのです。


主観とは、「自分が生きていた記録・結果から導きだされた感覚や価値観」であり、それを大切にする・信じる事はとても大切です。
でもその主観とは<諸刃の刃>であり、盲信してしまうと、自分の成功体験から自分の都合のいい「パズルのピース」を選び出し、それを無理矢理はめようとします。まわりが見えなくなっているような状況においてでもです。

<主観をコントロールすること。。。>

それこそが、これからも成長を続ける企業経営者の必要不可欠な資質である。