僕は小学生の頃から、幕末~明治維新~日清日露戦争のあたりの歴史がとても好きなんです。
大国に対して、一歩も引かずに近代化・国家を作ろうとしている姿は、幼心にも「大人って、かっこいい」と思ったものだ。
小説もたくさん読んだし、映画もたくさん見た。
その時代の中でも特に、日露戦争における、旅順港を巡る戦い(俗にいう203高地の戦い)と、バルチック艦隊を殲滅せしめた日本海海戦は、僕自身の人間形成にも大きな影響を与えていると思う。
この話をしだすと、おそらく数時間かかるので(笑)、相当割愛するが、少しだけ語ろう。
ありがたいことに、NHKで3年前より、「坂の上の雲」http://www9.nhk.or.jp/sakanoue/ がドラマ化されている。
もちろん第1話から、かぶりつきでみているのだが、ドラマ自体がとても繊細に描かれていることもそうだが、現代のCG技術も駆使して、あれだけ迫力のある映像化を成功させてくれたことに、感動しています。
(ちなみに、映画では「二百三高地」という作品はあります。僕の好きな、さだまさしさんが主題歌を歌っており、今まで、何回も見ています。ただ、この映画は、戦争シーンが中心(しかも結構エグいシーンもあります。ですので、まずは今回の「坂の上の雲」の方が、背景を理解しやすいと思います。)
本当にプロフェッショナルな方々に感謝したい。
ありがとうございます。
さて、今年の第3部を迎えて、大きなお世話だと思うのですが、ドラマをさらに楽しむためのポイントをみなさんにシェアしたいと思います。
「203高地」をめぐる旅順要塞への突撃作戦に関して、どうしても「乃木希典」大将が、無能な指揮官として、そして「児玉源太郎」総参謀長が救世主のように描かれてしまうのは仕方がないことなのですが、それはエンターテイメントとしてのわかりやすい描写なのだと、理解していただきながらドラマを見ていただけると、うれしく思いますし、ドラマがより面白くなると思います。
基本的に「乃木希典」という方は、本来戦略を練ったりする方(戦略家)ではなく、軍としての精神的な支柱であり、どちらかといえば、参謀の練った作戦に決定を下す立場の軍人さんだったと文献には書いてあります。
部下を信じて、自分は矢面に立ち、責任を取る。
そんな人。
もちろん、正面への突撃作戦を何度も実施したり、次回の第11話で描かれると思うが、「夜間奇襲突撃」の際に、突撃ラッパを鳴らして突っ込んでいく(奇襲になっていない)など、確かに今から思うと「?」がつく作戦もあるかもしれないが・・・
けれど、戦国時代から続く、「日本の戦いでは名乗りを上げて、正面から突っ込む」という、あまりにもシンプルで美徳とされている考え方から、一転して、世界は急激な近代化を推し進め、一つの強力な武器で大きな成果をあげることができてしまうような戦争のスタイルになってしまい、より専門的な知識と諜報活動が必要となる時代に移り変わっていく、日露戦争とは、まさにそんな「時代の狭間」だったのかもしれませんね。
ドラマを見ている人は、
「なんで正面ばっかりから突っ込むんだよ!」
と、感じられる人もいるかもしれないし、僕もそう思う。
だが、もしかしたら、近代化を急ぐ国家の中で、激変していく環境の変化を頭で処理しきれなかったのかもしれません・・・
あまりにも時代の流れが速すぎて、思考停止になっていたのかも。
情報も、戦力も、近代化の知識も、何もない状態でこの旅順要塞攻略戦は続いていきます。
引き下がることもできず、方法もなく(気づかず)、自分たちができることは、ただ前に突っ込んでいくしかないという状態。
「乃木希典」の抱える、その苦悩は、時代の変革に巻き込まれた人々の悲劇を表現してくれているのかもしれません。
なんだか、現在の僕たちにも共通しているものがあるように感じませんか?
金融・世界情勢の不安の中、何が正しくて、何が間違っているのか・・・わからなくなります。
この激動の時代を生き抜くために自分を変化させていく方がいいのか?
それとも今までのやり方を信じて突き進むのか?
答えを知っているのは、未来の人々かもしれませんね。
私たちが、過去の歴史に対して、評論しているように・・・
その時には、わからんものもあるんです。みえないものあるんです。
必要なのは、「見えないものを見えるという強さか?」
それとも・・・
さぁ、11日の日曜日は、第11話です。
正直、興味でてきましたかぁ?(笑)
もし、このブログをみて、興味を持たれた方は、ぜひ、土曜日の再放送をご覧になってから、視聴されると、より理解しやすいと思います。
戦争シーンは確かに、迫力ありますが、ぜひ、そこだけでなく、人間の苦悩・迷い・決断といった部分にも注目してもらえると、いいと思います♪
それではぁ!
「坂の上の雲」HP
http://www9.nhk.or.jp/sakanoue/