ピエロが西を向く!! -31ページ目

ピエロが西を向く!!

世田谷区経堂「しゅとカフェ」のオーナーシェフ。

鴨川の水の流れにしばし見とれ、旅の余韻に浸る。

さあて!行きますか!

腰を上げて調べておいた銭湯にむかう。

京都は銭湯が多い。
ここ三条大橋の周辺だけでもいくつもある。

服を脱ぐと首と手、脚の黒さに驚く。
昨日今日の日差しのせいだ。
旅の勲章だ。

少し熱めの湯に浸かるとヒリヒリとしみる。
「おおぅっと…」
効くぜ、だけどキモチぃーぜぃ。

銭湯から出てキャリアに荷物をくくりつけ、動き出すと、ガリガリガリガリッ!!
という音とともにキャリアが崩壊。

嘘だろ?
役目を終えたとでもいうのだろうか?見事に車輪が外れよく見るとタイヤのゴムも擦り切れて破れている。

いやぁ考えてみたらこいつは2日目から一緒にいたからなぁ。450キロは動いたわけだ。
おつかれさん。
銭湯の番台のおじさんにわけを捨ててもらうよう言うと快く受け取ってくれた。ありがたい。

長~い距離を歩いていると距離感が少しズレてるのか、京都駅まで歩いてしまう。
一時間半。
また、汗をかいちゃう。

これから高校時代、大学時代は共同生活、卒業後はバンドのメンバーという荒木と大阪で待ち合わせ。
今は兵庫県に住んでいる。
農業を始めようと試行錯誤してるやつ。

大阪のホームで待ち合わせ、そのまま荒木の家に行く。会うのは久しぶりっちゃ久しぶりなんだけど、特に感動の再会でもなく、
「うぃーっす。悪りぃなぁ。」

家では奥さんがカレーを用意してくれて、刺身や枝豆をツマミに乾杯。
{23EE2206-EE1E-4CE7-A781-528D1F9C1CEE:01}

旅の話や農業の話なんかしてると眠くなってきた。

荒木より早く眠たくなるなんて信じられないんだけど、今日は寝かせてもらう。

用意された和室の部屋で横になると、布団も敷かずに睡魔が……


ビールの酔いもあって目を閉じると目が回る。

「そっかぁ~終わったんだなぁ~。」

隣の部屋から荒木がなにやら話しかけてくるが、僕は返事をする前にどーやら寝てしまうのだった。

小さな公園だからか早朝の散歩の人もなく7時までゆっくりと寝れた。
さて、あと25キロ。
今日が最終日である。

天気は晴れ。
暑くなりそうだ。

目の前のコンビニでサンドイッチと珈琲を買い朝食。

靴紐を念入りに締め直して出発。

今日が出発してから14日目。
静岡で1日休んだのを除くと13日目。
当初の僕の予定通り。

{AA86350C-926B-43BA-A656-C510F50228A0:01}

{85FAD1F3-DF7D-49D3-B3F6-5A8D475FC041:01}

草津の宿を通り過ぎると琵琶湖が見えてきた。
うわぁもうすぐ終わっちゃうのかぁ。

大津に差し掛かると灼熱の太陽の暑さでぼーっとする。
雨降って文句いって、晴れたら文句いってさぁ。
結局文句いってばっかなのだ。
でも今思うとあの雨の日々は景色さえ見れなかったけれども、歩いて進むという点ではかなりありがたかったと思う。

{293DB74C-1AC3-4A43-A972-5DEC86792156:01}

{377B6ECC-E287-451E-B862-D33E3651A361:01}

大津の本陣跡を過ぎる。52個目の宿。
いよいよ残すところはあと一つ。

御飯処が見つからず、腹が減ってるがここは最後の気力を振り絞って、登りを攻める。

嬉しい看板が!
{509BF5CE-966B-4255-95AF-4A6D24CA6941:01}

ここからあと6キロで三条大橋。

自然と足の運びもよくなる。

とーーちゃーーく!!
{8EB7BF18-E34E-40EA-8928-14D6EF354E30:01}

橋の下に降りると写真を撮りあってるカップルがいたので、写真をお願いする。
聞くとカメラマンだというので無料でお願いするのも気が引けたんだけど、撮ってもらう。
{FF83447E-4D18-49E8-9EE5-1CA19BDE5906:01}

東京から来た二人。
記念撮影。
{CFAC0564-82D4-4377-AB96-DE569648D828:01}

いやぁ終わったなぁ~

日本橋から三条大橋までの492キロ。

なんだかいろんな思いがかけめぐる。涙が出るようなことはなかったけど、まぁとりあえず京都まで歩いたんだ。という結果に満足だ。
自分の足の一歩。約50センチ。
その歩みを止めなければ進めるという事実。

星野道夫の本から好きな言葉。

「大切なことは出発することだった。」





さて特にトラブルがなければ今日を含めてあと2日で京都である。
最終日を楽に終わらせたいので、今日は頑張りどころなのだ。
ギリギリまで寝て7時に出発。

まずはお馴染みバナナと珈琲。

ていうか今日は晴れてる!
品川以来の晴れである。
多少日焼けはしているのだろうが物足りない僕は今日はとことん焼いてやるぞとの思いで、太陽に願いを込める。

まっそのせいで暑いんだけどね。
これこそ旅だぜ。
2時間ほどで関宿に到着。
なんだかものすごくいい雰囲気。
{225C7F75-120D-4767-A2A7-094625E96546:01}



この風景なんかあまり江戸時代と変わってないんじゃないか?
中心街でなんだか市が行われていた。かるくお腹が空いてたので何か食べよーと思ったんだけど、ちょっと高いからなぁ。次の宿にしよーっと。

関宿を抜けようとしてると、おじさんに声をかけられる。
「歩いて来たの?寄ってく?」
と古道具屋さんに入れてもらう。
元旅籠だった町屋造りの家を今は道具屋にしたらしい。
家にかるく上げてもらい町屋造りを見せてもらう。
なんか面白いし、かっちょいい。
「歩くのもいいけど、たまにはこうやって町の人と絡んでいきなよー」って。
確かになぁ~~。
「ちょっとデフォルメしてあるけど地図持ってく?」

デフォルメっていう言い方がかっちょよかった。

関宿を抜けて1時間半で次の坂下宿に着く。
ここで何か食べよーと思ったのだけど、どーやら何もなさそう。
坂下という地名で気づいた。
そーか。鈴鹿峠の坂下なんだ。
庭の手入れをしていたおじさんに何か食べ物屋さんがあるか聞くと峠を越えて降りないとないらしい。
しょーがない。一つだけあった自販機でファンタグレープを飲みそれで越える。
{B3AE1B05-45AF-49E3-A31E-DE8B55C69DD1:01}

ここからは東海道五十三次難所の一つ鈴鹿峠。
山深くなってくる。
{6BFE30D6-0F4F-4911-B505-468A78EA219B:01}

{9D7FDC57-DD42-4060-91B0-6096D6624396:01}

リュックを背負い一気に登る。
汗がとまらない。
気持ちがいい。
そーだな。東京に帰ったらすぐにでも山に登ろうかな。脚もだいぶ出来上がってきたし、せっかくなら鍛えようなんてね。

峠に出る。
{56FBCA29-0F46-42C3-AB14-A2BBBD51A40F:01}

ここからは滋賀県。
最後の県だ。
次はもう京都なんだ。
短かったよーな、長かったよーな。

舗装路に出てくだる。
ロードバイクやバイクのツーリングしてる人が目立つ。
いーなー速いなぁー。

ここからなかなかお店は出てこない。
炎天下。
バナナと珈琲とファンタグレープ。
人間意外と持つもんだね。というかエネルギー溜まりまくってんだな。


人もいないし、ヒマなので撮ってみた。
僕はブログの他に、インスタグラムとFacebookでこの旅のことを書いている。
そこではこーゆーの載せてんの。

峠から2時間。
ようやく道の駅に着く。
うどんとかやくご飯を食べて復活。
ここの無料の緑茶がすごく美味しかった。
何杯も飲んじゃう。
{C355EE91-46C4-46E4-BF3D-09F24D7AD7B8:01}

あまりにも暑いので行水。
ここでいったん汗を落とす。
ここから甲賀に入る。
そう。忍者の街だ。

さすが忍者の街だ。隙がない。
あそこで臭を刈っている腰の曲がった婆さん。
僕は騙されない。あの鎌さばき、クノイチに違いない。むこうからニコニコして来る爺さん。
話しかけてきた。
「歩いて来たんかぁ?」
「はい。あのぉーここは甲賀って(こうか)って読むんですかぁ?」
「あんだって?何処行くんだぁ?」
まずい完全に聴こえてない。
これは陽動作戦か。
その時だった。
爺さんが大きく笑った口から何かが僕に向かって飛び出した!

僕は瞬時に斜め後方に飛び、すかさず走り出す。
やはり爺さんも走り出した。
爺さんは背中から何か取り出す。

ふん、隠し剣か。
そんなことだと思ったよ……

僕はリュックに挟んであったセルカ棒を取り、あっ!
ない!!
そーだ!さっき川で行水する時に使って中にしまってしまったんだ!!
何てことだ!

でも僕は慌てない。

爺さんが距離を詰めてくる。

僕を伊賀の人間と知ってのことか。

爺さんが剣で僕に斬りかかるのと同時に爺さんの身体は真っ二つになる。
僕の名前は手刀だよ…



なーんて事を考えながら通過。ニンニン。


{1E8BF7B7-C27A-4478-BD70-7ADA00EC0C46:01}


ここから先を急ぐ。
明日のために少しでも距離を伸ばしておきたい。

無心で歩く。

もともと石部まで行ければいいかなと思って、3時間かけて行くが、泊まれそうなところが見つからない。
というよりなにもない。
ちょっとそれて国道に進み食べるところを探す。
行けども行けども何もない。

あたりが暗くてなってきて、空腹感も限界に近づいた時にラーメン屋の看板。
{DB7C4B71-FF32-4145-A195-A6BC53095353:01}

こりゃあたまらん。
{0EBE9495-C0AB-4D90-AC17-B165120BC159:01}

ここのおっちゃんも優しかったなぁ~~。
もしよかったら裏の空き地で寝てもいいよう。

そーさせてもらおうかと思ったが、お腹がも満たされたしもうちょい進もう。

結局さらに4キロほど進んで公園を見つけただいまそこのベンチにて。

さて、明日が最終日だ。

ゴールする時はどんな気分なんだろうな?