このコロナ禍でも、売上1.5倍 たけしのTVタックル
■コロナ禍にもかかわらず、なんと売上1.5倍!! 常識破りのアイデアを次々と繰り出す弁当業界の風雲児200円の激安弁当から、重さ1キロの特大弁当、さらには1円弁当まで。次々とヒット商品を生み出す大繁盛弁当店。伊藤 慶 亀戸「キッチンDIVE」店主■たけしのTVタックルで放映 10月18日のテレビ朝日の番組「たけしのTVタックル」で、「コロナ禍にもかかわらず、なんと売上1.5倍!!」というタイトルに心魅かれて、普段はめったに見ないテレビを思わず見てしまった。 このコロナによる不況に立ち向かって成功している経営者という触れ込みだ。なにか、すばらしい経営を行っているのかと思わせるような番組作りだった。 東京亀戸にあるキッチンDIVEという弁当店だ。なんと、コロナになってから売上が1.5倍に伸びているという。 店主の伊藤 慶さんは、元気があり、よくしゃべる。勢いもある。この勢いなら、成功できるかも...と思わせる。■その秘訣は なんと「弁当¥200」とか、「弁当¥1」という異例の価格設定。 それ以外に、1KG弁当とか、¥2,800弁当とかがある。だが、何といっても「弁当¥200」の威力だ。 それを成し遂げるために、とにかく原材料費を切り詰める。安く仕入れる。 たしかに、低価格の弁当を売るためには原材料費が安くなければできない。それを達成している努力は相当なものがある。 たけしのTV番組では、とても素晴らしい経営として紹介されていた。■この商法は本当に素晴らしいのか? 第一に、他の弁当店がやっていない「超低価格」であることが、一つのポイントだ。デパートの弁当売り場では、まだ¥1,000以上が普通だ。イベントでの弁当などは¥1,800とか¥2,500とかの弁当もザラにある。 そんな中で、「¥200弁当」は、凄いインパクトだ。一回の食事に¥1,000円以上を支払える人は少ない。¥500~¥600でも大変だ。コロナ禍でそういう社会になっている。 そこへ、¥200弁当を打ちだしてきたのだから、多くの人が集まるのも当然だ。 弁当店経営者としては目の付け所がよかったのだ。多くの支持者がいる価格帯にピントを合わせたのだ。 弁当に¥200円なら支払えるという人が多かったということなのだろう。 つまり、貧しい人が多くなっているということではないだろうか。なにしろ、今の日本は、子供たちの6人に一人はまともに食事をとれない貧困家庭だ。これはコロナ以前からの問題だ(それは、アベ政権下でのアホノミクスのせいだし、馬鹿げた消費税増税のせいだ)。そしてコロナ禍がやってきた。収入が減ったり、仕事を失った人も多い。 毎日のように¥1,000の弁当が食えるのは、いまでは一流企業の社員や、政治家や公務員だけだろう。 つまり、この超格安弁当店が繁盛しているのは、高い弁当が買えない貧しい人たちが増えていることが大きな要因になっているのだ。 TVタックルで紹介しているのは、こんなコロナ禍のなかで売上を1.5倍も伸ばしている素晴らしい店ということらしいが、本当にそう考えていいものかどうか。 実は社会全体が貧しくなっている証拠だと言えるのではないだろうか。■仕入れ先はどうなっている? この店主は「仕入れ」も徹底して安いものを仕入れているらしい。そりゃ当然だ。安いものを提供するには原料はさらに安くなければ成り立たない。 ところが、この仕入れにも問題がある。コロナ禍で売り先を失ってしまって在庫を抱えている業者や生産者がたくさんいるのだ。 レストランや食堂など大量に仕入れていた先が、コロナのために客数激減で、材料の仕入れもままならなくなってきている。客数に応じた仕入れしかできない。 そんなところへ収めていた業者や生産者は、売れなくなった材料を在庫としてストックしておくしかないのだ。やがて行き詰まる状態に陥っている。 そこへ目をつけて、安く買いたたく。売り上げが減少してしまった業者や生産者は、売れるのなら、いくらでも安くていいとなる。 そんな社会の現状に目をつけて、弁当の材料をとにかく安く仕入れられると着目したのは偉い。この弁当店は経営的にはとても正しいのだ。 だが、これについても疑問を持って見ておきたい。売れなくなってだぶついた材料を買いたたいて安く仕入れるということは、「弱者の足下を見ている」ことになるのではないか。「弱者の弱点」につけ込んでいることになるのではないか。 どうも、手放しで褒められるようなことではないような気がする。 客達も多くの人が収入が減少して「弱っている」。そして、仕入れ先も売り先がなくなって「弱っている」。そこの橋渡しをしている、と言えば聞こえはいいが、実はうまく利用しているように見えなくもない。■これを「素晴らしい経営」などと言わず、社会を見つめ直す機会にしたい われわれは、今の社会がいかにいびつになってきているかを、こういう番組を通じて見抜かなければならないだろう。 コロナ禍は一つの要因として、どんどん格差が広がる「格差社会」が形成されつつあるようだ。 こんな社会がいつまで続くのだろうか。こんな社会で絶妙なバランスで生きている人たちがいつまでもつのだろうか。 現在の政権は、社会のてこ入れをしない。まず、なにもしていないと言っていい。GTOキャンペーンなどと言う馬鹿げた企画で国民の目を騙している。おバカな国民は、損をしたくないので必死になってそれに乗ろうとしている。 だが、今の社会はそれどころではない。この数年先には行き詰まる人々が溢れ返る世の中になる。■スガ政権のコロナ対策を評価する国民が56% 菅政権のコロナ対策がそんなに評価されているとは驚きだ。これは、おそらくマスコミの作りだした似非データによるものだろう。国民の意識をコントロールするためのフェイクと考えていいのではないか。 何もしていない政府を、それほど多くの国民が評価しているとは考えにくい。■タケシさん、言ってくださいよ!「みんなが貧乏になっているからだよ。」「みんなが貧乏なのは、政治が悪いからだろ?」と、影響力のあるタケシさんが言えば、国民も「そうか」と思うかもしれないのだから。 もう少し、ましな社会になることを祈るしかない。 うまくて安い弁当が、どこでも誰でも手に入れることができる社会になって欲しいものである。***