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jun2980さんのブログ

 何にでも興味をもっています。今、ミステリー小説の連載中です。また、韓国ドラマ、良い加減料理や難病の膠原病をテーマに写真なども載せながらつぶやいています。皆さんのペタやコメントが励みになります。どうぞよろしくお願い致します。




檸檬へ





今朝の藻岩山。曇り空でした。


遠くの山々の稜線がはっきり見えますね。


入院してから、ずうっと施されていた『血管拡張剤』の点滴が今日で終わりました。

ママは腕に血管が出ていないので、
足に点滴の針を刺しています。

それでも、難しいらしく、ほとんどの看護師さんは3回は失敗するの。

本当に看護師さんに申し訳なくなるよ。


そして、昨日からママは器械に繋がれています。

ママはベッドから、どこにも行けません。



この器械で『閉鎖式持続吸引療法』という治療を行っているんだよ



潰瘍部分にスポンジのようなものを
ジャストサイズに当てて、密閉し、そこにチューブを通したの。

そのチューブを器械に繋いで、お肉を吸引しています。

チクチク、ピリピリと痛いよ…


物理的な治療だよね。

この方法でどこまでお肉が盛り上がるか…

3月8日の手術が出来るかどうかに懸かっているの。

部屋の人と脱走して、スタバの抹茶フラペチーノしていたんだけど、出来なくなっちゃった。



今日はバレンタインデーだったね。




檸檬に愛を込めて

        ママより



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このキャラクターは何か、ご存知の方は、お手数ですが教えて下さい。

よろしくお願いいたします。







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檸檬へ

檸檬、夜が明けるのが早くなったね。

今まで6時起床と共に、カーテンを開けると、空は真っ暗で「まだ、夜?」という感があったのに、
今朝、明るんでいたよ!

9階の窓から見る人々の歩く姿は、まだまだ寒さへの完全防備の様子です。

でも、春を告げる雪割草も、もうすぐしたら雪の中で咲くよね。

春は近いよ、檸檬。



今朝、撮影したよ。

ママは、檸檬に至極会いたい。


ママはね、いつも明るく元気!

だから、入院していても誰とでも仲良くなるのが、ママの特技。

でも、昨日、ママは悔し涙をいっぱい流しました。


先週の水曜日、1人のおばあさんがママ達の部屋に入室してきました。

ママの隣りのベッドになったの。

すごく怖い顔していたので、ママは
ちょっと怯んだけれど、でも笑顔で
接していたんだよ。

だけど、そのおばあさんことAさんは、ママが気に入らなかったらしい。

ママは金曜日の日、足の潰瘍の軟膏を今までと違う軟膏に変えられたの。

ところが、その軟膏が染みて、とても痛くて、痛くて。

で、看護師に相談をして痛み止めを飲んだの。

効いてくるまで、我慢するのも辛くて、睡眠剤を飲んで眠りたいと思ったの。

普段、ママは痛くても痛いと言わないから、ママが痛いと言う時は、深刻に痛いんだ。

だけど、それは午後2時のこと。

看護師が「夜、眠れなくなる」という懸念から、ママの希望に反対したの。

でも、ドクターの許可が出て、睡眠剤のマイスリーを飲んで眠ったの。

午後5時に目覚めた時は、痛みから解放されていた。

5時半の夕飯時、Aさんは言い放ったの。

「睡眠剤を飲んでいる人は頭がやられる。目つきがおかしい。記憶力がなくなる」

そう言われても…

ママは黙っていた。

部屋の人、他3人も黙っていた。

なぜなら、みんな普段から睡眠剤を服用しているから。

そして、昨日。

パパが来院して、いつものように、病院の洗濯機で、ママの下着やパジャマ、バスタオルを洗濯してくれたの。

まだ、生乾きの洗濯物をベッドの柵にかけておいたの。

それでね、檸檬。

またしても、昨日の夕飯時、Aさんが言ったの。

「その洗濯物をしまいなさい」って


ママは黙っていた。

そしたら、パパが訊いたの。

「見栄えが悪いからですか」

「ここは神聖な場所だから、汚い」

と、Aさんは答えたの。

ママはきっぱり言ったんだ。

「まだ、乾いていないので、できません」

するとAさんは

「いいえ、片付けなさい」

だから、ママは

「できません」

何度か繰り返して、ママはとうとう
キレました。

「いい加減にして下さい。あなたが来てから、部屋のみんなはピリピリです。それまで、4人で楽しく和気藹々と過ごしていたのに、あなたが来てから、部屋の空気が変わってしまいました。一体何なのですか」

そこへ、ママの怒鳴り声を聞いた3人の看護師が、病室に飛んで来て、ママをなだめたり、Aさんをとりなしたり。

ママは涙があふれ出て、膠原病の症状のレイノー症状(手の指に血液がいかなくなってチアノーゼを起こす)が、現れました。

ママは看護師に訴えました。

「もう、この人とは1秒も一緒にいられない」

看護師が

「隣りの部屋に移る?」

と、提案してきたので、ママは頷いたの。

そしたら、仲良くしていたHちゃんが反対したの。

「ちょっと待ってよ。何でるなちゃんが移るの?Aさんが移るべきでしょ。るなちゃんが移るなら、私も移して」

すると、Aさんが絶対に移らないと
、頑張ったの。

でも、悪いのはAさんだと看護師たちも分かっていたから、Aさんを説得したのね。

でも、Aさんは絶対に移らないと、言い張ったの。

すると、パパがAさんに向かって、言ったの。

「ここは病院なのだから、看護師さんの言うことを聞かなければならないでしょ」

そしたら、移っていったよ。


檸檬、色々な人がいるね。

実社会であれば、それなりに妥協をし、我慢をし、協調性を持たなければならないけれど、ママ達は患者だからね。

病気を良くするために入院しているの。

Aさんがどういう苦しいものを抱えているのかは、知らないけれど、それは皆同じだと思うんだ。

みんな苦しい。


でも、ママは元気で明るいよ。


明日、午後1時、ママはお肉を吸引して盛り上げるマシーンに繋がれます。

手術までの、およそ4週間を目処にして、ベッドから動けなくなるんだよ。

そのことはまた書くね。

ママは大丈夫だから、心配しないでね。


大好きな檸檬へ


         ママより♡




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      第37話


T駅はそれほど大きくないが、1日あたりの乗降客数は、札幌駅に次いで北海道第2位だ。

私達はきれいに整備された駅前まで来ると、階段を上って、乗降で行き交う人達の中に紛れ込んだ。

改札口の前は広く空間がとられている。

その空間に背もたれのない洒落たベンチが数列並んで置かれている。

私達はその一番端のベンチに座った。

私が大きな窓に向かって座り、向かい側に吉永君と常盤靖子が一人分離れて座った。

窓から、列車が発車して行くのが見えた。

西に向かっているから、小樽方面に行く列車だ。

ねえと、窓を指すと、吉永君と常盤靖子が振り返って窓を見た。

「将来、札幌まで新幹線がきたら、T駅の東端から地上に出てきて札幌駅につながるんだって、知ってた?」

2人とも、興味なさそうに顔を戻すと、私の真意を探るような目をした。

常盤靖子はつり上がった目をきつく刺してくる。

吉永君は濃くて長いまつげで縁取ら
れた瞳を柔らかく射てくる。

人によって表情が違う。

人の表情を読み取るのも、女優の勉強だと思った。

「松村君がお母さんの背中を押したのなら、そのことを浅井刑事に話せばいいわ」

私は強気で切り出した。

この時点で、私がすでに浅井刑事に話したことを言わない方がいいと思った。

吉永君は明らかに狼狽しているのがわかった。

常盤靖子はつり上がった目に反発の色を見せながら、それでもいつもと違う弱々しい声を出した。

「そんなことしたら、賢介が捕まってしまうじゃないの。だから、あなたにどうしたらいいか、訊いているのよ」

吉永君はただ、うつむいている。

「でも、常盤さん。あの日の朝、松村君の家から飛び出して行った男の子は吉永君だって、浅井刑事に話しているじゃないの」

吉永君が顔を上げて、常盤靖子に向き直って低く唸った。

「あの日、階段の上にやっぱり、きみがいたのか」

常盤靖子も吉永君に向き直った。

「いたわ。そして、見たのよ」

そう、言って顔を手でおおって、泣き出した。
      
「常盤さん、松村君からの電話に出ないんですって?」

「何よ、それ。どういうこと?どうして、高山さんが知っているの?」

顔をおおいながら、あえいだ。

「松村君から、聞いたからよ」

今度は吉永君が驚いて声を上げた。

「賢介から連絡があったの?」

私はこくんと頷いた。

そして、松村の約束を守って、常盤靖子をT神社に連れて行かなければならないことを考えていた。

「ねえ、T神社に行こう」

「嫌よ。あんな所、行きたくない」

「なぜ?T神社で常盤さんが久保先生の頬を引っかいて、松村君が久保先生を殺したから?」

2人は唖然として私を見た。

「賢介が久保先生を殺したというのか?」

吉永君の静かな問いに、私は力強く頷いた。

「証拠はないの」

でも、私には揺るぎない自信があった。

「行こう」そう言って、私は立ち上がった。


T神社には約束の時間より、幾分、早く着いた。

松村はまだ、来ていなかった。

私は2人に、とうとう浅井刑事に話したことを言えなかった。

そして、私にはある意味、2人をいや、3人を騙していることがあった。

私は松村に会えるということに、気持ちが高ぶっていた。

ずうっと、それを自分自身に隠していた。

認めたくなかった。

松村は私のことなど、何とも思っていない。

ただ、いいように私を利用しているだけなのだ。

でも、初恋は切ない。

初恋は痛い。

松村に一年ぶりに会えることに、私は情けないことに胸がときめいていた。

こんな時、空にどんな雲があるのが
似合うのだろう。

まだ、夏の夕暮れ時は空が青かった


普通の夏雲が浮かんでいた。

「よう。久しぶり」

声のする方を3人で振り返った。

松村だった。

松村が石段の上から、下りてくる。

「航平も来てくれたのか。常盤、何でオレの携帯に出ないんだよ」

吉永君と常盤靖子は、そして、私も
声が出なかった。

松村は夏なのに黒皮のアンクルブーツを履いていた。

細身の紫のズボンの裾をブーツの中によいかげんにはみ出させている。

長い脚だった。

上にはグレーと白のストライプの長袖のシャツをラフに着こなしていた。

大人ぽっい松村は私にとってはすでに遠い人だった。

石段から下りて、呆気にとられている吉永君と並んだ。

背の高さは松村の方が吉永君より高かった。

あの美しい切れ長の目が吉永君と常盤靖子にしか向けていない。

松村は私を見ようともしなかった。

私は一人ぽつんと離れて、次の瞬間をまるでスローモーションを見るような感覚で傍観していた。

私が今朝、知らせた浅井刑事、そして、他の刑事と思われる3・4人の男が、松村と常盤靖子を連れて行った。

松村は抵抗をし、常盤靖子は泣いていた。

そして、吉永君と私も浅井刑事に静かに背中を押されて歩き出していた。

        つづく

最後まで読んでいただき、感謝いたします。



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