想定外と覚悟
支持率1%になっても、辞めない
(http://www.nhk.or.jp/news/html/20101127/t10015493041000.html )
私は悲しくなると同時に、憤りを覚えました。
自分が身を置く国家の首相に、このような言葉を言わせてしまう現況を悲しみ、
歴史的政権交代を果たした野党の中心にいた人物から出た言葉であるということに、憤りました。
確かに、民主党政権はフラフラです。
私は、昨年成立した民主党政権が、順調に国家運営をするとは考えていませんでした。
日本がモデルとして「英国の二大政党制」では、野党は“影の内閣”を構成し与党と変わらぬ動きをします。
また、国家の情報も与党が全て抱えるのではなく、野党にも示されます。官僚も国の人員として、与野党分け隔てなく接することが求められています。
さらに決定的なのは、野党第一党は、国家元首である英国国王から公的地位が与えられており、「国王の王立野党」という呼称まであります。
つまり、英国の野党は、公的な政党として「与党と変わらぬ情報を持ち、官僚を使い、“疑似”政権運営」を常時しているのです。
他方、日本の民主党はどうだったでしょうか?
国家の情報は議員や秘書などが動き集め、官僚は自民党に密着し協力が得られず、“影の内閣”を組織しても担当大臣と“影の大臣”との激論などできず...、そんな野党だったのです。
この現実を一番よく知っていたのは、他でもない、民主党議員です。
しかし、彼らは国民から政権交代を指示され、自民党50年独裁政治の転換を託されたのです。
ならば、民主党には“覚悟”が必要だったのです。
初めて官邸や大臣室に入り、『なんだ、これは!!』という情報に接したことは枚挙にいとまがないと思います。
でも、それが想定外だったとしても、覚悟をもって臨むべきなのです。
今からでも遅くはありません。民主党政権には、私も含め多くの国民が期待した“古い政治の一掃”という歴史的使命を全うする覚悟を示して欲しいと思います。
その覚悟があって、初めて、日本の政治は一新されると、私は考えています。
このままでは、何事もなかったように、古い政治に戻ってしまいます。時計の針を戻してはいけません!!
物流は水道水!?
本日11月20日をもって、運送(物流)会社を辞めました。
2年間(社員)を池袋でドライバーとして、3か月(契約社員)を三軒茶屋でサービスセンター職として働きました。
10年間、医療の世界に身を置き働き、①政治資金を貯める、②放送大学で基本的な教養を学ぶ、この二つの目的が達成できるとして運送会社・“飛脚”社に入社しました。
しかし、②はほぼ達成できたものの、①に関しては叶わぬ夢となりました。
理由は簡単でした。右から左の“物流は儲からない”からです。
この“飛脚”社は、今でも「高給取り」というイメージがあるようです。
確かに、10年も前、朝5時から日付が変わった2時まで働き、睡眠時間2、3時間という労働環境、また全国ネットワークをもった競合他社が少ない時代は、入社5年で年収1千万円も夢ではなかったようです。
しかし、今は違います。会社としては労働基準法遵守の姿勢で、週40時間以内の残業、休憩も取らせるとしています。また、物流業界参入も多くなり、ユーザーは目的によって会社を使い分ける時代となりました。
更に、運賃もデフレの影響を受け、どんどん下がっています。
この状況下で、年収1千万円などとは無理な話で、入社5年で300万円台というのが現実です。
お金に関しては、このように目論見が崩れましたが、予期せぬ収穫がありました。それは「物流の現場を見た」と言うことです。
今、日本では“物流はインフラであり、水道水のようなもの”となっています。
荷物を右から左へ運ぶ、この単純な動きを、決して止めてはいけないのです。先般、日本郵政と日本通運の宅配事業統合の際に発生した遅配問題、これは物流にとって致命傷です。
また、この“右から左”は安くなければならない。「価値は荷物にあって、物流には無い」という社会になってしまいました。私が所属していた店舗には、1日6万個の荷物を取扱ますが、荷物一つ当たりの利益は、なんと2円ということです。トラック約250台、社員約200人を抱える事業所の1日の利益が12万円、これが物流の現場です。
現在、“飛脚”社や“ネコ”社などの大手運送会社は、四国一部を含む、本州内の荷物は翌日に届きます。
また、時間帯サービスの利用も無料です。企業に対する荷物は、当日7時までに路線トラックが到着した場合、午前中に配達するよう指示されています。
物流の基本、荷物が時間通りに届くサービスは、国民の大半が安値で利用できるというこです。
全国どこででも、蛇口をひねれば、安全な水が飲める。物流は、まさに水道化してしまったと言えます。
この物流システムは、日本の誇りであり資産だと、私は2年3カ月の業務で確信しました。
今後の物流の課題は、次の二点にあると思います。
①増加する「企業to個人」(主に通販)に対して、きめ細かなサービスを設定すること(例えば、24時間受け取りや家電設置・取扱説明など)
②従業員のインセンティブとなるようなサービス設定
(例えば、通販新規開業のサポート、梱包発送などの物流提案など)
良いサービスが継続する条件は、サービスをする側とされる側が満足することだと考えます。
双方の満足を高める工夫が、“飛脚”社、“ネコ”社などの大手物流企業に求められている課題ではないでしょうか。
今後は、この物流サービスを受ける側として、古巣を見守りたいと思います。
*追記(2011年12月12日)
◆日本経済新聞:栗和田SGHD会長「物流維持は社会的責任」
(2011年12月12日)
SGホールディングスの栗和田栄一会長兼社長は12日、シンポジウム「日本再生への針路」で講演し、東日本大震災後の被災地での取り組みについて「復興に向け日本の血液である物流をとめないことが社会的責任だ」と強調した。具体的にはドライバーが集配だけでなく避難所の状況を把握。被害の大きかった宮城県石巻市などで避難所への食糧の配達サービスなどの復旧に全力を挙げたことなどを説明した。
今後の物流事業については、国内外で通販の需要が拡大し、宅配サービスの成長が見込めることを指摘。海外事業については、中国やベトナムでの事業展開に触れた。多くの事業者が激しい競争を繰り広げる上海では、「日本同様の高品質なサービスを提供することで取り扱いを増やしている」と説明した。日本企業の現地製造拠点向けに検針・検品や梱包から日本での配送までの一貫サービスを進めていることにも言及した。
お産の危機。国よ動け!!
新聞記事から。
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産婦人科医の夜間や休日の当直勤務が労働基準法で定められた「時間外手当」の支給対象になるかが争われた訴訟で、大阪高裁の紙浦健二裁判長は16日、対象になると判断して奈良県に計約1540万円の支払いを命じた一審・奈良地裁判決を支持し、原告・被告双方の控訴を棄却した。 (朝日新聞 17日朝刊社会面)
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妥当な判決だと思います。
原告が勤めていた県立奈良病院は、県内外から救急患者が集中的に搬送され、分娩件数の6割以上が当直時間帯だったということです。
この環境下、当直の医師は緊張感を持続し待機していると容易に想像されます。さらに、福島県立大野病院の分娩死亡事故も対象期間中に起こり、ハイリスク分娩に対する一種の恐怖心も感じていたものと思われます。
これに対して、被告である奈良県の言い分は『当直は待機時間があり、勤務勤務内容も軽い』。
同県医療政策部の見識を疑います。単純に比較はできないかもしれませんが、他業種の当直と比べ、産婦人科の当直が軽いことはありません。
しかし、この問題の本質は、奈良県と当該医師の問題ではなく、全国各地で起こっている産婦人科を標榜する病院数の減少と産婦人科医の不足です。よく言われていることです。
我が埼玉県も、分娩取扱病院は年々減ってきており、1996年の57施設から一昨年(2008年)には37施設と3割以上も減少しています。また参考までに、昨年の川口市民医療センターの初期臨床研修「産科コース」の応募はゼロでした。
身近で、お産ができる医師、病院が消えています。
解決に、自治体だけの力ではどうすることもできません。国の大方針と財政的支援が必要です。
今回の判決を受けた、苦悩する担当者の言葉が全てです。
『判決に従えば夜間や休日の診療が困難になる。国に労働環境改善と救急医療の両立を図れる体制作りを要請したい』
*追記(2011年7月29日)
◆周産期、県外依存も 知事選、地域医療対策は (埼玉新聞 2011年7月29日)
埼玉県は人口10万人当たりの産婦人科医師数が奈良県に次ぎ全国で2番目に少なく、産前産後にわたり母体・胎児や新生児の生命に関わる緊急事態にも対応する「周産期医療」を取り巻く状況は厳しい。
県内の出生数は減少傾向で、2009年には5万9725人と6万人を割った。一方、母親の出産年齢の上昇などを背景に低体重児(2500グラム未満)の出生率は増加し、近年は10%に近づいている。
これに伴い重症妊娠中毒症や切迫早産、胎児異常などリスクの高い出産も増加。一般の産婦人科では治療困難な妊婦や新生児を受け入れる周産期母子医療センター(地域、総合合わせ県内10カ所)の役割が増している。
大きな課題は、低体重児やハイリスクの疾患がある新生児に対応する集中治療室(NICU)の整備。新生児を受け入れる病床がないと、母体も受け入れられないからだ。多くのスタッフを必要とするため、容易に増床できないという事情がある。
NICUは出生数1万人に少なくとも25床が必要とされ、県内では150床が必要な計算だが、現在101床しかない。常に100%近い病床が埋まっている状況で、県医療整備課によると「24時間365日病床を確保できる余裕がなく、他県にお願いするケースもある」という。
県医師会の調査では、集中治療が必要な県内の母体搬送の15%以上が他都県に回っており、その7割が東京都。関東近県で県外搬送が10%を超える県はほかになく、東京依存も突出している。
こうした状況を改善するため、県は周産期医療体制の拡充を目指しており、さいたま新都心に移転整備を計画しているさいたま赤十字病院と県立小児医療センターが連携し、高度医療を提供する総合周産期母子医療センターの機能を備える方向。NICUも15床増床する予定だ。他の施設も増床計画を立てており、目標最低ラインの150床の整備を急いでいる。
県内周産期医療の実態を長年調査してきた川口市立医療センターの栃木武一院長(64)は「周産期センターやNICUの数をそろえるだけでなく、いかに有効機能させるかが問われる」と指摘する。
鍵として挙げるのが、NICUの空き情報を管理し搬送先を紹介する母体搬送コーディネートシステムや、より緊急な症例に対応する救命コントロールシステムの整備だ。
栃木氏は「埼玉県にはシステムの中心にあるべき県立医大病院がなく、他都県と比べ周産期医療ネットワークの整備が立ち遅れている。地域で自己完結できる医療体制を目指すとともに、県内外で連携するしっかりした広域的なシステムの構築が急がれている」と訴える。
07年9月、医師不足のため小児科と産科の休診に追い込まれた春日部市立病院。再開までに小児科は5カ月、産科は2年以上を要した。
臨床研修医制度が変わり、臨床医自身が病院を選べるようになったことも休診を余儀なくされた一因。同病院の井上優事務部長は「医師や看護師を確保するため、院内に医師・看護師専用の保育所を設置するなどの対策を講じた」と話す。
同病院は15年度中に、現在地から約170メートル離れた市役所裏側に新築移転の予定。新病院は診療科目も4科増の22科となり、新たな運営方針として「周産期医療、救急医療などの市民ニーズに対応した医療の充実」を掲げる。
新病院は春日部駅西口から徒歩約10分。郊外の広い土地も移転候補地に挙がったが、病院関係者は「駅から離れると医師の確保が難しくなる」。医師不足は病院の立地をも左右する要因になっている。
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【質問】医師不足に起因する地域医療の疲弊が問題視されています。北部を中心とする医療過疎の解消や周産期・小児医療の充実に向けた具体策をお聞かせください。
■原冨悟氏
医学生への奨学金制度の拡充、女性医師の復職支援、県立大学への医学部設置、地域の拠点医療施設への医師派遣事業などを実施し、全県的な医師不足と北部地域の医療過疎の解消に取り組みます。
■上田清司氏
県北部の一番の課題は救急医療です。このため拠点病院への救急医や小児科医の集中的な派遣も含め、救急医療体制を強化します。また、さいたま新都心に高度で専門的な周産期医療や小児医療に対処する新たな医療拠点を整備します。