熱闘! 政治家への道 ~元高校球児の夢~ -219ページ目

医師を増やすための“厚文連携”

“医師不足”を解決するため、医学部を新設する動きがありました。


医学部の新設だけでは、医師不足は“解消”しませんが、「地域医療への貢献」という理念を揺るがす事無く、卒業生が地元に定着する仕掛けを工夫し、“質の高い医療”の供給元として運営されることを望みます。


(記事:読売新聞 1月13日)
医師不足解消めざし、福祉大に医学部構想…宮城


仙台厚生病院 (宮城県仙台市青葉区)は12日、2013年度にも東北福祉大 (同)に医学部を設置する構想を発表した。

東北地方の医師不足解消が目的で、同病院が付属病院となって実習を担うという。大学側も同日、前向きに検討する意向を表明した。東北の医療にとって大きな前進となるが、政府の医師抑制方針などもあり、実現へのハードルは高そうだ。

医学部が新設されれば全国では1979年の琉球大以来。本県では東北大に次ぐ設置で、各県に一つずつある東北地方では七つ目となる。

...それによると、新医学部は福祉大で座学、同病院で実習を行う。定員は1学年80~100人とし、半数を「東北枠」として東北出身者を優先入学させる。卒業後は地域の病院で一定期間働くなどの仕組みも作り、医師不足解消につなげる

教員は100人以上確保する必要がある。同大他学部の教員や同病院の医師に兼務してもらい、全国の医学部などからも募る。目黒理事長は「(現場の医師を教員に起用して)地域の医療現場に迷惑がかかることのない形にできると考えている」と説明した。

施設の設置費用は200億円以上が予想される。当面は既存施設を使いながら改築などを検討する。東北の自治体の補助金制度などを使い、学生の学費を「国公立大医学部を少し上回る程度」に抑えることも検討しているという....。


*関連記事:河北新報 (地域新聞)

*参考:文部科学省「医学部入学定員の在り方等に関する検討会



昨年6月、文部科学省は“1980年以降認めていない医学部新設の容認に向け、本格的に検討する方針を決め(共同通信2010年6月19日 )”、新設校候補として次のような条件を挙げています。


(1)既に看護や薬学などの学部がある
(2)医療系の基礎科目の教員がいる
(3)実習先として地域の病院が活用可能


仮に、埼玉県南部(川口、戸田、草加、越谷など)に医学部を設置するとなると、協力要請-受入という段取りを経た(3)の条件しか該当せず、難しいということになります。



この「医学部新設」には、反対意見もあります。

全国医学部長病院長会議 は、民主党に対して「多大な経済的、人的負担をかけて増やす意味はなく、既存の医学部の拡充、強化で対処すべきだ」と要望書を提出しています(共同通信2010年2月22日 )。



医学部は毎年医師を供給し続けます。

一転、“供給過多”とならないよう、文科省と厚労省が連携し(当然ですが...)、医師の目標数を設定し、逆算して「医学部定員増」と「医学部新設」の政策を展開するべきです。


しかし、この「医学部新設」については文科省だけが顔を出しているようで、厚労省は“医師が少ないというデータの作成元”という役割、という感じがします。


医師不足...政策的には、これまた当然ですが、関係省庁(厚労省と文科省など)を横断した、権限と財源、人員をもったプロジェクトチーム(委員会)の設置が必要だと、私は考えます。

ブラックジャックでも手術ができない!?

医師不足に起因する医療事故の記事です。


(記事:時事通信社Web版 2011年1月12日 12:45)

患者に脳障害、2医師書類送検=手術中管外れ気付かず-神奈川県警

 手術中に麻酔器が外れたことに気付かず、患者に完治不能の高次脳機能障害などを負わせたとして、神奈川県警捜査1課などは12日、業務上過失傷害容疑で、県立がんセンター(横浜市旭区)の麻酔科医だった男性医師(41)=同県大和市=と執刀した男性医師(37)=静岡県熱海市=の2人を書類送検した。同課によると、2人とも容疑を認めているという。


*事故詳細:神奈川県記者発表 (2008年4月20日)



事故の詳細は、当時の記事を見る限り、明らかになっていませんが、背景には「医師(麻酔医)不足」があるようです。

事故後に当該病院に設置された「事故調査委員会」が作成した報告書に、“掛け持ち麻酔を禁止”する事故防止対策が記載された事からも、麻酔医が不足していたことを裏付けています。

この事故では、捜査1課が施設の責任について捜査を継続するようですが、当然の事であると思います。

二人の医師の責任に押し付けてしまっては、原因究明も再発防止もできません。


...このような「医療事故」を刑事事件として処理するのではなく、“事故調査委員会”のような機関でやるべきです。しかし、その体制が整わず、捜査1課が動かざるを得ない状況となっています。

市民と医師(医療機関)、双方のためにも、医療事故に関する原因究明と再発防止を専門とする機関の、早期設置が求められています。



前後しますが、麻酔医とは「手術中の麻酔管理のみならず、手術前後の患者さんの全身状態を良好に維持・管理するために細心の注意を払って診療を行う専門医(日本麻酔学会 )」


掛け持ち麻酔とは、「一人の麻酔医が同時に二つ以上の麻酔をかける事」を言います。



麻酔医は不足しています。

埼玉県も、人口当たりの麻酔医が全国44位(厚労省統計)と低水準となっています。



麻酔医不足の病院での対応について、ある医師は次の三つの選択があると言っています。


①手術できない患者がいても構わず、手術件数を制限。

②麻酔科医以外が麻酔を担当する。

③「掛け持ち麻酔」を容認する。


私は、医療業界にいた10年間、主な顧客は麻酔科医師でした。仕事では医師との指示のもと、500例以上の手術に立ち会いました(現在では「立ち会い制限」があり、厳しくなっています)。


昔は、執刀する診療科(外科)の医師が麻酔をかけていたようです(②)が、現在、全身麻酔を伴う手術では、麻酔医が担当している病院が大半です。

麻酔医不足で「掛け持ち麻酔」ができないとなると、①のように手術件数を制限しなければならなくなります。


“ブラックジャック”がいても、手術ができない状況が生まれる訳です(もちろん、ブラックジャック級の名医が執刀するのであれば、優先的に麻酔医をつけると思いますが...)。



手術で治る可能性があるのにも関わらず、手術ができない。麻酔医不足は市民に不利益を与えます。


医師不足。喫緊の課題です。特に埼玉県 は。



“予防”介護

今日、5ch「報道ステーション」で、我が埼玉県、和光市の「介護予防」事業の紹介がありました。


・市内のお年寄りの健康状況を把握し、データベース化している

・健康悪化(足腰の弱り、寝たきり...等)しないよう、一人一人にあった“予防”メニューを提供している

・この取り組みにより、お年寄りの「要介護認定」数が減っている


恥ずかしながら、初めて知る事業内容と効果に、感動してしまいました。


“予防”。


生活の継続性が保たれ(何よりのQOL対策)、行政側の負担も少なくなる。

まさに、一石二鳥の取り組みです。


私は、埼玉県政に「医療の充実」を訴えてゆきますが、この“予防”医療も政策の一つととして考えています。

「健康診断と診断の強化」が柱です。


この和光市の取り組みを知り、各自治体で「介護予防」事業で効果のあった取り組みを県内に広めてゆく必要性も感じました。「医療と介護」は密接な関係だからです。


これから、政策として何が考えられるか調べ、考えてみたいと思います。



*資料

川口市高齢者福祉計画・介護保険事業

 →「介護要望事業」は39ページ(第3章 地域支援事業・介護予防事業)

・TV特集「和光市が取り組む『介護予防』 」(動画) 2010年12月22日放送 (日本テレビ)

和光市「介護要望事業」パンフレット  2006年度版 (和光市)

和光市における高齢者福祉施策推進の取り組み (埼玉県庁HP)

・政策レポート「介護予防 」 (厚労省)