防災対策と行政の責任...佐用町豪雨損害賠償訴訟で考える
読売新聞で目に就いた記事から。
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避難指示3,000人、避難41人...深夜の発令揺れた (読売新聞 2011年6月6日)
(中略) 2009年8月に起きた兵庫県佐用町の豪雨。夜間の避難勧告で自宅を出た住民らが濁流に流され、町の勧告発令のタイミングが適切だったかどうかが裁判で争われている。...(以下、省略)
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東日本大震災の津波被害で、避難所の設定や防災無線などの行政の対応で、不幸にも生死が別れてしまった事もあり、この記事でも「災害対策」にまつわる行政の苦悩が伝わってきました。
そして何より驚いたのが、2009年8月の「兵庫県西・北部豪雨(Wiki )」で甚大な被害を受け、死者18名(行方不明者2名)を出した佐用町 の被害者遺族が損害賠償訴訟を起こしていたという事です。
今までの災害訴訟では、“想定”の範囲について争われてきましたが、「佐用町」訴訟では避難勧告発令の“タイミング”が争点になっているということです。町側は「勧告の内容、時期ともに合理的で、違法性はない」と争う姿勢を見せています。
事実として、「危険水位超過」から1時間22分後の避難勧告により犠牲者が生まれたわけですから、法廷で客観的な指標を元に判断を下して欲しいと思います。
この「佐用町訴訟」を出すまでもないかもしれませんが、行政の防災計画の目標は、住民の生命と財産を守るためになされなければなりません。“作って終わり”というものではありません。
災害の結果として、住民の生命(健康)と財産が失われてしまったのならば、行政にもその責任がある事に異論はないと思います。法的か?道義的か?、その度合い(割合)は?などの議論はありますが、責任は回避できません。
行政がその責任を果たすためには、防災計画を「PDCA(Wiki )」によって洗練させ、住民の防災訓練や広報を活用し“地域・住民の防災文化”を根付かせていかなければならないと、私は思います。
「PDCA」について、災害という特性上、Do(実行)は「訓練」と「他地域の被害」に置き換わりますが、定期的かつ適宜、「P(計画)→D(実行)→C(検証)→A(活用)」を繰り返す事になります。
川口市の「防災計画」は次のような“PDCA”を行っています。
2000(平成12)年3月「川口市地域防災計画(旧地域防災計画)」 改訂
2005(平成17)年度「埼玉県地域防災計画 」 大幅改訂(県)
2005(平成17)年度 防災アセスメント調査
2007(平成19)年3月「川口市地域防災計画(震災対策編、風水害対策編)」改訂
*川口市 災害対策室ホームページ http://www.city.kawaguchi.lg.jp/kbn/08200004/08200004.html
*(参考)「平成22年度川口市総合防災訓練の結果について」
→PDF リンク http://www.city.kawaguchi.lg.jp/ctg/Files/1/08200023/attach/siryou1.pdf
*(参考)「平成22年度川口市防災会議審議結果(2011年2月15日」
→リンク http://www.city.kawaguchi.lg.jp/ctg/08200023/08200023.html
金曜日(10日)から始まる、川口市議会 6月定例会で「東日本大震災後の防災対策」について議員質問がなされる可能性は高いですが、行政側も被災地に職員を派遣し、積極的に情報を集め、必要とあらば防災計画の見直しを進めて欲しいと思います。
以上
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*資料
◆「平成21年台風第9号災害による被害状況等について」 (2009年12月24日 佐用町)
.◆YouTube「豪雨災害 兵庫 佐用町」 →リンク http://www.youtube.com/watch?v=fCKZrOd69dk
.◆佐用豪雨訴訟/深めたい避難対策の議論 (神戸新聞 2010年8月12日)
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◆佐用町が争う姿勢 県西・北部豪雨損害賠償訴訟 (神戸新聞 2010年10月20日)
◆避難所で50人以上死亡、津波で不明者多数、岩手・釜石 (産経ニュース 2011年3月22日)
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◆「まさか、ここにまで」指定避難所にも津波の牙 宮城 (朝日新聞 2011年3月22日)
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◆東日本大震災:津波時の避難所未指定…石巻・大川小 (毎日新聞 2011年6月4日)
*参考:「大川小学校近くに押し寄せた津波(You Tube)」 →リンク http://www.youtube.com/watch?v=DW0dqWR4S7M