(情報)原発がもたらす“カネ”...電源三法交付金ほか
昨日の毎日新聞朝刊記事から。
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◆原発マネー:66年以降2.5兆円 立地自治体縛る (毎日新聞 2011年8月19日)
原発や関連施設が立地する道県や市町村、周辺自治体に対し、交付金や税金の形で国や電力会社からもたらされた「原発マネー」の総額は、原発が営業運転を始めた66年以降、少なくとも2兆5000億円に上ることが毎日新聞のまとめで分かった。...(以下、省略)
*別面 「この国と原発:第1部・翻弄される自治体(その2止) 原発マネーが侵食 」
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そこで、原発とカネについてまとめてみます。
*前述の毎日新聞。見開き特集も組んでいますので、ご一読をお勧めします。
◇電源三法交付金
1974(昭和49)年6月、自民党・田中角栄内閣で成立しました。
①電源開発促進税法 、②電源開発促進対策特別会計法 、③発電用施設周辺地域整備法 の3つの法律を根拠に発電所立地自治体に渡される交付金のこと(②は2007年に「特別会計に関する法律 」に他関連法と共に統合されエネルギー対策特別会計 に変更)。
①で電力会社から税金(電気料金に転嫁)を徴収し、②でその税金を特別会計に計上し、③で地元にカネ(電源立地促進対策交付金 、電源立地特別交付金 など6交付金)を落とすという“三位一体”のシステム。
この交付金は発電所の営業運転前に重きをおく特徴があり、誘致決定と同時に当該自治体を潤します。しかし公共事業、ハコモノに使途が限定され設備の運営費などに転用できなかったため、2003年の法改正で制限が緩和されました(前述交付金を電源立地地域対策交付金 に統合)。
なお、火力発電所については現在この交付金の対象外となっています。
最後に 『「核」論』(武田徹 著、勁草書房) にこの三法を導入した田中角栄元首相の興味深い言葉があるので引用させていただきます。
・『地域社会の福祉に貢献し、地域住民から喜んで受け入れられるような福祉型発電所づくりを考えなければならない』 (田中角栄 著「日本列島改造論」(日刊工業新聞社、1972年)
・『東京に作れないものを作る。作ってどんどん東京からカネを送らせるんだ』 (アサヒグラフ、1988年6月10日号)
*参考Web
・新潟日報 「元首相が生みの親 ~誘致は理研人脈を発端に~ 」(2007年12月14日)
・原子力教育を考える会(http://www.nuketext.org/index.html ) 「電源三法交付金 地元への懐柔策 」
・電気事業連合会(http://www.fepc.or.jp/index.html ) 「原子力と地域社会 」
・資源エネルギー庁(http://www.enecho.meti.go.jp/ )
→「電源立地制度の概要 」(PDF)
→「電源立地地域対策交付金を活用した事業概要の公表について 」
・行政刷新会議 「事業仕分け」第2WG 「電源立地地域対策交付金」(2009年11月27日) *PDF
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◇固定資産税
原子力発電所は「償却資産」で、償却期間は15年となっています。また、営業運転開始翌年から課税が開始できるという特徴を持っています。償却期間後(16年目以降)は、当初の評価額の5%まで激減してしまいます。
よく“原発は麻薬”と揶揄されますが、当該自治体は減額された税収分を新たな原子力発電所を作ることで補おうとしてしまうのです。
*参考Web
・全国原子力発電所所在地市町村協議会(http://www.zengenkyo.org/ )
→「原子力発電所に関する固定資産税収入と電源立地促進対策交付金 」
→「減価償却制度の見直しについて」の要望書 (2005年12月15日) *PDF
・朝日新聞 【ふくしま’10知事選】審判のとき(1) (2010年10月19日)
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◇核燃料税
核燃料税は、『法定外普通税として、道県が条例を交付して施行するもので、発電用原子炉に挿入された原子燃料の価格等を課税基準とし、その原子炉の設置者に課せられる(電気事業連合会 )』、原発立地道県が徴収する道県税となっています。
導入当初は、運転中の燃料(ウラン)価格もとに税率を算出され課税されていましたが(価格割)、福島県のように燃料の重量に応じて課税する重量割があります。
そして、今年7月14日に福井県議会で条例が改正され(参考:福井新聞 )、停止中の原子炉にも適用され、プラントごとの発電量に応じて課税される方式(出力割)が全国で初めて導入されることになりました。
さらに、この核燃料税には「使用済み核燃料税」もあり、新潟県柏崎市 と鹿児島県薩摩川内市 が市税として設定・徴収しています。
*参考Web
・全国原子力発電所所在地市町村協議会 「核燃料税の現状」(2010年4月1日現在) *PDF
・福島県 「核燃料税 」
・東京電力 「福島県核燃料税条例」に関するお願いについて(2004年年7月17日)
・総務省 報道資料「福島県核燃料税の新設(更新)について 」 (2009年12月17日)
・福井新聞 「核燃料税17%、6月県会提案へ 出力割導入、停止原発も対象」 (2011年6月15日)
・読売新聞 「40年目の原発 第二部 共生の代償 ⑥「おいしい」核燃料税」(2010年3月10日)
・朝日新聞 「来年2月以降の再開なら核燃料税見込めず 佐賀県 (2011年6月9日)
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*参考
◆論文「原子力発電所が柏崎市財政に与えた影響」 (2010年11月) 自治労 新潟県本部 柏崎労働組合 池田千賀子
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◆特集:原子力政策 発電費用「安さ」疑問も 国が多額経費投入 (毎日新聞 2011年8月2日)
◆原発停止で税44億円見込めず、福島県が苦慮 (読売新聞 2011年4月20日)
◆「責任は免れない」 原発と共栄の福島・双葉町議ら苦悩 (朝日新聞 2011年3月29日 )
8月18日、占守島と二つの特攻
戦争が終わったのは、1945(昭和20)年8月15日です。
しかし、すべてが終わっていたわけではありませんでした。
特に有名なのが、「占守島の戦い」(参考:Wikipedia )。
66年前の今日、千島列島(日本領、外務省HP
)の最北端にある占守島で、日本軍とソ連軍の戦闘が繰り広げられました。
日本軍の守備兵、堤 不夾貴(ツツミフサキ)中将率いる陸軍・第91師団などが、日ソ中立条約(参考:外務省HP )を一方的に破ったばかりか、15日以後、他の連合国軍が停戦状態にあるのにも関わらず攻め込んできた極東ソ連軍の侵攻を押さえ、南進(千島列島→北海道)を防ぎました。
戦いは4日間続き、停戦→降伏文書への調印→日本軍の武装解除となりました。
この「占守島の戦い」を題材に、直木賞作家・浅田次郎さんが小説を書いています。
*参考:浅田次郎 著 「終わらざる夏」(集英社) http://www.shueisha.co.jp/1945-8-18/
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そして、8月18日には「特攻隊」(参考:Wikipedia )に関わる二つの事件もありました。
ウラジオストク攻撃 “8月18日の「カミカゼ」” ソ連軍に衝撃 今も多くの謎 (福島民友 2011年8月18日)
太平洋戦争の終戦直後の1945年8月15日、ソ連海軍太平洋艦隊の母港ウラジオストク沖で日本軍の戦闘機が撃墜された。防空網の突破を許したソ連側に大きな衝撃を与え、機密扱いとなった「8月18日のカミカゼ」。戦後66年が経過した今も、詳細は謎に包まれている。 ...(以下、省略
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終戦3日後に戦闘機で兄自爆 (読売新聞 2011年8月18日)
1945年(昭和20年)8月15日の終戦から3日後、浅間山に長野県佐久市出身の特攻隊長が戦闘機ごと突っ込んで自爆した。 ...(以下、省略)
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当時、アメリカ軍に恐れられていた「神風特別攻撃隊(通称:神風特攻隊)」は、ご存知の通り、戦争末期の劣勢状況を打開するべく、一撃必殺の使命を帯び、海軍につくられたものです。
「特攻隊」は人間兵器であり、多くの若者が、追い込まれた日本軍の起死回生のシナリオの犠牲となりました。
この8月18日に起こった二つの“特攻”は、戦争が終わったのにも関わらず、特別攻撃隊という特異な環境に身を置いた若い兵士を死に追いやってしまったという悲劇です。
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占守島と二つの特攻。終戦後に起こったこれらの出来事は、戦争の不条理を私に付きつけるとともに、不戦の誓いを新たにさせました。
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以上