潔く謝り、自分の非を認めた若者の後に会見した指導者の会見の写真を見て内容を読んで、時代劇の悪代官を想像した私・・・昔エッセイを書いていた福祉関係の雑誌に載せた内容を思い出しました。
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カップルが足早に電車の中を歩いて来た。
その後ろを何か怒りながらアジョシ(おじさん)がついてくる。
なんだろう・・・と見ていたら、私のすぐ後ろで立ち止まった。
「いやだな~巻き添え食ったらたまんないぞ・・・」と思いつつ立っていた。
アジョシは憤懣(ふんまん)やる方ない様子でカップルの男の子に「軍隊での所属はどこなんだ」というようなことをしつこく聞いていた。(なぜここで軍隊??)
答えず無視しているからどんどん声がでっかくなっていく。
いやな雰囲気になってきたときに、派手なピンクの服を着た70過ぎたくらいの品いいハルモニ(おばあさん)が間を割って入った。
「あんたが何かやったのか?大人がこれだけ怒ることをしたのならすぐにきちんと謝りなさい」
と若者に・・・
「アジョシ、少し我慢しなさい。息子ほども年の違う者が過ちを犯して、きちんと謝ったならあなたは許しなさい。謝った後にグダグだ言うほうが負けですよ。見ればまだ若い。まだこれから長い人生生きてみたらわかるようになるから、今はわからないことがたくさんあるけど年長者が理解して許してやらないとね・・・」
こう言ってハルモニは地下鉄をおりていった。
若者はアジョシに理由を説明してきちんと謝って次の駅でおりていった。
でも地下鉄に残されたアジョシの怒りは収まらない様子だった。
さっきまでガーガー寝ていた登山帰りのようなアジュマ(おばさん)が残されたアジョシに話しかけ、これまた上手に心を慰さめてあげていた。
これって日本だったらほうっておくよ。この光景は見られないな・・・縦社会の秩序はすばらしいなーと感動しながら私は帰ってきた。
あのショッキングピンクのハルモニ、本当にかっこよかった。