水産庁は、水産業や漁村地域の再生を図るため漁業者自らが漁業収入向上とコスト削減の具体的な対策に取り組む「浜の活力再生プラン」を推進しており、全国の優良な取組地区を表彰していますが、このほど、令和6年度の「浜の活力再生プラン優良事例表彰」の受賞者が決定し、農林水産大臣に福井県の高浜地区地域水産業再生委員会、水産庁長官賞に島根県の宍道湖流域水産業再生委員会および大阪府の大阪市地区地域水産業再生委員会が3月10日、農林水産省本館7階講堂で表彰を受けました。宍道湖流域水産業再生委員会は、宍道湖業漁業協同組合と島根県、松江市および出雲市を構成団体とし、貧酸素化や藻類・水草類の異常繁茂等の影響を受ける中で、シジミの資源量の安定化を実現すべく、漁場保全や資源管理、単価向上に向けた品質向上、販路の多角化等に取り組み、10年連続で全国1位の漁獲量を達成し、『宍道湖ヤマトシジミ』は地域の重要な特産品となっています。漁業者は、貧酸素化防止のための湖底耕耘や県水産技術センターと連携して作成した水草管理マニュアルに基づき、毎年約15トンを漁業者自らが除去する等の漁場保全活動を実施しており、天然採苗と生息適地への稚貝放流による資源増殖や資源量調査に基づく資源管理の徹底により、資源量の安定的な確保が図られています。しかし、近年は国内全体でのシジミ需要減少や他産地との競合により単価が低迷しており、品質向上のため、選別の徹底や規格統一、需要の高い大型シジミの出荷を増加させるなど、ブランド力の強化とともに、「しじみの日」の制定や公式オンラインショップでの冷凍販売、ふるさと納税、レトルトしじみ汁の商品開発など、販路多角化や認知度向上、消費拡大の取り組みが高く評価されました。

 3月13日、島根県議会は本会議(最終日)が行われ、境港管理組合議員に田中明美議員など3名、島根海区漁業調整委員会委員に福田薫さんなど15名および隠岐海区漁業調整委員会委員に小谷茂雄さんなど10名の選任に同意し、令和7年度島根県一般会計予算など知事提出議案77件と放課後児童クラブの充実を求める意見書および特別委員会の調査など2件について常任委員長および特別委員長の報告が行われました。討論では、令和7年度の島根県一般会計予算など12件について「財界、大企業優先の国政のツケが廻ってきており、県勢は停滞し、福祉、医療・介護などへの十分な予算が措置されていない」とする反対意見があり、採決の結果、すべての上程議案を可決・承認しました。安全協定に基づく中国電力島根原子力発電所の特重施設等の整備に関わる事前了解について丸山知事が発言を求め、「特重施設の整備は原発の安全性を補完するもので特段の反対意見はなく、すでに立地自治体および周辺寺自治体から同意する旨の意見をいただいている。今般、県議会の防災地域建設委員会での審査において了解すべきとされたことから、これに同意する」と述べました。特重施設は特定重大事故等対処施設の略称で、原子力発電所がテロ攻撃等を受けた際、中央制御室から運転員が避難して中央制御室から離れた特重施設と呼ばれる別の場所から原子炉を制御して原子炉の事故を防止するための施設で、今後5年間の間に整備を終えることとされています。今期定例会においては、第2期となる島根創生計画や農林水産基本計画、教育ビジョンなど,今後の県政運営の指針となる計画案が審議されたこともあり、委員長報告に多くの時間が費やされました。

 3月10日、島根県議会は地方創生・行財政改革調査特別委員会(大屋俊弘委員長)が開催されました。この日の所管事項調査では、向こう5年間の島根県の県政運営の指針となる「島根創生計画」について賛否が問われ、賛成多数で了承されました。第2期となる計画は、大正9年の第1回国勢調査で全国36位にランクされた島根県の人口が昭和30年の929,066人をピークに減少が続き、令和7年1月の推計人口は639,576人となっており、人口構造を比較すると、生産年齢人口が54万人から33.5万人、若年人口が32万人から7.5万人に大きく減少、老年人口が7万人から22万人に増加し、近年は1年間の死亡数が出生数を6,000人程度上回る大幅な自然減が続いており、当面は人口減少が避けられないため、人々が笑顔で暮らせる地域の生活環境を次代に引き継ぐための取り組みを市町村と一体となって推進するとし、2045年までに人口の社会増減を±0、合計特殊出生率2.07の達成を目標に掲げています。主なる質疑では「KPIの内容」「都市と地方の格差解消」「産官学の協調」「働き手の確保」などについてあり、原子力発電所の稼働に関わる反対意見がありました。また、令和7年度予算に関わるスクラップアンドビルドの状況説明のなかで、若年女性の定住促進に関わる施策が削除されたことについて「地域の存立にかかわる問題の本質を見誤る恐れはないか」との意見がありました。