10月27日に投開票された衆議院総選挙で多くの有権者は石破政権に対する期待よりも自民党の政治資金をめぐる対応が不十分とする意思を示しました。10月7日に開催された自民党の全国幹事長会議で「春の島根1区の補欠選挙で自民党支持者を含めた多くの有権者から政治資金問題に対する明確なメッセージの発信が求められており、きちんとした対応をしないままで総選挙に突入すれば、悲惨な結果となることは必至」と申し上げましたが、今回の総選挙におけるNHKの出口調査やマスコミ各社のアンケートを見ると、春の島根1区補欠選挙の期間中に示された民意の内容とほとんど変わっておらず、自民党が改選前から56議席も減らし、自公の連立与党で過半数に満たない215議席という結果となったのは、出直しの総裁選から性急な総選挙に進んだことによって世論の離反を招き、中途半端なけじめと交付金の配分が反発を増幅させたと考えられ、政治への信頼回復を図るためには政治資金問題の決着を図る必要があると思います。

 ところで、今回の総選挙で自民党島根県連は島根1区に高階恵美子、島根2区に高見康裕の前職2名を公認・擁立し、必勝を期しましたが、島根2区では議席を安堵しましたが島根1区では補選に続いて敗北し、議席奪還はなりませんでした。島根県には衆議院の議席が2議席しかなく、少子高齢化や人口減少が進行する中では国の支援が不可欠であり、与党の議席を失う政治的ダメージは計り知れない大きさだけに残念で、捲土重来を期さなくてはなりません。

 与党である自公の議席数が過半数を大きく下回った選挙結果から、国政の流動化は避けられず、減税や無償化を主張する政党の伸張からは生産投資から給付中心の政策展開が予測されるため、インフラ整備や技術革新などへの予算が縮小され、ふたたび経済成長が鈍化する恐れが生じてきました。国際情勢が不安定化しアジアの緊張も高まる中で、日本の平和と独立を堅持するためには国際協調が不可欠であり、政権の安定がなければ国際社会での信頼が得られないだけに、首班指名が行われる特別国会に向けて、政権の枠組みがどうなるのかが注目されるところであり、東京一極集中を是正し、地方の活力を取り戻す「日本創生」の行方が心配です。

 

 10月23日、島根県議会は全員協議会が開催され、丸山知事が10月1日に就任した隣県出身の石破総理に対する祝意と期待を述べた後、物価高騰対策にかかる緊急要望と令和7年度の国の予算編成等にかかる島根県の重点要望について説明しました。物価高騰対策については、エネルギー価格高騰への対応や円安の是正、下請けや零細事業者の経営環境改善、医療・介護・保育現場への支援など6項目、平成7年度の重点施策では、都市と地方の格差是正に向けた大胆な政策の実行やAI・デジタル化への対応など55項目で、知事および議長が11月21日と22日に関係省庁を訪れる予定としています。全員協議会の終了後には、決算特別委員会が開催され、全体会では、監査委員から令和5年度の財務監査報告を聴取し、分科会では所管部局から提出された事務事業の報告資料について質疑が行われました。第3分科会(農林水産部、商工労働部、労働委員会)では、海岸地域の漂着ごみの処理や山間地域の除草作業が住民の大きな負担となっており、国の制度である水産業や林業に関わる多面的機能支払制度の拡充を求める意見と県内全域に亘るシカ、イノシシ、サル、クマおよび野鳥被害の拡大に対する調査と適切な駆除に関わる体制の整備を求める意見を分科会の指摘意見として主査報告に盛り込むことを決めました。

 10月21日、松江市で衆議院島根1区に立候補している高階(たかがい)恵美子候補の個人演説会に石破茂夫人の石破佳子さんが応援に駆け付けました。この日は、石破内閣の官房副長官を務めている青木一彦参議院議員の夫人である青木珠江さんも同席し、「青木によると、高階恵美子候補は参議院平成22年当選の同期で、厚生行政に明るい実力者とのことです」と挨拶しました。講演で、石破佳子さんは「石破が第102代の内閣総理大臣に就任したことは島根県の皆さんのご支援によるもの」とし、「石破は竹下登先生が提唱されたふるさと創生を地方の活力を引き出す政策だとして引き継ぐとしており、日本創生のフレーズはその表れ」、「島根1区に立候補している高階候補は、医療・福祉のスペシャリストで、石破政権の社会制度改革にはなくてはならない人」などと述べ、「石破を支えるためにも、是非、高階候補に議席を奪還していただきたい」と結びました。

 ところで、小生が自民党県連幹事長の園山繁県議会議員として締めの挨拶の中で「少し残念に思うのは、今回、島根県で立候補した6人のうち5人が女性であり、島根県でもあらゆる分野に女性の出現を社会が希求してきた証し」と述べたことが、ジェンダーギャップに関わる発言として、一部のマスコミで全国に発信されています。小生は、典型的な男性社会であった政治の世界で、今回、島根県で候補者の多くが女性となったことは、女性が家庭という社会からあらゆる分野に進出してきたことを示す典型的な事例であり、島根県が取り組んできた女性活躍推進施策が功奏したとすれば(女性活躍100人委員会の設置や女性活躍担当セクションの設置を進言した当事者の一人としては)感慨深いものがある一方で、男性の手が上がらなかったことについては男女共同参画の観点からは少し残念な気がするという意で述べたものですが、発言の一部のみが切り取られ、時代錯誤の発言として批判の的となり、発信されことは極めて不本意で、残念に思います。