如月の物思い -82ページ目

退職して

以前の会社を退職して、真っ先にしたこと、それが、タンザニアへの旅行。

退職の翌月には旅行に行き、その翌月には入院が決まっていた。

旅行は最高だった。
久々のアフリカ。
今まで積もり積もったストレスが、吹っ飛びそうなくらい。

「うつ」も忘れた。

病院勤めの頃は、最低、年に一回は長期(といっても、長くて2週間くらい)休暇を取って、海外旅行に行っていたから、旅行に行けないってのは、非常に不本意だった。

アホ会社にいる時、ハワイでの友人の結婚式に出るため、無理矢理5日間の休暇を取ったことがあったが、それだけでも大変だった。
で、この会社にいる限り、アフリカは無理だなと思っていた。

だから、久々のタンザニアは、ものすごい開放感。

その後、2度にわたる乳ガンの手術と治療。
一年間、仕事はせず、治療に専念。ってか、タラタラ家で過ごした。

仕事のストレスからきた「うつ」は改善したが、今度は、ホルモン療法の影響で、自律神経症状が出て、更年期うつ、みたいになっちまったので、抗うつ剤と安定剤は今も飲んでいる。寝る時は、眠剤と、勿論ガンの治療のための薬も飲んでいるので、まあ、薬漬けってとこ?

一年間タラタラした後、仕事を始めたが、その前に、もう一度タンザニアへ行っておこうと思い、昨年の2月に行った。

その後、働き始めたが、どうもしっくりこず、体調もいまいち。
通院は続いている。

病気になる前の私だったら、しっくりこなくても、辞めるということはなかったかもしれないが、もう無理はしないことにした。

で、来月には、今の職場を辞めて、さて、次はどんな所に勤めることになるのやら。

ランチタイム

今日(日付が変わったから昨日か)以前の職場の同僚とランチをした。

彼女も私と同じく乳ガンの治療中である。
私が手術をした翌年に、彼女もガンが見つかり、手術を受けた。

で、2人の一致した意見が「仕事のストレスが原因だよ」
彼女は、訪問介護の管理者である。

でも、私が会社を辞めた後も、彼女は留まり、今も頑張っている。

「本当は辞めようと思ったけど、スタッフのみんなが戻ってきてって言ったから」そう言いながら、まんざらでもないといった感じで笑ってみせた。

相変わらず、ストレスを抱えながら、それでも、戻って良かったかな、と言っている。

私の場合、退職を決めたのと、乳ガンが分かったのは、ほぼ同時期で、周囲が止める声は耳に入らなかった。

スタッフも、私の気持ちを最終的には解ってくれた。その後、訪問看護は、次の管理者を見つけられないまま、ステーションを閉じることになった。
私が辞めたことで、ステーションもなくなったが、そのことで私を責める人はいなかった。

「責任は、会社にある」
皆そう言ったし、実際のところ、私もそう思う。
私が退職を申し出てから、実際に辞めるまで、かなりの期間があったにも関わらず、次の管理者を見つける努力を、会社は怠った。

管理者の仕事がどんなものかを見ていたスタッフは、誰も次の管理者になることを承諾しなかった。
「管理者やるくらいなら辞めます」だもんな。
まあ、無理もない。

実際、私はほぼ限界だったし・・・
仕事は山のようにあり、しかも、看護の仕事より、事務仕事が多く、会社の上司は、訪問看護の仕事がどういうものかも解らず、数字だけを求めた。
管理の仕事を相談できる相手はおらず、全て自分で調べなくてはならず、帰りが遅くなる毎日。
家に帰れば、家事をしなくてはならず、自分の時間はない。
長期休暇を取れるような状況ではないため、ずっと旅行にも行けなかった。

そのうち、夜眠れなくなり、身体は不調を訴え、感情の起伏が激しくなり、無気力になり、ヤバイと思って病院に行ったら、「うつ」と言われ、抗うつ剤と安定剤を飲みながら、仕事を続けた。
で、トドメが乳ガン。
私じゃなくても辞めるだろ?

だから、辞めたことを後悔はしていないし、あの時は他に選択肢がなかった。

でも、彼女は頑張ってる。会社は相変わらずアホなことばかりやっていて、そのことに関して、かなり愚痴も聞かされたけど、そんななかでも、スタッフに支えられながら、頑張っている。
偉いと思う。

お互い病気抱えて、家庭抱えて、仕事もして。

でも、自分のために、自分のやりたい事をやるのも大切なことだ。特に、命の危機を感じた経験があるなら尚更だ。

それは自分勝手な生き方とは違うと思う。実際、周囲への責任を果たすことも心がけているし、自分がしなきゃいけないことはやっている。

久々に彼女と話て、あの頃のことを思い出し、そして、今後のことも考えてしまった。

また一緒にランチしようね。お互い身体に気を付けて、ずっと元気でいたいねと、そう言って別れた。

次に会う時は、新しい職場が決まったという報告ができたらいいなと思っている。

去年の今日

ンゴロンゴロを出てセレンゲティへ向かう。


よく寝たはずなのに、なんとなく身体がだるい。

疲れが残っている感じ。

結構、ハードスケジュールだったからな。


ロッジを出て、クレーターの入口を通り過ぎ、草原地帯を走る。

ここらへんには、マサイの住居が点在し、放牧中のマサイと家畜の姿も見える。

しばらく走ると、キリンがいた。

キリンはクレーターの中にはいないが、クレーターの外では結構な数が生息しており、必ずといっていいほど、

その姿を見ることができる。

シマウマやガゼルも一緒にいる。


ンゴロンゴロとセレンゲティは地続きというか、隣合っていて、境界線らしきものはなく、ただ、草原の中の一本道を走っていると、道の途中に「この先セレンゲティ」みたいな看板がかかっている。

そこが境界線といえば境界線かな。

セレンゲティ側から来ると、看板には「この先ンゴロンゴロ」と書いてある。(表と裏の違い)


この移動道中でも、結構動物達の姿を見ることができて、多いのはヌー。

ケニアのマサイマラとセレンゲティを移動するヌーは、この時期セレンゲティ側に来ている。

ちなみに、私はアフリカ旅行というと、この時期なので、マサイマラでヌーを見たことはない。

今度は、ヌーがマサイマラに来ている時期に、ケニアに行ってみたいと思っている。


セレンゲティのゲートを出ると、目の前に豊かな草原が一面に広がる。

「セレンゲティ」とは、現地の言葉で「果てしない草原」を意味するが、その通りの景色なんである。

しばらく走ると、コピエが見えてくる。

コピエというのは、大きな岩山のようなもので、岩の間から木や草が生えている。

草原の海の上を漂うよう船のように、あちこちにコピエが見える。

ここは、小さなハイラックスから、大きなライオンまで、色々な動物達が住家として利用する。

なかなかの景色である。


広大な草原を列を作って歩いて行くヌーやシマウマ、ガゼルの姿も見える。

ハイエナやライオンのような肉食獣もいる。

フンコロガシが車の中に飛び込んできて、カヨちゃんは大騒ぎ。


まずはロッジへ。

ロッジは、セレンゲティの中心部に位置する疎林帯、セロネラにある。

入口に看板がかかっていて、「動物に水道管を壊されて、現在修復中」とある。

このため、水(お湯も)は朝方と夜の数時間しか出ないという。

あらら~。

まあね、そういうこともあるだろうね。

騒いでも仕方ない。

トイレの水も流れないので、用を足してもそのまんま。

夜、水が出るようになったら流すしかない。


ロッジで昼食を取って、少し休憩してから、サファリに出かける。

セレンゲティは、ものすごく広い場所なので、ンゴロンゴロに比べると、動物に会える確率は低くなる。

動物達が散らばっているからだ。

ヌーやシマウマは、今の時期、セロネラよりも南方のゲート近くの方が多く、セロネラ周辺にはほとんどいない。

いるのは、インパラやキリン。

ゾウやバッファローも。

あんまり広すぎて、どこを探したらいいのやら。

それでも走っているうちに、ちらほらと姿を見せてくれる。


無線が入り、ピーターさんがいきなり車のスピードを上げた。

走る走る。

こんなにスピード出していいんかい?

で、着いた場所には、すでにたくさんの車。

何がいたか?

ヒョウである。

木の上で、のんびり休んでいるヒョウ。

ヒョウはめったに姿を現さない。

見られるのは、本当にラッキー。車も集まるわけだ。

美しい動物だ。

その美しさゆえに、密猟者にも狙われるが、ヒョウの毛皮はヒョウが身につけてこそ美しいと思う。

ヒョウに限らず、動物の毛皮は、その本来の持ち主が身につけているから美しいのであって、

人間が身につける物ではない。


サファリの帰りの道中、カヨちゃんの元気がない。

具合が悪そう。

本人が言うには、荷物がないため、寒くても羽織る上着がなく、風邪をひいたようだという。

そりゃ大変。

セレンゲティに着いたのに、カヨちゃんの荷物は届かない。

不便な中でも頑張っていたカヨちゃんだけど、こういう落とし穴があったか。

とりあえず栄養はつけないといけないので、夕飯は取って、私が持ってきていた風邪薬と抗生剤、

消炎剤を渡して飲んでもらう。


問題は明日だ。

明日は、セレンゲティの保護区外でウォーキングを予定している。

体調の悪いカヨちゃんにできるか?


私自身も、ここにきて疲れが出始めている。

一年前なら多分大丈夫だったろうが、病気持ちの身には、やはり少々ハードなスケジュールだったかなと

思い始めていたところ。


無理して、その後に響いてもいけないので、ピーターさんとも相談して、明日のウォーキングは取りやめにした。

「ちょっとゆっくりしましょう」ということになり、明朝のサファリの出発も遅めにしてもらうことにした。

休憩が必要。


早めに休むことにする。