「私はどうしたらいいですか?」

 

 

 

学校へ行き渋るお子さんの状況を

 

ある程度、整理できてきたら

 

 

 

お母さんが質問されることがあります。

 

 

 

幼児期に発達障害の診断を受けられて

今は中高生になるお子さんが

 

今までずっと落ち着いていたにもかかわらず

 

 

突然、腹痛や頭痛を訴えて

行き渋るようになってしまった。

 

 

 

コロナの休校の影響だろうか?

 

 

体調不良も続いているし、

病院では

 

「過敏性腸症候群かもしれない」

 

と言われるし・・。

 

 

 

 

このようなケース

今、結構あるのかもしれません。

 

 

 

小学校、中学校とほとんど

行き渋りも見られなかった場合は

 

 

親御さんとしても不安や焦りが出る

でしょうね。

 

 

 

 

こういった場合

お子さん自身は

 

 

「お腹が痛いから学校へ行けない」

 

「お腹が治れば学校へ行ける」

 

 

と言いますし、

 

実際にそう考えていることはあります。

 

 

 

また

 

腹痛や頭痛、吐き気などの体調不良は

事実起こっていると思いますし、

 

 

親御さんも病院を何か所か

回られることもあると思います。

 

 

 

 

けれど、

 

 

【行き渋りの原因は体調不良だ】

 

 

と結論づけるのは少し待ってください。

 

 

 

なぜかというと

 

そう結論づけてしまうと

 

 

発達障害の子の思春期に起こり得る

大事なことを

 

 

全て見逃してしまうかもしれないからです。

 

 

 

それだけでなく

 

お子さんに対して

全くズレた見方をしてしまい

 

 

不登校を長引かせてしまう結果にも

つながりかねないのです。

 

 

 

例えば

 

行き渋りを単なる「怠け」と捉えて

叱咤激励する

 

 

などは典型的です。

 

 

 

 

そうではなくて、

 

 

やはり発達障害のお子さんにも

他の子たちが表現するような

 

 

友達関係のことだったり

学習や進路のことだったり

学校の中のいろいろなこと

世の中のこと

 

 

に対して

 

多感になっておられるのではないか

ということです。

 

 

 

ただ

発達特性から

 

一言も言葉で表現されないこともありますし

一般的な悩み相談みたいに話されない

 

 

ことも多いと思います。

 

 

 

お子さんに起こっていることとして

 

もし、ここに一つ挙げるとしたら

 

 

周囲と自分のズレを感じ始める

 

 

ということです。

 

 

 

 

私が過去に出会ったある女の子は

 

 

「周りの女子から冷たくされる」

 

「どうしてなのか理由を知りたい」

 

 

という訴えから始まり

 

 

「自分は他の子とは違う」

 

「普通になりたい」

 

 

という風に話しました。

 

 

 

 

彼女はアスペルガー(当時の診断)だと

知っていたので、

 

自分がどのような特徴を持っているのかも

ある程度理解していました。

 

 

 

なので、

 

 

自分の持つ特徴と

周囲の環境との間をどう調整できるか?

 

 

ということについて

一緒に考えることができました。

 

 

 

 

ただ、

 

やはり診断を持つお子さん全員が

診断のことや、

 

診断でなくても特徴を知っているわけではありません。

 

 

 

親御さんとしても

 

 

いつ、どのように伝えるのか?とか

 

伝えたら子どもはどう反応するだろう?とか

 

 

心配な面もあるでしょうね。

 

 

 

 

それでも、やはり

 

何も知らないまま大人になっていく

というよりも

 

 

自分とはどういう人間なのか?

 

どんなことが得意で苦手なのか?

 

何が好きで何が嫌いなのか?

 

 

そういったことを考える段階を経て

将来の進路や職業を選択していく

 

 

そんな時期に来ている、

と考えてよいのだと思います。

 

 

 

 

もちろん、一気に何もかも・・という

訳にはいかないと思いますが、

 

 

お子さん本人がまだ把握したり

表現できていないであろう部分を

 

 

少しずつ一緒に拾い上げていく作業を

大事にしたいなと思います。

 

 

 

・・・というわけで、

 

「私はどうしたらいいですか?」

 

という、

 

 

お母さんからの質問への答えとしては、

 

 

 

お子さんの自己理解を進めるような

かかわり方を考えていく

 

 

ということになると思います。