友人たちの進路希望表の内容を聞いたところ、呆れられてしまった。
「二人とも、まだ出してなかったの?」
「アタシはその日のうちに出したよ」
「あたし? あたしは一昨日」
口々に言われてしまう。
「みんな早いのね、」
やりたいことが、ちゃんと決まっているのだろう。
(わたしは何がしたいのかしら?)
傍らの水藍を見る。
(水藍は?)
彼女のやりたいことは何だろう?
わたしは。水藍の親友などと言いながら、彼女のやりたいこと、なりたいものを知らない。
そもそも。
(知りたいと思った?)
当たり前のように傍にいて、わたしはずっとこうして行くのだと漠然と思っていたのではないか。
『別々の人間で、別々の人生なんだから』
思い出してギクリとした。
昨日の紫藤の言葉だ。
諭すような彼の口調。
水藍とわたしを似ていると、彼は言った。
彼の眼に、わたしたちはどんな風に映っているのだろう。