彼は「無駄ですか」と呟く。
言葉とは裏腹に、何故か面白そうに顔は笑みを浮かべたままだ。
(あら?)
この人は、本当は性格が悪いのかもしれない。
「先生は、無駄じゃないって言いますか?」
そんなの、きれいごと以外のナニモノでもないと思うけれど。
それでも。本当は「無駄じゃない」と、どこかで否定されたがって「無駄だ」と口にするのかもしれない。
「どうでしょう?」
肩を竦める。
否定も肯定もされず、わたしは何だか肩透かしのような、すっきりしない感じだ。
「『どうでしょう』?」
彼の言葉をそのまま、なぞる。
彼はまた先ほどと同じように肩を竦めた。