弁償算2024② | 受験算数はきょうもおもしろい

以前の記事の続きです。

 

今年出された弁償算の第2回です。

 

  その1(浦和実業2024)

 

だんごを焼く仕事をしました。うまく焼けると50円もらえますが、失敗すると50円はもらえず、しかも100円で買い取らなければなりません。
60本焼いて1500円もらいました。成功したのは▢本です。

 

右矢印60本焼いて1500円」もらったという合計本数と合計代金がわかっているがそれぞれの本数がわからない場合なのでつるかめ算で考える。

ただしマイナスのつるかめ算(弁償算)となっているので最大もらえる金額(最大の面積)を先に考えると

  1. 60本ぜんぶうまく焼けていたら50×60=3000円もらえていた
  2. ここから成功1本が失敗1本にかわるごとに150円ずつへっていく(「失敗すると50円はもらえず、しかも100円で買い取らなければ」ならないので)
  3. もらったのが1500円だから(3000-1500=)1500円へらされたとわかる。これは1500÷150=10本失敗したということ

よって成功した本数□は60-10=50本

 
念のため検算しておくと、だんご60本のうち50本をうまく焼けて10本を失敗したとき、50×50-100×10=1500となりたしかに1500円もらえることとなる

 

  その2(山脇2024B)

 

太郎(ろう)君と花子さんは、いくつかおはじきをもっています。2人はじゃんけんをして、勝ったらおはじきが3個増え、負けたらおはじきが1個減り、あいこのときは2人ともおはじきが2個ずつ増えるゲームをしました。じゃんけんを30回したところ、太郎君はおはじきが45個増えて、花子さんはおはじきが25個増えました。このとき、太郎君は▢回じゃんけんに勝ちました。

 

右矢印じゃんけんを30回した」ときにあいこが何回あったかをまず確定すると

  1. 太郎君はおはじきが45個増えて、花子さんはおはじきが25個増え」た。つまり2人あわせるとじゃんけん30回で合計70個増えた
  2. あいこのときは2人ともおはじきが2個ずつ増える」から2人あわせるとあいこのときは合計4個増える
  3. 勝ったらおはじきが3個増え、負けたらおはじきが1個減」るから2人あわせると勝ち負けがついたときは合計2個増える
  4. これをつるかめ算で考えると 4×5+2×25=70よりあいこは5回あったとわかる

つまり太郎君はあいこ5回で2×5=10個のおはじきをもらった。

 

そうなると(ぜんぶで30回のじゃんけんで太郎君はおはじき45個増えたから)残りの35個は勝ち負けがついた回が25回あったなかで増えたり減ったりした結果。そこでこれは弁償算として考えると

  1. もし25回ぜんぶ勝っていたら3×25=75個もらえていた
  2. ここから勝ち1回が負け1回にかわるごとに4個ずつへっていく(「勝ったらおはじきが3個増え、負けたらおはじきが1個減」るから)
  3. 増えたのは35個だからぜんぶ勝ったときより75-35=40個少ない。これは(40÷4=10より)10回の負けがあったため
よって太郎君がじゃんけんで勝った回数▢は25-10=15回
 
念のため検算しておくと、勝ち15回、負け10回、あいこ5回だったとき 3×15-1×10+2×5=45となりたしかに太郎君の増えたおはじきは45個となっている 

 

  その3(愛光2024)

 

長い石段があり、BさんはAさんより8段上にいます。2人はじゃんけんをして、勝った人は7段上り、負けた人は2段下り、あいこになった場合は2人とも1段ずつ上るというゲームを50回しました。
⑴  あいこになることがなく、AさんがBさんより100段上にいたとき、Aさんは何回勝ちましたか。

 

右矢印右矢印右矢印 

  • BさんはAさんより8段上に」いたのにゲーム後には逆に「AさんがBさんより100段上にいた」からAさんはBさんより108段多く上った
  • 勝った人は7段上り、負けた人は2段下」るから(あいこはなかったから)ゲーム1回勝つごとに相手と9段差がつく。つまりAさんの方が(108÷9=)12回多く勝った
よってぜんぶで「ゲームを50回」したからこのうちAさんが勝った回数は
 (50-12)÷2+12=31回
 

⑵ あいこの回数がBさんが勝った回数の2倍であり、Bさんがはじめより80段上にいたとき、Bさんは何回勝ちましたか。

 

右矢印 ぜんぶで「ゲームを50回」したうち「あいこの回数がBさんが勝った回数の2倍」となったことを手がかりに、Bさんの勝ち数として考えられるものを大きい順に書き出してみると(次のカッコ内の数字は左から(B勝ち、あいこ、B負け)の回数をあらわすものとすると)

  • 16、32、2)…このとき上がる段数は7×16+32-2×2=140段
  • 15、30、5)…このとき上がる段数は7×15+30-2×5=125段
  • 14、28、8)…このとき上がる段数は7×14+28-2×8=110段
ここから
  • Bさんの勝ち数は最高16回(あいこはその2倍の32回)
  • ここから勝ち数が1回へるごとに上がる段数は15段ずつへっていく
という規則性が読み取れる。
 
よって16回勝つと140段上るBさんが「はじめより80段上にいた」から(140-80=60段少ないから60÷15=4より)Bさんの勝ち数は16-4=12回 完了