流水算2024③ | 受験算数はきょうもおもしろい

以前の記事の続きです。

 

今年出された流水算の問題の第3回です。

 

花子さんは、川の下流にあるA地点から上流にあるB地点を往復する船に乗りました。この船は、B地点の600m手前のX地点で上りも下りも2分間停泊(はく)します。花子さんは、B地点に向かう船がX地点を再出発するときに川に帽子を落としてしまい、帽子は川の下流に向かって流されていきました。B地点に着いた船は、10分後にA地点へ向かい、X地点から下流に1400m進んだ地点で帽子に追いつきました。A地点に向かう船がB地点から帽子に追いつくまでの時間は、B地点に向かう船がX地点を出発してからB地点に着くまでにかかる時間より、6分長くかかりました。このとき、川の流れの速さは毎分何mですか。ただし、静水で船が進む速さは一定です。なお、この問題は解答までの考え方を表す式や文章・図などを書きなさい。(洗足2024第3回)

 

右矢印B地点に向かう船がX地点を出発してからB地点に着くまでにかかる時間」をア分とすると「A地点に向かう船がB地点から帽子に追いつくまでの時間」は(ア+6)分となる。

全体像をダイヤグラムにすると次のとおり。

ここで帽子を落としたあとの(B地点で10分、X地点で2分の合計)12分の停泊時間がもしなかったら船はB地点を出たア分後に帽子に追いついていた(下図の青のグラフ。なぜ左右が同じ時間になるかは過去記事「浮き輪が登場する流水算」など参照)

  • 実際に船が帽子に追いついたのは(ア+6)分後。このうち2分はXでの停泊時間だから船がよけいに進んだ実際の時間は4分(=6-2)
  • これは船が止まっていた12分間帽子だけが進んでいたためよけいにかかったもの
  • ここからわかるのは船が4分で進む距離を帽子は12分で進む。そこで船の静水時の速さを③とすると川の流れの速さは①となる。

  • はじめのグラフにもどるとXB間の上り600mにア分かかっているから(船の上りの速さは③-①=②より)②×ア=600…❶
  • またBを出たあとの下り2000m(=600+1400)に(ア+4)分(停泊時間2分を引いたあと)かかっているから(船の下りの速さは③+①=④より)④×(ア+4)=2000。両辺を2で割ると②×(ア+4)=1000…❷
  • したがって❶❷より 600+⑧=1000 だから ①=50
よって川の流れの速さ①は毎分50m 完了