以前の記事の続きです。
今年出された弁償算の問題です。
その1(田園調布学園2024第3回)
ボールを的に当てると5点もらえ、的を外すと8点引かれるゲームがあります。100点の状態からこのゲームをスタートし、10回ボールを投げたところ、111点になりました。何回的を外しましたか。
的を外した回数を▢回とすると
- 10回ぜんぶ的に当てたときの得点は 100+5×10=150点
- ここから1回的を外すごとに得点は5+8=13点ずつ下がっていくから(5点がもらえないうえに8点引かれるというように数えるから)150-13×□=111
よって ▢=(150-111)÷13=3回
その2(品川女子2024)
1枚のコインを投げて、表が出れば8点加えて、裏が出れば5点減らすゲームをします。150点からはじめて、29回コインを投げると、187点になりました。
表が出た回数は▢回です。
裏が出た回数を〇回とすると
- 29回ぜんぶ表だったときの得点は 150+8×29=382点
- ここから1回裏が出るごとに得点は8+5=13点ずつ下がっていくから(8点がもらえないうえに5点引かれるというように数えるから)382-13×〇=187
よって 〇=(382-187)÷13=15 より表が出た回数▢は
29-15=14回
その3(フェリス2024)
AさんとBさんがじゃんけんを何回かして、点数を得たり失ったりするゲームをします。2人のはじめの持ち点はともに10点です。
グーで勝てば1点を得て、グーで負ければ1点を失います。
チョキで勝てば2点を得て、チョキで負ければ2点を失います。
パーで勝てば3点を得て、パーで負ければ3点を失います。
じゃんけんでは2人が同じ手を出した場合は勝敗がつくまでじゃんけんをして、それを1回のじゃんけんと数えます。
次の[ア]〜[ウ]にあてはまる数をそれぞれすべて答えなさい。
①じゃんけんを1回して、Aさんの持ち点が11点になるとき、Bさんの持ち点は[ア]点です。
Aさんは持ち点が10点→11点になったからグーで勝ったということ。
よってチョキで負けたBさんの持ち点は10-2=8点だから
ア=8
②じゃんけんを2回して、Aさんの持ち点が10点になるとき、Bさんの持ち点は[イ]点です。
Aさんの持ち点が10点→10点となるのは❶1点を得て1点を失った、❷2点を得て2点を失った、❸3点を得て3点を失った、の3パターンある。
それぞれの場合にBさんの持ち点がどうなるかしらべると(たとえば1点を得て1点を失った場合を(+1,-1)のように書くと)
- (+1,-1)のとき…Aさんはグーで勝ちグーで負けたということはBさんはチョキで負けパーで勝った→Bさんは 10-2+3=11点
- (+2,-2)のとき…Aさんはチョキで勝ちチョキで負けたということはBさんはパーで負けグーで勝った→Bさんは 10-3+1=8点
- (+3,-3)のとき…Aさんはパーで勝ちパーで負けたということはBさんはグーで負けチョキで勝った→Bさんは 10-1+2=11点
よってBさんの持ち点は8点か11点だから
イ=8,11
③2人の持ち点のうちのどちらかがはじめて5点以下となるか、15点以上となったとき、このゲームを終了することにします。じゃんけんを3回してAさんの持ち点が15点以上となり、ゲームが終了しました。このときBさんの持ち点として考えられる最も高い点は[ウ]点です。
Aさんの持ち点が10点→15点になるにはAさんは2回か3回勝たないといけない。となると(あいこはないルールだから)Bさんが勝ったのは1回か0回だからBさんの持ち点がより高くなるのはBさんが1回勝ったとき。
そして求めたいのは「Bさんの持ち点として考えられる最も高い点」だからBさんの勝ちの点を最大にして負けの点を最小にすることを考えるとそれはBさんがパーで勝ってグー、グーで負けたとき(もしこれが条件に合うとしたら)。このとき 10+3-1-1=11点と最も高い点となる。
そこでこれが条件に合うかしらべると、Aさんはこのときグーで負けパーで2回勝ったこととなり10-1+3+3=15点でたしかに「じゃんけんを3回してAさんの持ち点が15点以上」という条件に合っている(なおAさんが最初の2回つづけてパーで勝ってしまうとその時点で16点となりじゃんけんは終わってしまうので出した順番はそれ以外)
よってウ=11