時計算2024 | 受験算数はきょうもおもしろい

以前の記事の続きです。

 

今年出された時計算の問題です。

 

次の図のように、長針をL、短針をS、 6を指す動かない針をAとする時計があります。この時計の短針は時計回りに動きますが、長針は壊れており、反時計回りに動きます。ここで、SとLが作る角をAが二等分する状態をXとします。状態Xとなる例は次のような場合です。

同様にLとAが作る角をSが二等分する状態をY、AとSが作る角をLが二等分する状態をZとします。このとき、次の問いに答えなさい。(市川中2024)
⑴ 8時から時計を動かしたとき、はじめて状態Xになるのは何分後か答えなさい。

 

右矢印 いつも長針Lと短針Sのちょうど真ん中にあるように動く第3の針Mを考える時計算2023⑤時計算2023④など参照)。このとき

  1. Lは反時計回りに分速6°、Sは時計回りに分速0.5°で動くからMは反時計回りに分速2.75°(=(6-0.5)÷2)で動く
  2. 8時のときLとSの角度(のうち小さい方)は120°だから(12の針の場所から反時計回りにはかった角度でいうと)いまMは60°の場所にある。これが180°の場所に着くのは何分後かをしらべればよい
よって (180-60)÷2.75=480÷11=43⁷⁄₁₁分後

 

⑵ 8時から90分間時計を動かしたとき、状態X、Y、Zはどのような順で起こるか次の例のように答えなさい。
[例]X、Y、Z、Xの順で起こるとき。X→Y→Z→X

 

右矢印 8時から90分間について少しずつ針を動かしていくと次のように①~⑥の順に6回起こるのがわかる。

 

 

 

なお⑥のあとはL(長針)がAを追いこしてしまう(「8時から90分間」を過ぎてしまう)ので7回目以降はないことは図より明らか。

よって Y→Z→X→Z→Y→Z

 

⑶ 8時から時計を動かしたとき、2回目の状態Zになるのは何分後か答えなさい。

 

右矢印 上の図の④の状態になるのが何分後かを求めたいので

こんどは短針Sと6を指す針Aのちょうど真ん中にいつもあるように動く第3の針Nを考える。このとき

  1. Nの速さは時計回りに 0.5÷2=分速0.25°。Nのはじめの場所は(12の針の場所から反時計回りにはかった角度でいうと)150°
  2. これがまずL(反時計回りに分速6°)と出会うのが 150÷(6+0.25)=24分後でこれが②の状態
  3. そこからNとLが180°はなれたのが④の状態だから②から④になるまでにさらに28.8分(=180÷6.25)かかる

よって 24+28.8=52.8分後 完了