以前の記事の続きです。
今年出された時計算の問題です。
次の図のように、長針をL、短針をS、 6を指す動かない針をAとする時計があります。この時計の短針は時計回りに動きますが、長針は壊れており、反時計回りに動きます。ここで、SとLが作る角をAが二等分する状態をXとします。状態Xとなる例は次のような場合です。
![](https://stat.ameba.jp/user_images/20240219/03/jukensansuwa/8b/ae/p/o2165119015403296759.png?caw=800)
同様にLとAが作る角をSが二等分する状態をY、AとSが作る角をLが二等分する状態をZとします。このとき、次の問いに答えなさい。(市川中2024)
⑴ 8時から時計を動かしたとき、はじめて状態Xになるのは何分後か答えなさい。
いつも長針Lと短針Sのちょうど真ん中にあるように動く第3の針Mを考える(時計算2023⑤、時計算2023④など参照)。このとき
- Lは反時計回りに分速6°、Sは時計回りに分速0.5°で動くからMは反時計回りに分速2.75°(=(6-0.5)÷2)で動く
- 8時のときLとSの角度(のうち小さい方)は120°だから(12の針の場所から反時計回りにはかった角度でいうと)いまMは60°の場所にある。これが180°の場所に着くのは何分後かをしらべればよい
よって (180-60)÷2.75=480÷11=43⁷⁄₁₁分後
⑵ 8時から90分間時計を動かしたとき、状態X、Y、Zはどのような順で起こるか次の例のように答えなさい。
[例]X、Y、Z、Xの順で起こるとき。X→Y→Z→X
8時から90分間について少しずつ針を動かしていくと次のように①~⑥の順に6回起こるのがわかる。
なお⑥のあとはL(長針)がAを追いこしてしまう(「8時から90分間」を過ぎてしまう)ので7回目以降はないことは図より明らか。
よって Y→Z→X→Z→Y→Z
⑶ 8時から時計を動かしたとき、2回目の状態Zになるのは何分後か答えなさい。
上の図の④の状態になるのが何分後かを求めたいので
こんどは短針Sと6を指す針Aのちょうど真ん中にいつもあるように動く第3の針Nを考える。このとき
- Nの速さは時計回りに 0.5÷2=分速0.25°。Nのはじめの場所は(12の針の場所から反時計回りにはかった角度でいうと)150°
- これがまずL(反時計回りに分速6°)と出会うのが 150÷(6+0.25)=24分後でこれが②の状態
- そこからNとLが180°はなれたのが④の状態だから②から④になるまでにさらに28.8分(=180÷6.25)かかる
よって 24+28.8=52.8分後