時計算2023④ | 受験算数はきょうもおもしろい

以前の記事の続きです。

今年の入試問題より時計算の第4弾です。

 

  その1(淑徳巣鴨2023)

 

3時から3時40分までに長針と短針の作る角度が60度以下になっているのは何分間か求めなさい。

 

右矢印 3時のとき長針は短針より90°後ろにあり、3時40分のとき長針は短針より130°(=5.5×40-90)先にある。

どちらも60°より大きいからふつうに短針より60°後ろにいる長針が短針を追いこして60°先に行くまでの時間を求めればよい。

 

よって長針(分速6°)が短針(分速0.5°)との距離を120°ちぢめるときの追いつき算を考えると

 120°÷5.5=120ײ⁄₁₁=21⁹⁄₁₁

より 21⁹⁄₁₁分間

 

 

  その2(中央大学附属横浜2023)

 

図のように長針と短針を持つA、B、Cの3つの時計があります。Aの時計は時間通りに動きますが、Bの時計は1時間ごとに7分30秒遅れ、Cの時計は1時間ごとに5分早く進みます。ある日の正午に3つの時計を12時に合わせました。
このとき、次の問いに答えなさい。

⑴ 時計を合わせたあと、Aの長針と短針の間の角がはじめて110度になるのは何分後ですか。

 

右矢印 Aはふつうの時計なので、長針(分速6°)と短針(分速0.5°)とのふつうの追いつき算で

 110÷(6-0.5)=20分後

 

⑵ 時計を合わせたあと、Bの長針とCの長針がはじめて同じ方向を向くのは何分後ですか。

 

右矢印 Bの長針とCの長針の分速をそれぞれ求めると

  1. Bの時計は1時間ごとに7分30秒遅れ」るから1時間で52分30秒進む。とするとBの長針の分速は 6°×52.5÷60=5.25°
  2. Cの時計は1時間ごとに5分早く進」むから1時間で65分進む。とするとCの長針の分速は 6°×65÷60=6.5°
よって「Bの長針とCの長針がはじめて同じ方向を向く」のはより速いCの長針がBの長針に追いついたとき=360°の差をつけたときなので
 360÷(6.5-5.25)=288分後

 

⑶ 時計を合わせたあと、A、B、Cの長針がはじめて3本とも同じ方向を向くのは何分後ですか。

 

右矢印 Aの長針(分速6°)とBの長針(分速5.25°)がはじめて同じ方向を向くのは何分後かを考えると

 360÷(6-5.25)=480分後

とすると

  • Aの長針とBの長針が同じ方向を向くのは480分後、960分後、1440分後
  • Bの長針とCの長針が同じ方向を向くのは(小問⑵より)288分後、576分後、864分後、1152分後、1440分後
よって「A、B、Cの長針がはじめて3本とも同じ方向を向く」のは(480と288の最小公倍数1440より)1440分後

 

 

  その3(白百合2023)

 

短針と長針がある普通の時計に、一定の速さで反時計回りに回る特別な針Aを取り付けて、3本の針が回転する様子を観察しました。4時に針Aと長針が重なっている状態から観察を始めたところ、長針と短針の作る角が初めて直角になるのと同時に、針Aと長針が作る角が初めて180度になりました。このとき、次の問いに答えなさい。ただし、答えは整数か帯分数で答えなさい。
⑴ 針Aが一周するのに何分かかりますか。

 

右矢印長針と短針の作る角が初めて直角になる」のは(4時の時点で120°あった角が90°になるということで)30°の追いつき算を考えて

 30÷5.5=⁶⁰⁄₁₁分後

この⁶⁰⁄₁₁分で長針と針Aが180°はなれるということなので針Aと長針の分速の和は

 180÷⁶⁰⁄₁₁=33°

よって針Aの分速は27°(=33-6)だから一周するのにかかる時間は

 360÷27=⁴⁰⁄₃=13⅓分

 

⑵ 図のように12と5の間にある針Aが、初めて短針と長針の作る角度を2等分するのは4時何分ですか。

 

右差し第三の針」の考え方を使うのが解きやすい問題。

 

右矢印 長針と短針のちょうど真ん中にいつもあるような第三の針(中針)を考える

  • 中針の速さは (6+0.5)÷2=分速3.25°
  • 中針のはじめの位置は12時の位置から (0°+120°)÷2=60°先
この中針と針Aが初めて出会うところが「初めて短針と長針の作る角度を2等分する」ところとなる。
 
よって中針(分速3.25°)と針A(分速27°)との距離300°(=360-60)の出会い算を考えると
 300÷(3.25+27)=¹⁵⁰⁰⁄₁₂₁分
より 4時9¹¹¹⁄₁₂₁分 完了