以前の記事の続きです。
今年出された過不足算の問題の第2回です。
ある映画館に座席が何列かあります。ただし、1列には2つ以上の座席があります。1列の座席に、左端から座り始めて1つおきに座るとちょうど右端に人が座り、2つおきに座ってもちょうど右端に人が座ります。次の問いに答えなさい。(滝中2024)
⑴ 1列の座席はいくつありますか。考えられる数のうち、小さい方から3番目の数を答えなさい。
「1列には2つ以上の座席」があるとき
- 「1つおきに座るとちょうど右端に人が」座るような座席数は3、5、7、9、11、13…
- 2つおきでちょうど右端に人が座るような座席数は4、7、10、13…
よって1列の座席数として考えられる数は共通する7、13、19、25…(7からはじまり6ずつふえていく等差数列)だから小さい方から3番目は19
以下、この映画館の1列の座席数は⑴の数とします。また、どの列も同じ座席数が用意されているものとします。
⑵ ある人数でこの映画館の座席に座るとき、前の列から順に左端の席から1つおきに座ると後ろの3列がちょうど余り、2つおきに座ると18人が座れませんでした。この映画館の座席は何列あるか答えなさい。
1列の座席数は19で、これが①列あるとする。
- 「左端の席から1つおきに座る」と (19-1)÷2+1=10人が1列に座れる。このとき後ろの3列がちょうど余るから「ある人数」は 10×(①-3)…❶ とあらわせる
- また「2つおきに座る」と (19-1)÷3+1=7人が1列に座れる。このとき18人が座れないから「ある人数」は 7×①+18…❷ とあらわせる
よって❶と❷が同じなので 10×(①-3)=7×①+18 より ③=48 だから座席の列の数①は16列
⑶ この映画館の座席の列数は⑵の数とします。⑵の人数でこの映画館の座席に座るとき、最後の列に何人かが座って全員が座れる状態にしたい。前からある列までは1つおきに座り、その後ろの列からは2つおきに座る方法で座ったとき、1つおきに座っている列は何列ありますか。考えられる列数をすべて答えなさい。ただし、一番後ろの列以外はすべての列で右端まで座っているものとします。
ここまでにわかった情報をまとめると
- 座る人数は 7×16+18=130人
- 座席数は1列19席で16列
- 1列に座れるのは1つおきだと10人、2つおきだと7人
そして「一番後ろの列以外はすべての列で右端まで座っている」からぜんぶで16列あるのを
①10人の列と7人の列の合計15列(前から15列)
②一番後ろの列(最後列)
に分けて考える。
このとき①前から15列に注目して、10人の列の数を1列ずつへらし、7人の列の数を1列ずつふやしていくと前から15列に座れる人数はどう変わるかしらべると
- 10人の列が14列、7人の列が1列のとき(以下これを(14,1)のように書く)…10×14+7=147人
- (13,2)のとき…10×13+7×2=144人(このあとも3人ずつへっていくから)
- (12,3)のとき…141人
- (11,4)のとき…138人
- (10,5)のとき…135人
- (9,6)のとき…132人(ぜんぶで130人だからここまでは1番後ろの列には誰も座らないので条件に合わない)
- (8,7)のとき…129人(ここではじめて最後列に1人座る)
- (7,8)のとき…126人(最後列4人)
- (6,9)のとき…123人(最後列7人。最後列も2つおきの列だから7人までしか座れないので条件に合うのはここまで)
よって1つおきに座っている列の数として考えられるのは
8列、7列、6列