以前の記事の続きです。
立体図形の移動について今年出された問題例の第2回です。
図のように、底面の半径が3cm、高さが5cmの円すいがあります。この円すいを水平な台の上に置いて、円すいを動かします。ただし、円すいの体積は (底面積)×(高さ)×⅓ で求めることができます。(四天王寺2024)
①図1のように、円すいをまっすぐに10cm動かしました。このとき、円すいが通過した部分の体積を求めなさい。
真ん中と両はしの2つの部分に分けて考えると
- 真ん中(下図の赤)…底辺6㎝、高さ5㎝の三角形を底面とみると底面積15㎠(=6×5÷2)、高さ10㎝の三角柱だからその体積は 15×10=150㎤
- 両はし…2つ合わせてこの円すい1つ分の体積だから 3×3×3.14×5×⅓=47.1㎤
よって円すいが通過した部分の体積は 150+47.1=197.1㎤
正答率(概算)は小問①が70%、小問②が75%、小問③が30%となっています(学校発表)
②図2のように、円すいをOを中心として1回転させました。このとき、円すいが通過した部分の体積を求めなさい。
まず求める立体のイメージ図を考えると次のようになる。
- これは㋐この円すいの底面の半径、高さとも2倍にした大きな円すい(半径6㎝、高さ10㎝)から㋑この円すい(半径3㎝、高さ5㎝)2個分を引いた形になっている。
- この円すいの体積を①とすると㋐大きな円すいの体積はその8倍(=2×2×2)で⑧。ここから㋑この円すい2個分②を引くと求める体積は⑥
よって①が47.1㎤(小問①で使った)だから求める体積⑥は 47.1×6=282.6㎤
③図3のように、台の上に三角形があります。円すいを三角形の外側を辺にそって1周させました。このとき、円すいが通過した部分の体積を求めなさい。
これを上から見ると底面の円の通過する部分は次のようになる。
このうち
- 青い部分は小問①の真ん中部分と同じ底面積をもつ三角柱となる。その底面積は15㎠。3つつなげたときの高さは30㎝(=10+14+6)だからその体積は 15×30=450㎤
- 赤い部分は3つ合わせると小問②で求めたのと同じ立体となるからその体積は282.6㎤