流水算2024② | 受験算数はきょうもおもしろい

以前の記事の続きです。

 

今年の入試問題より流水算の第2回です。

 

川に船着き場Aがあり、Aから7200m下流の地点に船着き場Bがあります。船アがAを出発してBへ向かい、船アの出発と同時に船イがBを出発してAへ向かうと、2そうの船はAから4500m下流の地点ですれ違(ちが)います。また、船イがAを出発してBへ向かい、船イの出発と同時に船アがBを出発してAへ向かうと、 2そうの船はAから3750m下流の地点ですれ違います。ただし、川の流れの速さはつねに一定で、静水時の船ア、イの速さもそれぞれ一定であるものとします。以下の問いに答えなさい。(麻布2024)
⑴ 静水時の船ア、イの速さの比を最も簡単な整数の比で答えなさい。

 

右矢印 2そうの船がすれ違うのを□分後とする。

  • 船着き場A…から7200m下流の地点に船着き場B」があって「船アがAを出発してBへ向かい、船アの出発と同時に船イがBを出発してAへ向かうと、2そうの船はAから4500m下流の地点で」すれ違い、「船イがAを出発してBへ向かい、船イの出発と同時に船アがBを出発してAへ向かうと、 2そうの船はAから3750m下流の地点で」すれ違う様子を図にすると次のとおり
  • 船アがAから▢分下ると4500m下る。Bから▢分上ると3450m上る。つまり(青の矢印2本を合わせて)船アがAとBから同時に▢分進むと合わせて7950m進む
  • 船イがAから▢分下ると3750m下る。Bから▢分上ると2700m上る。つまり(赤の矢印2本を合わせて)船イがAとBから同時に▢分進むと合わせて6450m進む
  • このとき川の流れの速さは打ち消されてゼロになっているからこれらの比がそのまま静水時の船ア、イの速さの比となる
よって船アの速さ:船イの速さ=7950:6450=53:43

 

⑵ 船アがAからBへ移動するのにかかる時間は、船イがBからAへ移動するのにかかる時間よりも4分48秒短いことがわかりました。川の流れの速さは分速何mですか。

 

右矢印船アがAからBへ…船イがBからAへ移動する」ときの図だけ取り出して考えると

  • すれ違うまでに進む距離の比が4500:2700=5:3なのでこれに比例して速さの比も船アの下り:船イの上り=5:3
  • するとそのまま進んで反対側に着くまでにかかる時間の比は③:⑤。この差②が「4分48秒」だから①=2分24秒
  • 船アで考えるとAからBへ下るのに(2分24秒×3=)7分12秒かかるということだから船アの下りは分速1000m(=7200÷7.2分)。つまりアとイがすれ違うのに4.5分(=4500÷1000)かかったということ
  • ここで最初の図にもどると船アは同じ4.5分で3450m上ったから船アの上りは分速766⅔m(=3450÷4.5)

よって川の流れの速さは「上り下りの速さの差÷2」で求められるから (1000-766⅔)÷2=分速116⅔m 完了