流水算2024 | 受験算数はきょうもおもしろい

以前の記事の続きです。

 

今年出された流水算の問題です。

 

一定の速さで流れる川の上流にA地点、下流にB地点があり、2つの船J、GがA地点とB地点の間を往復するとき、次の①〜③のことが分かっています。
ただし、流れのないところで2つの船の進む速さはそれぞれ一定で、どちらの船もA地点、B地点に着くとすぐ折り返します。
①2つの船が同時にA地点を出発し、Jが初めてB地点に着いたとき、GはB地点の1920m手前にいます。
②2つの船が同時にB地点を出発し、Jが初めてA地点に着いたとき、GはA地点の2400m手前にいます。
③2つの船が同時にA地点を出発すると、出発してから27分後にB地点から960m離れた地点で初めてすれ違います。(女子学院2024)
⑴ 船Jの下りと上りの速さの比を最も簡単な整数の比で表すと、▢:▢です。

 

右矢印 船J、Gの静水時の速さをそれぞれ毎分Jm、Gmとすると

  1. 情報①より、JとGがA→Bを下るとき2せきの船は毎分(J-G)mずつ距離が開いていき最後にその差は1920mになる
  2. 情報②より、JとGがB→Aを上るとき2せきの船は毎分(J-G)mずつ開いていき最後にその差は2400mになる
  3. 速さが一定のとき距離はかかった時間に比例するから①②でかかった時間の比は下り:上り=1920:2400=4:5

よってJの速さの比はその逆比で

 下り:上り=5:4

 

⑵ 船Gの下りの速さは分速▢m、川の流れの速さは分速▢mで、A地点とB地点は▢m離れています。

 

右矢印 Jの下りの速さ:上りの速さ=5:4より、Jの上りの速さを⑩とすると下りの速さは➇。このとき

  • Jの静水時の速さは⑨、流速は①となる

  • 情報①③をダイヤグラムにすると上のとおり。ここでJがB地点を折り返したあとに2つの船が進んだ距離に注目すると、Jが進んだ距離は960m、またGが進んだ距離も960m(=1920-960)。つまりJの上りの速さとGの下りの速さは等しいので(Jの上りの速さは⑨-①=⑧より)Gの静水時の速さは⑦
  • したがって2つの船が出会うまでにかかった27分に注目すると、JがB地点に着くまでに2つの船がはなれる速さは(J、Gとも下りだから)⑩-⑧=②、Jが折り返したあとに2つの船が近づく速さは(Jは上り、Gは下りだから)⑧+⑧=⑯。つまり速さの比は②:⑯=1:8。とするとその逆比でかかった時間の比は8:1
  • こうして27分の中身について、JがB地点に着くまでに24分(=27÷9×8)かかり、Jが折り返したあとGと出会うまでに3分(=27-4)かかったとわかる。つまり距離1920mの出会い算に3分かかったから 1920÷⑯=3 より①=分速40m

よって

  • Gの下りの速さは ⑦+①=⑧ より 40×8=分速320m
  • 川の流れの速さ①は分速40m
  • AB間の距離は船J(下りの速さ⑩=分速400m)が24分で下る距離だから 400×24=9600m

 

⑶ 船JがA地点、船GがB地点を同時に出発するとき、1回目にすれ違うのは▢分後、2回目にすれ違うのは▢分後です。

 

右矢印 新しくダイヤグラムを書いて考えると

1回目のすれ違い

  • 船J(下り分速400m)と船G(上り分速240m)との距離9600mの出会い算だから  9600÷(400+240)=15分後

2回目のすれ違い

  1. A地点を出た船J(下り分速400m)がB地点に着くのは9600÷400=24分後。そこから上り分速320mになるから(9600÷320=30より)A地点に着くのは 24+30=54分後
  2. B地点を出た船G(上り分速240m)がA地点に着くのは9600÷240=40分後。そこから下り分速320mになるから(9600÷320=30より)B地点に着くのは 40+30=70分後
  3. ここで上の図のように相似な三角形ができている部分に注目する。すると(その相似比は46分:14分=23:7だが本問ではこれを使うまでもなく)船Jの上りの速さと船Gの下りの速さは同じ分速320mだからグラフのかたむきはちょうど線対称になっておりその対称の軸は40分後と54分後のちょうど真ん中にある
よって2回目のすれ違いは
 (40+54)÷2=47分後 完了