以前の記事の続きです。
今年出された展開図から体積を求める問題の第3回です。
図1は、1辺の長さが3cmの正方形です。図2は、図1の正方形を6枚はり合わせた立方体の中にある正四面体です。図3はある立体の展開図で、正方形1つ、正三角形2つ、台形2つからできています。図1から図3の〇は、すべて同じ長さを表しています。(久留米大学附設2024)
⑴ 図3の正方形ABCDの面積は何㎤ですか。
図3の正方形ABCDの面積は〇×〇で求められる。
ここで〇は図1の正方形の対角線の長さだから
まずは図1の正方形の面積を①たて×横、②対角線×対角線÷2、の2通りの方法で求めると
3×3=〇×〇÷2 より 〇×〇=18
よって図3の正方形ABCDの面積は
〇×〇=18㎠
⑵ 図2の正四面体の体積は何㎤ですか。
この正四面体は一辺3㎝の立方体から次の赤の三角すい(たて、横、高さすべて3㎝)4つ分を切りとった形だから
3×3×3-3×3÷2×3÷3×4=27-18=9㎤
⑶ 図3で点Gは辺EFの真ん中の点で、点Hは正方形ABCD、対角線の交点です。図3の立体を組み立てたとき、(ア) GHの長さは何cmですか。
(イ) この立体の体積は何㎤ですか。
図3の展開図からできるのは次のような六面体(わかりやすいようにGからA、B、C、Dに補助線を引いてある)
(ア)GHの長さ
これをア、イ、ウの3つにバラしてみると
アとウは図2の正四面体と合同な立体だからGHの長さは3㎝
(イ)この立体の体積
この立体の体積をバラバラに求めると
- アとウ…正四面体。どちらも図2のものと合同だから体積9㎤(小問⑵より)が2つで18㎤
- イ…四角すい。その底面は1辺〇㎝の正方形だから底面積は〇×〇=18㎠(小問⑴より)。高さ3㎝だからその体積は 18×3÷3=18㎤
よって図3の立体の体積は⒈⒉の合計で 18+18=36㎤
別解
平均の高さを使って「体積=底面積×平均の高さ」で求める。
- 底面積…GHを通る二等辺三角形(黒)の面積を考えると、その底辺は長さ〇㎝、高さ3㎝だから底面積は 〇×3÷2=(³⁄₂×〇)㎠
- 平均の高さ…高さ〇㎝の辺が2つ、高さ(〇×2)㎝の辺が1つある断頭三角柱とみるとその平均の高さは (〇×2+〇×2)÷3=(⁴⁄₃×〇)㎝
よって求める体積は
(³⁄₂×〇)×(⁴⁄₃×〇)=2×〇×〇=36㎤