展開図から体積を求める⑥ | 受験算数はきょうもおもしろい

以前の記事の続きです。

 

今年出された展開図から体積を求める問題の第2回です。

 

次の各問いに答えなさい。
ただし、角すいの体積は、(底面積)×(高さ)÷3で求められるものとします。(渋谷教育学園幕張2024)
⑴【図1】のように、立方体の展開図に点線をひきます。もとの折り目に加え、点線部分も折り目とし、すべての折り目が立体の辺になるようにして、この展開図を組み立てると、【図2】のような立体ができました。この立体の体積は何㎤ですか。

 

 

右矢印 図2の立体は立方体から次のような合同な三角すい2つを切りとった形となっている。

よって 

  • もとの立方体の体積…6×6×6=216㎤
  • 三角すい1つの体積…3×3÷2×3÷3=4.5㎤

だから 216-4.5×2=207㎤

 

⑵【図3】のように、正方形BECDの対角線を一辺とする正三角形ABCを考えます。【図4】の展開図において、は合同な二等辺三角形で、は【図3】の正三角形ABCと合同です。この展開図を組み立てて立体を作ると、二種類の立体が作れます。そのうち、体積が大きい方の立体を立体A、体積が小さい方の立体を立体Bとします。立体Aの体積は、立体Bの体積より何㎤大きいですか。

 

右矢印 立体A(体積が大きい方)と立体B(体積が小さい方。小問⑴がヒントになっている)のイメージ図を書くと次のとおり(立体Aの赤の正方形はわかりやすいように足して書いたもの)

したがって立体Aと立体Bの体積の差は次の部分となる。

よって赤の正方形(対角線の長さ8㎝)を底面とする高さ4㎝の三角すい2つ分とみてその体積を求めると 8×8÷2×4÷3×2=²⁵⁶⁄₃ 

 

⑶【図5】の展開図において、㋐〜㋓は合同な台形で、㋔~㋗は合同な正三角形です。この展開図を組み立てて立体を作ると、二種類の立体が作れます。そのうち、体積が大きい方の立体を立体C、体積が小さい方の立体を立体Dとします。2つの立体C、Dの体積の比(立体Cの体積):(立体Dの体積)を、最も簡単な整数の比で答えなさい。

 

 

右矢印 この展開図からできる立体C(体積が大きい方)と立体D(体積が小さい方。㋔㋕㋖㋗ぜんぶ内側に折った形)のイメージ図は次のとおり。

 

 

そして立体Cと立体Dの体積比を比べるには(これと同じ比になる)立体Cの上半分と立体Dの後ろ半分の体積比をしらべればよい。すると

 

この2つの立体は、どちらも合同な二等辺三角形(黒の三角形。底辺6㎝、二等辺の長さ〇㎝)を底面とする断頭三角柱とみることができる。この底面積を①とすると立体Cの上半分、立体Dの後ろ半分の体積は平均の高さを使ってそれぞれ次のように計算できる。

  • 立体C…①×(12+18+18)÷3=
  • 立体D…①×(12+12+18)÷3=

よってC:D=⑯:⑭=8:7 完了