以前の記事の続きです。
今年出された展開図から体積を求める問題です。
その1(灘2024)
ある立体の展開図は図のようになっています。この立体の体積は▢㎤です。ただし、同じ記号がかかれた辺の長さは等しいとします。
![](https://stat.ameba.jp/user_images/20240120/23/jukensansuwa/ba/6a/j/o0898084715391798673.jpg?caw=800)
この図を組み立てると下図左のような七面体になる。これは大きな三角すいから小さな三角すい(赤)3つを取り除いた形(下図右)
このとき小さな三角すいと大きな三角すいは(辺の比1:3より)体積比は1:27。つまり小さな三角すいの体積を①とすると青の七面体の体積は㉔(=㉗-①×3)
よって小さな三角すいの体積①は ³⁄₂׳⁄₂÷2׳⁄₂÷3=⁹⁄₁₆ だから求める体積㉔は ⁹⁄₁₆×24=²⁷⁄₂=13.5㎤
その2(西大和学園2024)
展開図が図のような立体Aについて考えます。展開図を点線で折りたたむと、ぴったりと重なります。また、どの面も合同なー辺の長さが6cmの正三角形でできている三角すいを立体Bとします。以下の▢にあてはまる数を求めなさい。
![](https://stat.ameba.jp/user_images/20240120/17/jukensansuwa/05/61/p/o1644127515391641123.png?caw=800)
⑴ 立体Aの体積は、立体Bの体積の▢倍です。
立体Aと立体Bのイメージ図を書くと次のとおり。
このとき
- 立体Aは下図の黒の二等辺三角形を底面とする断頭三角柱
- 立体Bは同じ黒の二等辺三角形を底面とする三角柱(が2個くっついた形)
とみることができる。
黒の二等辺三角形の面積を1としてそれぞれの体積を求めると
- 立体A…平均の高さは (6+12+12)÷3=10㎝ だから 1×10=10㎤
- 立体B…1×3÷3×2=2㎤
よって 10÷2=5 より ▢=5倍
⑵ 展開図の●をつけた点を通る平面で立体Aを切断すると、2つの立体に分かれます。大きい方の立体の体積は立体Bの体積の▢倍です。ただし●は各辺の真ん中の点とします。
立体Aは下図左のように立体㋐(赤)と立体㋑(青)に切断される。
ここで上図右のようなどの面も合同なー辺の長さが3cmの正三角形でできた正三角すい(立体Cとする)を考える。このとき
❶まず立体㋐の体積は立体Cの何倍かを小問⑴と同じように考えると(これも真ん中に面積1の二等辺三角形を考えて)
- 立体㋐…平均の高さは (6+9+9)÷3=8㎝ だから 1×8=8㎤
- 立体B…1×1.5÷3×2=1㎤
より立体㋐の体積は立体Bの8倍
❷つぎに立体Bの体積は立体Cの何倍かを考えると
辺の比が2倍だから体積比は8倍。つまり立体Bの体積も立体Cの8倍
❸とすると立体Cの体積を①とすると立体㋐の体積は⑧、立体Bの体積も⑧だから立体Aの体積はその5倍(小問⑴)で㊵
よって立体㋑(大きい方の立体)の体積は㊵-⑧=㉜だから立体Bの体積⑧の 4倍
⑶ 展開図の〇をつけた点を通る平面は、立体Aの辺PQ上の点Rを通ります。このとき、PRの長さは▢cmです。
この平面は次の赤い面のようになる(点Rの位置がまだわからないので4つある辺のうちRを通る2本の点線は仮のもの)
ここで補助線ア、イを次のように引いてその交わる点をS、立体Aの左上の頂点をTとすると手前の面に相似比2:4の相似な三角形ができるからST=6㎝がまずわかる。
つぎにS、T、R、Pのある奥の面に注目すると、次のように等脚台形の右上部分に1辺3㎝の正三角形をつけ足すと△STRより一回り大きな相似な三角形ができる。
このとき相似比が 6:(6+6+3)=2:5 より TR=3×2÷5=1.2㎝
よって PR=6-1.2=4.8㎝