立体くりぬき2024 | 受験算数はきょうもおもしろい

以前の記事の続きです。

 

今年出された立体くりぬきの問題です。

 

一辺の長さが10cmの立方体の3つの面の一部分に、下の【図1】、【図2】のように色をつけます。そして、色をつけた部分をその面から向かい合う面までまっすぐくりぬいて穴をあけ、くりぬいた部分を取り除いて新しい立体を作ります。このとき、次の問いに答えなさい。ただし、各図の点線は2cmの間隔で引かれています。(東大寺学園2024)

⑴ 【図1】のように色をつけた場合にできる立体の体積を求めなさい。

 

右矢印 5つの段にスライスする。上から5階、4階、3階、2階、1階とすると

  • 5階と1階は同じ「J」の形。そしてこのJの形はすべての階でくりぬかれる(これを黒でぬっておく)
  • 4階はJ形のほかにタテ3列と横3列がくりぬかれる。ただし一番上の横1列は½個ずつくりぬかれる(J形以外のくりぬきのうち、1個分くりぬかれるところをグレー、½個分くりぬかれるところを赤で示す)

ここまでのくりぬかれる個数を数えていく

  • 5階と1階…(4+½×2)×2=10個
  • 4階…まるまる1個くりぬかれるのが19個、½個くりぬかれるのが2個だから 19+½×2=20個

同じように3階と2階もくりぬかれる個数を数えていくと

  • 3階17個
  • 2階…まるまる1個くりぬかれるのが14個、½個くりぬかれるのが3個だから 14+½×3=15½個

こうして残った小立方体(白)の数は

 5×5×5-(10+20+17+15½)=125-62½=62½個

よってちょうど全体の半分がくりぬかれるとわかるから求める立体の体積も全体の半分で

 10×10×10÷2=500㎤

 

⑵ 【図2】のように色をつけた場合にできる立体の体積を求めなさい。ただし、【図2】の正面から見た面の色のついている部分は、【図1】の正面から見た面の色のついている部分を左へちょうど1cmずらしたものです。
 

 

右矢印 小問⑴と比べてふえるかへるかするところだけを計算すると

  • 5階と1階…変わらない
  • 4階…青のようにずれるから上から2列め左はしのくりぬきが½個→¾個にふえる(上から1列目と5列目はくりぬく場所がずれるだけ)
  • 3階…下図左の青のようにずれるがくりぬかれる個数は変わらない
  • 2階…上図右の青のようにずれるがくりぬかれる個数は変わらない(少しわかりにくい上から2列目は赤の半分がグレーに変わり、黒のとなりにあるグレーの半分が赤に変わるので差し引きゼロになる)
よって図1と比べるとくりぬかれる小立方体の個数が(¾-½=)¼個ふえることで体積は 8×¼=2㎤へるので
 500-2=498㎤ 完了