旅人算2024⑦ | 受験算数はきょうもおもしろい

以前の記事の続きです。

今年の入試問題より旅人算の第7回です。

 

  その1(西大和学園2024)

 

AさんとAさんの父が、自宅から15km離(はな)れたキャンプ場に同じ道を通って向かいます。Aさんは自転車で12時ちょうどに、父は自動車で13時4分にそれぞれ自宅を出発しました。自転車、自動車の移動速度はそれぞれ時速12km、時速▢kmでー定であるとします。途中でAさんが運転する自転車がパンクして、Aさんは移動できなくなってしまいました。その場で父が通りかかるのを待ち、13時12分に合流しました。父の自動車に6分間で自転車を積み込(こ)み、同乗してキャンプ場に向かったところ、Aさんは予定より15分遅れで到着することができました。

 

右矢印 まずAさんの移動した様子を考えると

  1. 自転車…の移動速度は…時速12km」だから「15km離れたキャンプ場」まで(15÷12=1.25より)1時間15分かかる。すると「Aさんは自転車で12時ちょうどに…自宅を出発」したから本来は13時15分に到着する予定だった
  2. 実際は「自転車がパンクして…Aさんは予定より15分遅れで到着」したからAさんの到着は13時30分。するとAさんは「13時12分に合流し…父の自動車に6分間で自転車を積み込」んだから自転車がパンクした場所を出たのは13時18分
ここまでわかれば父の自動車の速度が出る。つまり
  1. 父は自動車で13時4分に…自宅を出発」してキャンプ場に(Aさんといっしょに)13時30分に到着した
  2. 途中で自転車を積むのに6分止まったから、かかった時間はぜんぶで13時30分-13時4分-6分=20分
よって自動車は15kmを20分で走ったからその速度▢は
 15÷20×60=時速45km

 

 

  その2(白陵2024)

 

A地点からB地点までの道のりは1kmで、その途(と)中にC地点があります。
太郎君は、A地点を出発して、A地点とB地点の間を1往復しました。A地点からC地点へは毎秒1mの速さで、C地点からA地点へは毎秒3mの速さで、B地点とC地点の間はどちらの方向にも毎秒2mの速さで移動しました。このとき、A地点からB地点まで移動するのにかかった時間は、B地点からA地点まで移動するのにかかった時間のちょうど2倍でした。C地点はA地点から[ア]mのところにあり、往復にかかった時間の合計は[イ]秒です。

 

右矢印右矢印右矢印 

  • 太郎君は「A地点からC地点へは毎秒1mの速さで、C地点からA地点へは毎秒3mの速さで」移動した。速さの比が1:3だから(同じ距離なので)その逆比でかかった時間の比は3:1。そこでA→Cに③秒かかったとするとC→Aにかかったのは①秒
  • B地点とC地点の間はどちらの方向にも毎秒2mの速さで移動」した。このときかかった時間を▢秒とする
  • まとめると行きのA→C→Bにかかった時間は(③+▢)秒で、帰りのB→C→Aにかかった時間は(▢+①)秒。そして「A地点からB地点まで移動するのにかかった時間は、B地点からA地点まで移動するのにかかった時間のちょうど2倍」だから (③+▢):(▢+①)=2:1。この比例式を解くと ▢×2+②=③+▢ より ▢=①
  • したがって行きの速さと時間で考えると、AC間の距離は毎秒1m×③秒=③m、CB間の距離は毎秒2m×①秒=②mとなる。つまりAC:CB=3:2。そして「A地点からB地点までの道のりは1km」=1000mだからAC間の距離は1000×3÷(3+2)=600m
よって[ア]=600
  • このA→Cの600mを毎秒1mで移動するのにかかる時間は600秒。残り400mのC→Bの移動は毎秒2mだからかかる時間は200秒
  • こうして上のようにすべて決まるから往復にかかった時間の合計は  600+200+200+200=1200秒 
よって[イ]=1200 完了