以前の記事の続きです。
点の移動に関する今年の出題例の第2回です。
下の図のように長さ120cmの円周上に、はじめ、等間隔(かく)に3点A、B、Cがあります。A、B、Cは同時に出発し、Aは時計回りに毎秒4cm、Bは時計回りに毎秒6cm、Cは反時計回りに毎秒4cmの速さで円周上を進みます。ただし、Cは5秒進むごとに3秒その場で停止するものとします。(海城2024)
⑴ 2点B、Cがはじめて重なるのは出発してから何秒後ですか。
「Aは時計回りに毎秒4cm、Bは時計回りに毎秒6cm、Cは反時計回りに毎秒4cmの速さで…Cは5秒進むごとに3秒その場で停止する」ことから
- BとCの速さの和(「B+C」という)を考えると①はじめの5秒は(6+4=)毎秒10㎝、②つぎの3秒は(6+0=)毎秒6㎝。そのあとも①②①②…と規則的に速さを変えて進む。つまり(10×5+6×3=68より)B+Cは8秒ごとに68㎝進むという8秒周期をくり返す
- つぎに距離を考えると「長さ120cmの円周上に、はじめ、等間隔に3点A、B、Cが」あるから(BC間の最短距離は40㎝だが進む方向を考えたとき)「Bは時計回りに…Cは反時計回りに」進むのでBとCがはじめて重なるまでに進む距離は80㎝
したがって(80÷68=1あまり12より)8秒周期が1回とあまり12㎝の距離だから(あまりの12㎝は毎秒10㎝で進むので12÷10=1.2秒かかるから)かかる時間はぜんぶで 8秒+1.2秒=9.2秒
よってB、Cがはじめて重なるのは出発してから9.2秒後
⑵ 2点A、Cが2回目に重なるのは出発してから何秒後ですか。
「Aは時計回りに毎秒4cm、Bは時計回りに毎秒6cm、Cは反時計回りに毎秒4cmの速さで…Cは5秒進むごとに3秒その場で停止する」から
- AとCの速さの和(「A+C」という)を考えると①はじめの5秒は(4+4=)毎秒8㎝、②つぎの3秒は(4+0=)毎秒4㎝。そのあとも①②①②…と規則的に速さを変えて進む。つまり(8×5+4×3=52より)A+Cは8秒ごとに52㎝進むという8秒周期をくり返す
- つぎに距離を考えると「長さ120cmの円周上に、はじめ、等間隔に3点A、B、Cが」あって「Aは時計回りに…Cは反時計回りに」進むからAとCがはじめて重なるまでに進む距離は40㎝。となると2回目に重なるまでに進む距離は40+120=160㎝
したがって(160÷52=3あまり4より)8秒周期が3回とあまり4㎝の距離だから(あまりの4㎝は毎秒8㎝で進むので4÷8=0.5秒かかるから)かかる時間はぜんぶで 8秒×3+0.5秒=24.5秒
よってA、Cが2回目に重なるのは出発してから24.5秒後
⑶ 3点A、B、Cがはじめて重なるのは出発してから何秒後ですか。
小問⑴⑵と同じようにまずAとBが重なる時間をしらべると
- 同じ時計回りに進むAとBの速さの差は(6-4=)毎秒2㎝
- AB間の距離40㎝だからAとBがはじめて重なる(BがはじめてAに追いつく)のは40÷(6-4)=20秒後
- そしてそのあと(120÷(6-4)=60より)60秒ごとにAとBは重なる
とするとA、B、Cの3点がはじめて重なるとしたら(AとBが重なるのと同じ)20秒後、80秒後、140秒後、…のどこか。そこでこれらの時間にCも重なっていないかを小さい方からしらべていく
*小問⑴⑵からわかるようにAとCの2点、BとCの2点はもっとひんぱんに重なる(反対方向に進むので当たり前)のでこれらをもとにするよりも、めったに重なることがないAとBの2点の重なりをもとにするのが最も効率的にしらべられる。
❶20秒後
AとCが2回目に重なるのは出発してから24.5秒後(小問⑵)だから20秒後にA、B、Cの3点が重なるはずがないこと明らか
❷80秒後
- まずAとBが80秒後に重なっている場所をしらべると(Bの80秒後だから6×80=480より)Bがちょうど4周したところなのでBのスタート地点でAとBは重なっている
- つぎにCが80秒後にいる場所をしらべると(8秒間のうち最初の5秒だけ動くから)Cが動いた時間はこのうち50秒間(=80×⅝)だけ。つまりCは(4×50=200より)反時計まわりに200㎝進んだところにいる。これは(円周120㎝より)1周してちょうどBのスタート地点にいるということ
よって3点A、B、Cがはじめて重なるのは出発してから 80秒後