以前の記事の続きです。
今年の入試問題より「10で何回割り切れるか」(=一の位から0が何個続くか)という頻出テーマについての出題例です。
整数を順に1、2、3、…、Nと並べて次の操作①、②、③を続けて行います。
① 7で割って1余る数は5に変える。
② 7で割って2余る数は25に変える。
③ 並んだ数をすべてかけてできる数をMとする。
例えばNが10のとき次のようになります。
![](https://stat.ameba.jp/user_images/20240319/16/jukensansuwa/f2/fe/j/o1073027015414930893.jpg?caw=800)
次の問いに答えなさい。(フェリス2024)
⑴ Nが10のとき、Mは10で何回割り切れますか。
10=5×2だからMに含まれる5の倍数(×5)と2の倍数(×2)の個数をしらべる(その少ない方の数だけ5×2のペアができる)
❶5の倍数は次の8個
- 「7で割って1余る数は5に変える」(ルール①)から1と8は10に変わるのでそれぞれ1個
- 「7で割って2余る数は25に変える」(ルール②)から2と9は25に変わるのでそれぞれ2個
- それ以外の5の倍数(5、10)にそれぞれ1個
❷2の倍数は次の4個
- 6、10にそれぞれ1個
- 4に2個
よって(少ない方の4個に合わせて)5の倍数と2の倍数のペアが4組できるから4回
⑵ Nが25のとき、Mは10で何回割り切れますか。
Mに含まれる整数25個を素因数分解したとき×5と×2がそれぞれいくつあるかを考える(その個数が少ない方と同じ回数だけ割り切れる)
❶7で割った余りが1か2の整数について
- 「7で割って1余る数は5に変える」(ルール①)から1、8、15、22はすべて5に変わる→ここで×5が4個
- 「7で割って2余る数は25に変える」(ルール②)から2、9、16、23はすべて25に変わる→(×5が2個ずつあるから)ここで×5が8個
❷5の倍数(❶で数えたもの以外)について
- 25の倍数(25)→×5が2個
- それ以外の5の倍数(5、10、20)→×5が3個
❸2の倍数(❶で数えたもの以外)について
- 8の倍数(24)→×2が3個
- それ以外の4の倍数(4、12、20)→(×2が2個ずつあるから)×2が6個
- それ以外の2の倍数(6、10、14、18)→×2が4個
こうして×5が17個(=4+8+2+3)、×2が13個(=3+6+4)あるのがわかり(少ない方の13個に合わせて)5×2のペアが13組できる。
よって 13回
⑶ Nが50のとき、Mは10で何回割り切れますか。
同じようにMに含まれる整数50個を素因数分解したとき×5と×2がそれぞれいくつあるかしらべると
❶7で割った余りが1か2の整数について
- 「7で割って1余る数は5に変える」(ルール①)から1、8、15、22、29、36、43、50はすべて5に変わる→ここで×5が8個
- 「7で割って2余る数は25に変える」(ルール②)から2、9、16、23、30、37、44はすべて25に変わる→(×5が2個ずつあるから)ここで×5が14個
❷5の倍数(❶で数えたもの以外)について
- 25の倍数(25)→×5が2個
- それ以外の5の倍数(5、10、20、35、40、45)→×5が6個
❸2の倍数(❶で数えたもの以外)について
- 32の倍数(32)→×2が5個
- それ以外の16の倍数(48)→×2が4個
- それ以外の8の倍数(24、40)→(×2が3個ずつあるから)×2が6個
- それ以外の4の倍数(4、12、20、28)→(×2が2個ずつあるから)×2が8個
- それ以外の2の倍数(6、10、14、18、26、34、38、42、46)→×2が9個
こうして×5が30個(=8+14+2+6)、×2が32個(=5+4+6+8+9)あるのがわかり(少ない方の30個に合わせて)5×2のペアが30組できる。
よって 30回