そのまま学習教材になる入試問題(0が何個続くか) | 受験算数はきょうもおもしろい

以前の記事に関連する話です。

進学塾の問題集にもこの類問は必ず載っているはずですが、数の性質の問題でこういう一行題が出されることがあり、この解き方は常識にしておく必要があります。

1×2×3×…×50を計算した数は、一の位から0が何個連続して並びますか。(森村学園2022・第2回)

 

たとえば次の入試問題はそのための恰好の学習教材といえそうです。

 

まさるくんとなおこさんが次の問題について考えました。
『1から50までの数字をかけた1×2×3×…×49×50を計算したとき、一の位から0が何個続くか答えなさい。』
以下は、まさるくんとなおこさんの会話文です。会話文を読んで、空らんの ア~ウ にあてはまる数を答えなさい。(興南中2021後期)

まさる「1から50まですべてかけることは大変だから、なにか良い方法はないかな?」
なおこ「ある数に10をかけると、けた数が1つ増えて、一の位が0になるね。だから、10が何回かけられているかを考えると良さそうだよ。」
まさる「じゃあ、10は2×5だから、1から50までの数字に含まれる2の倍数と5の倍数の個数を調べてみよう。」
なおこ「2の倍数は個、5の倍数は個あるね。2の倍数は5の倍数よりもたくさんあるよ。」
まさる「 つまり、2の倍数と5の倍数のペアが組できるね。10を回かけることができると考えて、一の位から続く0の個数は個でいいかな?」
なおこ「でも、5の倍数のうち、25と50は、25=5×5、50=2×5×5だから、5が2つずつ含まれているよ。」
まさる「そうか!それを考えると、この問題の答えは個ではなくて、個が正解だ!」

 

右矢印 ア=25、イ=10、ウ=12

 

なお、5の倍数の12コの求め方は、すだれ算を使うのが簡単です。

 

  類問①(鷗友学園2022)

 

1から10までの整数をすべてかけてできる数は3628800です。この数では、一の位から数えて最初に0でない数字が現れるのは3番目です。
1から100までの整数をすべてかけてできる数では、一の位から数えて最初に0でない数字が現れるのは、何番目ですか。

 

右矢印 0が24コ続くので25番目

  類問②(広尾学園2020)

 

100から200までのすべての整数をかけ合わせた数は、1の位から0が何個続いているか答えなさい。

 

右矢印 1から200までのかけ算には5が49コ、1から99までのかけ算には5が22コ含まれているので、この差27コの5が100から200までのかけ算に含まれている

よって、これがそのまま答えとなり27個