点の移動2024 | 受験算数はきょうもおもしろい

以前の記事の続きです。

 

今年出された点の移動の問題です。

 

右の図は縦12cm、横6cmの長方形25個をすき間なくしきつめたものです。点Pは図の点Eを出発して一定の速さで長方形の辺に沿って移動します。

2つのグラフはそれぞれ点Pが点Eを出発してからの時間と三角形PAB、三角形PCDの面積との関係を表したものです。


このとき、次の問いに答えなさい。(洗足学園2024第3回)

 

⑴ 点Pの速さは秒速何cmですか。

 

右矢印△PABの面積のグラフを見ると8秒後に72㎠となっている。

点Pは図の点Eを出発して一定の速さで長方形の辺に沿って移動」するが、この8秒間のグラフは直線だから(AB(6㎝)を底辺とみて)点Pは点Eから真上に移動し(6×24÷2=72より)8秒後に高さ24㎝になったことがわかる。

よって 24÷8=秒速3㎝ 

 

⑵ グラフのにあてはまる数を答えなさい。なお、この問題は解答までの考え方を表す式や文章・図などを書きなさい。

 

右矢印 まず三角形PABの面積のグラフで点Pの動きを確認すると

  • 0~8秒…まっすぐ上に24㎝移動した
  • 8~12秒…△PABの面積が変わらないのは高さが変わらないから。となると点Pは右か左に向きを変えたこととなるが、△PCDのグラフの方ではこの間に面積は小さくなっているから右に12㎝横移動したことがわかる

ここまでの点Pの動きは次のとおり(左図。たとえば9秒後だと右図のとおり)

 

この続きを考えると

  • 12~20秒…△PABの面積のグラフを見ると0~8秒と同じ形になっており再びまっすぐ上に24㎝移動した
  • 20~26秒…ここも△PABの面積は変わらないので再び横移動したとわかり(右には行けないから)左に18㎝横移動した
こうして26秒後の点Pの場所は次の右図の場所にあるとわかる
よってにあてはまる数(△PCDの面積)を長方形㋐から直角三角形㋑㋒㋓を引くことで求めると
㋐-(㋑+㋒+㋓)=864-(324+288+36)=864-648=216㎠より
 ア=216 
 

⑶ 三角形PABと三角形PCDの面積の和が324㎠になるのは何秒後と何秒後ですか。

 

右矢印 まず26秒後の面積は△PABが6×48÷2=144㎠、△PCDが216㎠だから合計360㎠。これだと大きすぎるので26秒より前(だんだん大きくなっていく)に1回目の324㎠が、26秒より後(だんだん小さくなっていく)に2回目の324㎠がくるはずだと見当がつく。

それぞれ考えていくと

1回目(26秒より前)の324㎠

  1. まず20秒後を考えると△PABは変わらず144㎠、△PCDが36×6÷2=108㎠だから252㎠となる。これだと小さすぎる
  2. そこで1回目に面積の和が324㎠になるのは20~26秒の間とわかる。そしてこの間は△PABの面積は変わらないから△PCDの面積の変わり方だけしらべればよい
  3. したがって(324-144=180より)△PCDの面積が180㎠になるところ、つまり20秒後(108㎠)から面積が72㎠ふえるところを△PCDのグラフでさがすと20~26秒の6秒間で面積は216-108=108㎠ふえており(その⅔の)72㎠ふえるのは24秒後だとわかる

2回目(26秒より後)の324㎠

  • つぎに△PABのグラフを見ると26秒よりあとは12~20秒のグラフとちょうど逆の形になっている。つまり(12~20秒の間は点Pはまっすぐ上に上がったから)26秒後から8秒間は点Pはまっすぐ下がった
  • とすると△PABの面積は26秒後が144㎠、34秒後が72㎠だから((144-72)÷(34-26)=9より)△PABの面積は毎秒9㎠ずつ小さくなっていく
 
  • つぎに△PCDのグラフを見ると、その面積は26秒後が216㎠、34秒後が㋐-(㋑+㋒+㋓)=432-(108+144+36)=144㎠だから△PCDの面積も毎秒9㎠ずつ小さくなっていく

したがって26秒後(面積の合計360㎠)から▢秒後に324㎠になるとすると

 360-9×▢×2=324 より ▢=2秒後

とわかり、2回目に324㎠となるのは26+2=28秒後だとわかる

 

よって24秒後と28秒後 完了