旅人算2024⑧ | 受験算数はきょうもおもしろい

以前の記事の続きです。

今年の中学入試で出された旅人算の問題の第8回です。

 

  その1(女子学院2024)

 

はじめさんがA駅から家まで帰る方法は2通りあります。

方法1:A駅から20km先にあるB駅まで電車で行き、B駅から家までは自転車で行く
方法2:A駅から18km先にあるC駅までバスで行き、C駅から家までは歩いて行く

電車は時速75km、バスは時速40kmで進み、はじめさんが自転車で進む速さは、歩く速さよりも毎分116m速いです。方法1と方法2のかかる時間はどちらも同じで、はじめさんが電車に乗る時間と自転車に乗る時間も同じです。また、B駅から家までと、C駅から家までの道のりは合わせて3263mです。
C駅から家までの道のりは何mですか。

 

右矢印 図を書いて考えると

  • 方法1…「電車は時速75km」だから「A駅から20km先にあるB駅まで」電車に乗る時間▢分とすると 75km:60分=20km:▢分より ▢=16分。「電車に乗る時間と自転車に乗る時間」は同じだから自転車に乗る時間も16分

  • 方法2…「バスは時速40km」だから「A駅から18km先にあるC駅まで」バスに乗る時間△分とすると 40km:60分=18km:△分より △=27分。「方法1と方法2のかかる時間はどちらも同じ」だから歩く時間は 16+16-27=5分
  • 自転車で進む速さは、歩く速さよりも毎分116m速い」からはじめさんの歩く速さを分速①mとすると自転車の速さは分速(①+116)m
  • したがって「B駅から家までと、 C駅から家までの道のりは合わせて3263m」だから ①×5+(①+116)×16=3263 より ㉑=1407 だから①=67
よってC駅から家まではじめさんが歩いて5分の道のりだから
 ①×5=335m
 

 

  その2(夙川2024)

 

夙子さんは自転車で分速200mの速さで、家から2kmはなれた駅へ向かいました。ところが、家を出発してから4分後にタイヤがパンクしたので、すぐに家の方向へ分速80mの速さで自転車をおしながら引き返し、家から▢mはなれた自転車屋で修理してもらいました。修理は20分かかりました。修理後すぐに、自転車屋から自転車で分速240mの速さで駅へ向かいました。その結果、予定より23分おくれて駅に着きました。
夙子さんの家と自転車屋、駅は一直線上にあり、移動は常に最短の道を進むものとします。

 

右矢印 わかりやすいように家を8時に出たものとして考えると

  • 夙子さんは自転車で分速200mの速さで、家から2kmはなれた駅へ」向かったから(2×1000÷200=)10分後の8:10に着く予定だった
  • 実際は「予定より23分おくれて駅に」着いたから実際には8:33に駅に着いた

  • 家を出発してから4分後にタイヤがパンクした」からその時刻は8:04でその場所は家から800m(=200×4)のところ
  • ここから「家から2kmはなれた駅」まで残り1200m。これを(自転車修理後に)分速240mの速さ」で進むと5分(=1200÷240)かかる。つまり自転車屋を出たのは8:28(駅に着いた8:33の5分前)
  • この8:28から8:04(パンクした時刻)までの24分間のうち自転車屋での「修理は20分」だったからパンクした場所から自転車屋までの往復時間は4分(=24-20)
  • このときパンクした場所から自転車屋まで「分速80m」、自転車屋からパンクした場所にもどるまで「分速240m」だった。同じ距離を進むのに速さの比が80:240=1:3なのでその逆比でかかった時間の比は3:1。つまりパンクした場所から自転車屋まで引き返すのに3分(=4分×¾)かかったとわかるから、引き返した距離は240m(=80×3)
よって家から自転車までの距離▢mは
 800-240=560m 完了