ニュートン算2024 | 受験算数はきょうもおもしろい

以前の記事の続きです。

 

今年出されたニュートン算の問題です。

 

  その1(大宮開成2024)

 

牧場に草がいくらか生えています。50頭の牛を放すと20日で草を食べつくします。65頭の牛を放すと15日で草を食べつくします。牛を30頭放すとき、何日で草を食べつくしますか。

 

右矢印(問題文には書かれていないが毎日一定量の草が生え続けるものと考えて)草の生える量を1日あたり❶、牛1頭が食べる量を1日あたり1とする。

2つの例についてニュートン算の面積図ア、イにすると

  • 図アと図イの草△の量(長方形の面積)は同じだから (50-❶)×20=(65-❶)×15 より( (50-❶)×4=(65-❶)×3 だから) ❶=2001955
  • したがって草の生える量は1日あたり5、はじめに生えていた草の量は (505)×20=900 となる

よって牛を30頭放すときの図ウを同じように考えると

 900÷(305)=36日 

 

 

 

  その2(市川中2024)

 

牧草地に100kgの草が生えています。この牧草地に牛1頭を放つとちょうど25日後に、豚2頭ではちょうど100日後に、牛1頭と豚3頭ではちょうど10日後に食べ終えます。草は1日に決まった量だけ生え、すべての草を食べ終えると生えてこないものとします。また、牛と豚は毎日決まった量の草を食べるものとします。このとき、次の問いに答えなさい。
⑴ 牛1頭と豚1頭が1日に食べる草の量はそれぞれ何kgか求めなさい。

 

右矢印 草の生える量を1日あたり❶kg、牛1頭が食べる量を1日あたり①kg、豚1頭が食べる量を1日あたりkgとする。

3つの例についてニュートン算の面積図ア、イ、ウを書くと

  • 【図ア】について (①-❶)×25=100 より ①-❶=4…㋐
  • 【図イ】について (-❶)×100=100 より -❶=1…㋑
  • 【図ウ】について (①+-❶)×10=100 より ①+-❶=10…㋒

したがって㋐㋒より =6 だから 2kg

また㋑より ❶=-1=3kg だから㋐より

 ①=❶+4=7kg

 

よって牛が7kg、豚が2kg

 

牛と豚が1頭ずついるとします。每日最低1頭を選んでこの牧草地に放ったところ、ちょうど22日後に草を食べ終えました。
⑵ 牛が放たれた日数として考えられる日数をすべて求めなさい。

 

右矢印 牛と豚1頭ずつを放つ日がA日、牛1頭のみを放つ日がB日、豚1頭のみを放つ日がC日あったとする(小問⑶と単位をそろえておくのが小問⑶も考えやすい)。このとき

  1. 22日で生える草の量が3×22=66kg、はじめに生えていた草の量が100kgだから、草の量はぜんぶで166kg
  2. 1日あたり食べる量は豚1頭が2kg、牛1頭が7kg、となると豚1頭と牛1頭だと9kg
  3. したがって 9×A+7×B+2×C=166…①
  4. また「ちょうど22日後に草を食べ終え」たから A+B+C=22…②
  5. ここで ②×2 をすると 2×A+2×B+2×C=44…②’。①と②’の差を考えると 7×A+5×B=122。これをみたす整数A、Bは (A,B)=(1,23)(6,16)(11,9)(16,2)の4組あるが、②も合わせて考えるとこれをみたす整数A,B,Cは (A,B,C)=(6,16,0)(11,9,2)(16,2,4)の3組

よって牛が放たれた日数(A+B)は 6+16=22日、11+9=20日、16+2=18日のどれか

 

⑶ 牛が放たれた日数として考えられる日数のうち、最も少ない日数における牛、豚の放ち方の例を次のルールにしたがって1つ答えなさい。

[ルール]
・牛と豚1頭ずつを放つ日はA、牛1頭のみを放つ日はB、豚1頭のみを放つ日はCで表す。
・牛と豚1頭ずつを放つ日が2日連続するときはA×2、3日連続するときはA×3と表し、B、Cについても同様に表す。

例えば、牛1頭のみを2日連続で放った後、牛と豚1頭ずつを1日放ち、その後、豚1頭のみを5日連続で放つ場合は
         B×2→A→C×5
と表す。

 

右矢印最も少ない日数」は18日。このとき

(A,B,C)=(16,2,4) だが「ちょうど22日後に草を食べ終え」るようにしないといけない(たとえば最初に16日連続で2頭放してしまうとそれより前に草がなくなってしまう)ことだけ注意すると、草がなくならない最も確実な例として
 C×4→B×2→A×16 完了