ニュートン算⑦ | 受験算数はきょうもおもしろい

以前の記事に関連する話です。

 

ニュートン算の第7弾です。

 

  その1(成蹊2023)

 

ある遊園地では、開園時間より前に行列ができており、開園後も毎分40人の割合で行列に人が加わります。開園と同時に入場口を4つ開けると40分で行列がなくなり、入場口を8つ開けると10分で行列がなくなります。開園時間より前の行列には、何人並んでいましたか。ただし、どの入場口からも1分間に入ることができる人数は等しいものとします。

 

右矢印 1つの入場口で入場できる人数を毎分①人とする。

行列は「毎分40人の割合で」ふえていくから

  • 入場口を4つ開ける」と毎分④人ずつ入場できるので差し引き毎分(④-40)人ずつ行列はへっていく(左の面積図のタテ)。このとき行列は「40分で」なくなる(左の面積図の横)行列の人数は(④-40)×40であらわせる

  • 入場口を8つ開ける」と毎分⑧人ずつ入場できるので差し引き毎分(⑧-40)人ずつ行列はへっていく(右の面積図のタテ)。このとき行列は「10分で」なくなる(右の面積図の横)行列の人数は(⑧-40)×10であらわせる
ここで行列の人数(面積図の面積)は同じだから

 (④-40)×40=(⑧-40)×10 より

 ⑯-160=⑧-40 だから ①=毎分15人

 

よってはじめにあった行列の人数は(左の面積図で計算して)

 (15×4-40)×40=800人

 

 

  その2(桜美林2023算数)

 

ある遊園地は9時に開場します。開場前から入場待ちの行列があり、開場後も毎分一定の人数が行列に加わっていきます。入場ロを8か所開けると9時40分に行列がなくなり、入場ロを12か所開けると9時20分に行列がなくなります。入場ロを9か所開けると行列がなくなるのは9時何分ですか。

 

右矢印 1つの入場口で入場できる人数を毎分1とする。

開場後も行列に加わる「毎分一定の人数」を毎分▢人とすると

  • 入場口を8か所開ける」と毎分8ずつ入場できるので差し引き毎分(8-▢)人ずつ行列はへっていく(左の面積図のタテ)。このとき行列は40分で(「9時40分に」)なくなる(左の面積図の横)行列の人数は(8-▢)×40

  • 入場口を12か所開ける」と毎分12ずつ入場できるので差し引き毎分(12-▢)人ずつ行列はへっていく(右の面積図のタテ)。このとき行列は20分で(「9時20分に」)なくなる(右の面積図の横)行列の人数は(12-▢)×20
ここで行列の人数(面積図の面積)は同じなので

 (8-▢)×40=(12-▢)×20 より

 16-▢×2=12-▢ だから ▢=④

つまり行列に加わるのは毎分4、はじめにあった行列の人数は (84)×40=160 とわかる

 

したがって「入場ロを9か所開ける」と毎分9ずつ入場できるからへっていく人数は毎分5(=94)なので行列がなくなるまでに 160÷532分 かかる。

よって行列がなくなるのは9時32分

 

 

  その3(世田谷学園2023算数)

 

ある牧場では牛と馬を放牧しています。牛を40頭、馬を20頭を放すと18日で牧場の草を食べつくしてしまい、牛と馬の頭数を入れかえて放すと21日で牧場の草を食べつくしてしまいます。草は毎日一定の割合で生え、牛1頭と馬1頭が1日に食べる草の量の比は3 : 2です。
このとき、次の問いに答えなさい。
⑴ 1日で生える草の量と、牛1頭が1日に食べる草の量の比を、最も簡単な整数の比で答えなさい。

 

右矢印 牛1頭が1日あたり3、馬1頭が1日あたり2食べるとする。

  • 牛を40頭、馬を20頭」放すと   3×40+2×20=160
  • 頭数を入れかえて」牛を20頭、馬を40頭放すと 3×20+2×40=140
そして1日あたり食べる量が160だと「18日で牧場の草を食べつくし」てしまい、140だと「21日で牧場の草を食べつくし」てしまうから 

 (160-□)×18=(140-□)×21 より

 960-6×□=980-7×□ だから ▢=20

よって1日で生える草の量20と牛1頭が1日に食べる草の量3の比は 20:3

 

⑵ 牛と馬を30頭ずつ10日間放牧し、そのあと牛の数だけを減らしてさらに15日以上放牧させるためには、牛を何頭以下にすればいですか。

 

右矢印 1日で食べる量は牛1頭が3、馬1頭が2、1日で生える草の量は20だからはじめに生えていた草の量は

 (16020)×18=2520

そして「牛と馬を30頭ずつ10日間放牧」したから

 ((3+2)×30-20)×10=1300

の草を食べたのでいま残りの草は1220

 

この牧草がちょうど15日でなくなるような牛の数を▢頭とすると(馬30頭は変わらないから)

 (3×□+2×30-20)×15=1220

が成り立つから 3×□+40244/3

より ▢=¹²⁴⁄₉=約13.7頭

 

 

よって(牛の数が約13.7頭のときちょうど15日で草がなくなるということは)15日以上放牧させるための牛の頭数は13頭以下 完了