場合の数2023㉔ | 受験算数はきょうもおもしろい

以前の記事の続きです。

今年の入試問題から場合の数の第24弾です。

 

  その1(立命館宇治2023)

 

次の図のように、A町からB町までの道は3つあり、B町からC町までの道は4つあります。A町からB町を通ってC町に行き、C町からB町を通ってA町に戻る方法は、同じ道を2回通らないことにすると▢通りあります。

 

右矢印 行きと帰りに分けて考えると

  1. 行き…A→Bの行き方が3通り、B→Cの行き方が4通りあるから 3×4=12通り
  2. 帰り…「同じ道を2回通らない」ので行きに使った道をのぞくと、C→Bの行き方が3通り、B→Aの行き方が2通りで 3×2=6通り

よって 12×6=72通り

 

 

  その2(立教池袋2023第2回)

 

あるアイスクリーム屋では、SサイズとMサイズの2種類の大きさがあり、5種類の味から選べます。次の問いに答えなさい。
⑴ SサイズとMサイズを1個ずつ買うとき、味の選び方は何通りありますか。たとえば、Sサイズのバニラ味とMサイズのチョコ味を選ぶ場合と、Sサイズのチョコ味とMサイズのバニラ味を選ぶ場合は違う選び方だと考えます。また、SサイズとMサイズで同じ味を選ぶこともできます。

 

右矢印 「5種類の味」があるからSサイズの味の選び方が5通り、Mサイズの味の選び方も5通りある(「SサイズとMサイズで同じ味を選ぶことも」できるので)

よって 5×5=25通り

 

⑵ Mサイズを3個買うとき、味の選び方は何通りありますか。ただし、3個のうち、同じ味を2個選んでも3個選んでも構いません。

 

右矢印5種類の味」をわかりやすく①②③④⑤とする。3個のうち同じ味を何個選ぶかで場合分けすると

  1. 3個とも同じ味の場合…「①①①」「②②②」「③③③」「④④④」「⑤⑤⑤」の5通り
  2. 2個が同じ味の場合…たとえば①を2個選んだとき「①①■」の■は②,③,④,⑤の4通り。そして「②②■」「③③■」「④④■」「⑤⑤■」のときも同じように4通りずつあるから 4×5=20通り
  3. 3個とも違う味の場合…①②③④⑤の5つから違う数字を3つ選ぶ選び方なので(選ばない数字2つの決め方と同じだから)5×4÷2=10通り

よって 5+20+10=35通り

 

 

  その3(中央大学附属2023)

 

図のように、正方形の区画でできた道があります。×の部分が通行止めのとき、AからBまで遠回りせずに行く道順は何通りありますか。

 

右矢印 ×の部分を通らずに「AからBまで遠回りせずに行く道順」では㋐㋑㋒のどれかの道を必ず1回通ることになる。

㋐㋑㋒のどの道を通るかで場合分けすると

  1. ㋐を通る場合…A→㋐の道順が3通り、㋐→Bの道順が5通りあるから 3×5=15通り
  2. ㋑を通る場合…A→㋑が4通り、㋑→Bが5通りだから 4×5=20通り
  3. ㋒を通る場合…A→㋒が6通り、㋒→Bが1通りだから 6×1=6通り

よってぜんぶで 15+20+6=41通り

 

 

  その4(東京都市大学付属2023第3回)

 

下の図のように点Oで2つの直線が垂直に交わり、2つの直線に1から6まで1cmの間隔で目もりをつけます。さいころを3回投げて以下のルールに従って、三角形ABCを作り、面積を求めます。ただし、面積の単位は㎠とします。

[ルール]
① 1回目に出た目の数だけ、点Oから目もりに沿って1目もりずつ左に動かします。その点をAとします。
② 2回目に出た目の数だけ、点Oから目もりに沿って1目もりずつ右に動かします。その点をBとします。
③ 3回目に出た目の数が、1から3の目のときは上に、4から6の目のときは下に、出た目の数だけ点Oから目もりに沿って1目もりずつ動かします。その点をCとします。
このとき、あとの問いに答えなさい。

問1 三角形ABCの面積が整数にならないとき、さいころの目の出方は全部で何通りありますか。


右矢印 1回目と2回目の目の和をア、3回目の目をイとすると、アが三角形ABCの底辺、イが高さになるから「三角形ABCの面積が整数にならない」のはア×イが奇数のとき
それにはアとイのどちらも奇数の場合を考えればよいので

  • アが奇数の場合…1回目と2回目の目が奇数と偶数の組み合わせとなるときだけその和は奇数になる。その通り数を求めるには2回とも奇数となる9通り(=3×3)と2回とも偶数となる9通り(=3×3)を全体の場合の数36通り(=6×6)から引くことで出せるから 36-9-9=18通り
  • イが奇数のとき…1,3,5の3通り

よって 18×3=54通り

 

問2 三角形ABCの面積が6の倍数となるとき、さいころの目の出方は全部で何通りありますか。

 

右矢印 同じく1回目と2回目の目の和をア、3回目の目をイとすると(アは2以上12以下、イは1以上6以下だから)6の倍数となる三角形ABCの面積(ア×イ÷2)は6、12、18、24、30、36㎠のどれか。となると

 「ア×イ」が12、24、36、48、60、72のどれか…❶

になるようなアとイの組をさがせばよい。

 

そこでアに注目して❶のどれかの数になるパターンをしらべると

  • アが2…12(イ=6のとき。下表の青の欄)
  • アが3…12(イ=4のとき)
  • アが4…12、24(イ=3,6のとき)
  • アが6…12、24、36(イ=2,4,6のとき)
  • アが8…24、48(イ=3,6のとき)
  • アが9…36(イ=4のとき)
  • アが10…60(イ=6のとき)
  • アが12…12、24、36、48、60、72(イ=1,2,3,4,5,6のとき)

そしてアが2,3,4,6,8,9,10,12になるようなサイコロの目の出方は上の表(黄色の欄)にあるとおり。

 

よって

  • ア=2(1通り)のとき(イ=6より)1×1=1通り
  • ア=3(2通り)のとき(イ=4より)2×1=2通り
  • ア=4(3通り)のとき(イ=3,6より)3×2=6通り
  • ア=6(5通り)のとき(イ=2,4,6より)5×3=15通り
  • ア=8(5通り)のとき(イ=3,6より)5×2=10通り
  • ア=9(4通り)のとき(イ=4より)4×1=4通り
  • ア=10(3通り)のとき(イ=6より)3×1=3通り
  • ア=12(1通り)のとき(イ=1,2,3,4,5,6より)1×6=6通り

だから 1+2+6+15+10+4+3+6=47通り 完了