以前の記事の続きです。
今年出された場合の数の問題の第2弾です。
その1(洛南高等学校附属2024)
図形を形の異なるいくつかの部分に分け、赤、青、緑の3色でぬり分けます。となり合う部分は異なる色でぬるものとし、3色すべてを使わなくてもよいものとします。
次の図において、色のぬり分け方はそれぞれ何通りありますか。
⑴ 四角形を①から④の部分に分ける
まずは少し条件を変えて「となり合う部分は異なる色でぬる」が①と④が同じ色でもよいものとして考えると色のぬり方は
- ①の選び方が3通り
- ②の選び方が①以外の色で2通り
- ③の選び方が②以外の色で2通り
- ④の選び方が③以外の色で2通り
だから 3×2×2×2=24通り
ここから①と④が同じ色のぬり方を引けばよい。これは
「①と④」、②、③
の3か所を3色でぬるぬり方だから 3×2×1=6通り
よって 24-6=18通り
⑵ 六角形を①から⑥の部分に分ける
六角形を考える前に、いったん①から⑤の部分がある五角形の色のぬり分けを考えてみる。
- まず「となり合う部分は異なる色でぬる」が①と⑤が同じ色でもよいとして考えると 3×2×2×2×2=48通り
- ここから①と⑤が同じ色のぬり方を引けばよい。これは「①と⑤」、②、③、④の4か所を3色でぬるぬり方だから18通り(小問⑴より)
- したがって 48-18=30通り
これをもとにこんどは①から⑥の部分がある六角形について考える。
- 「となり合う部分は異なる色でぬる」が①と⑥が同じ色でもよいとすると色のぬり方は 3×2×2×2×2×2=96通り
- ここから①と⑥が同じ色のぬり方を引く。これは「①と⑥」、②、③、④、⑤の5か所を3色でぬるぬり方だから30通り(上で求めた)
⑶ 十角形を①から⑩の部分に分ける
ここまでで見つかった規則性を利用すると
- 七角形…3×2×2×2×2×2×2-六角形の通り数=192-66=126通り
- 八角形…3×2×2×2×2×2×2×2-七角形の通り数=384-126=258通り
- 九角形…3×2×2×2×2×2×2×2×2-八角形の通り数=768-258=510通り
- 十角形…3×2×2×2×2×2×2×2×2×2-九角形の通り数=1536-510=1026通り
よって 1026通り
その2(甲陽学院2024第2日)
1、2、3、4、5、6、7を用いて5けたの数をつくります。ただし、同じ数字を何回用いてもかまいません。
⑴ 15127のようにとなり合ったどの2つの位の数字の和も3の倍数となる数を考えます。
(ア) このような数のうち、ー万の位が1であるものは何通りありますか。
「一万の位が1」のとき、千の位は2か5、百の位は1か4か7、十の位は2か5、一の位は1か4か7という組み合わせのとき条件に合う。
よって 1×2×3×2×3=36通り
(イ) このような数は全部で何通りありますか。
(ア)でわかるのはこの問題では1,4,7は同じものとみることができるということ。また2,5も同じもの、3,6も同じものとみることができる。
そこでこのあとは【1,4,7】【2,5】【3,6】の3つのグループに分けて考える(それぞれのグループを代表する数として1、2、3についてだけしらべていく)
一万の位の数で場合分けをしてしらべると
❶一万の位が1、4、7の場合
千の位以下は(ア)と同じ組み合わせとなる。
したがって 3×2×3×2×3=108通り
❷一万の位が2、5の場合
次の組み合わせのとき条件に合う。
したがって 2×3×2×3×2=72通り
❸一万の位が3、6の場合
次の組み合わせのとき条件に合う。
したがって 2×2×2×2×2=32通り
よって❶+❷+❸より
108+72+32=212通り
⑵ 12345のように、となり合ったどの3つの位の数字の和も3の倍数となる数は何通りありますか。
こんどは百の位の数で場合分けをしてしらべると
❶百の位が1,4,7の場合
- 千の位が1のとき最小の数は11111。となるとすべての組み合わせは次のように決まる。このとき 3×3×3×3×3=243通り
- つぎに千の位が2のとき最小は32132。となるとすべての組み合わせは次の左図のように決まる。また千の位が3のとき最小は23123ですべての組み合わせは次の右図のとおり(この2つの表は左右がちょうど入れかわった形となっている)。この2パターンの合計で (2×2×3×2×2)×2=96通り
したがって❶百の位が1,4,7の数はぜんぶで339通り(=243+96)
❷百の位が2,5の場合
- 千の位が1のとき最小の数は31231。となるとすべての組み合わせは次の左図のとおり。また千の位が3のとき最小は13213と左右ちょうど入れかわった形となる(次の右図)。この2パターンの合計で (2×3×2×2×3)×2=144通り
- つぎに千の位が2のとき最小は22222。となるとすべての組み合わせは次のとおりで 2×2×2×2×2=32通り
したがって❷百の位が2,5の数はぜんぶで176通り(=144+32)
❸百の位が3,6の場合
- 千の位が1のとき最小の数は21321。となるとすべての組み合わせは次の左図のとおり。また千の位が2のとき最小は12312と左右ちょうど入れかわった形となる(次の右図)。この2パターンの合計で (2×3×2×2×3)×2=144通り
- つぎに千の位が3のとき最小は33333。となるとすべての組み合わせは次のとおりで 2×2×2×2×2=32通り
したがって❸百の位が3,6の数はぜんぶで176通り(=144+32)
よって❶+❷+❸より
339+176+176=691通り