2024サンプル問題② | 受験算数はきょうもおもしろい

以前の記事の続きです。

 

ほかにも新作問題として次のような問題が公表されています。

 

  平面図形(桃山学院2024プレテスト第2回)

 

右の図で、AB、AD、DE、CEの長さが等しいとき、アの角の大きさは何度ですか。

 

右矢印 アの角の大きさを①とする。このときの角イ~角力の大きさをこの順に考えていくと

  1. 二等辺三角形よりイ=ア=①
  2. △EDCの外角よりウ=ア+イ=②
  3. 二等辺三角形よりエ=ウ=②
  4. △ADEの外角よりオ=ア+エ=③
  5. 二等辺三角形より力=オ=③
よって△ABDの内角の和180°だから 18°+③+③=180° より
 ①=162÷6=27度
 
 

  立体くりぬき(洗足学園2024入試問題体験会)

 

1辺の長さが5cmの立方体の各辺を5等分し、図のように線を引きました。この立方体から黒い部分を反対側の面までつき抜けるようにまっすぐ抜きとったとき、残っている立体の体積は何㎤ですか。

 

右矢印 5つの段にスライスする。上から5階、4階、3階、2階、1階とすると

  • 5階と1階は同じ「L」の形。そしてこのLの形はすべての階でくりぬかれる(これを黒でぬっておく)
  • 4階はL形のほかにタテ1列と横3列がくりぬかれる(L形以外のくりぬき部分をグレーでぬる)

  • 3階はL形のほかにタテ1列と横1列がくりぬかれる
  • 2階はL形のほかにタテ3列と横1列がくりぬかれる

こうして残った小立方体(白)の数を階ごとに数えていくと

 20×2=40個(5階と1階)、8個(4階)、13個(3階)、8個(2階)

となっているからぜんぶで

 40+8+13+8=69個

あり、1つの小立方体は1㎤だから 69㎤

 

 

  場合の数(桃山学院2024プレテスト第1回)

 

1円硬貨、5円硬貨、10円硬貨、50円硬貨、100円硬貨、500円硬貨がそれぞれ1枚ずつあります。これらの中から何枚かを選びます。このとき、次の問いに答えなさい。
⑴ 6枚の硬貨の中から2枚を選ぶとき、合計金額が3で割り切れる場合は何通りありますか。

 

右矢印合計金額が3で割り切れる」ということは各位の数を足した数が3の倍数ということ。

そしてこの6枚の硬貨に使われている数は(0は無視できるから)1と5だけ。その和を考えると

 1+1=2、1+5=6、5+5=10

より1と5の組になる金額を考えればよい。

 

よって合計金額が3で割り切れるのは

 1円と5円、1円と50円、1円と500円

 10円と5円、10円と50円、10円と500円

 100円と5円、100円と50円、100円と500円

という組み合わせで合計 9通り

 

⑵ 6枚の硬貨の中から3枚を選ぶとき、3で割り切れる合計金額をすべて答えなさい。

 

右矢印 こんどは1と5を合計3つ使ってできる和を考えると

 1+1+1=3、1+1+5=7、

 1+5+5=11、5+5+5=15

だから合計金額が3で割り切れる組み合わせは

 1円+10円+100円=111円

 5円+50円+500円=555円

だけ。

よって 111円と555円 

 

 

  旅人算(洗足学園2024入試問題体験会)

 

AさんとBさんは、学校と学校から720m離れた公園の間をジョギングで5往復しました。Aさんは5往復とも一定の速さで走り、Bさんは最初の3往復は一定の速さで走り、少し休憩をした後に、最初の⅝倍の速さで残りの2往復を走りました。AさんとBさんが同時に学校からスタートし、Bさんが最初の3往復を走り終えたとき、Aさんは2往復して学校から公園に向かう途中の320mの地点にいました。また、スタートしてから45分後に、2人は同時に5往復を走り終えました。このとき、Bさんが休憩した時間は何分何秒ですか。なお、この問題は解答までの考え方を表す式や文章・図を書きなさい。


右矢印 まず状況をダイヤグラムで整理すると次のとおり。

Bさんが最初の3往復を走り終えたとき、Aさんは2往復して学校から公園に向かう途中の320mの地点に」いたという情報を手がかりに、カギとなるBさんの最初の3往復と残りの2往復とに分けて考えると

Bの最初の3往復について

  • Bが3往復したとき進んだ距離は 720×2×3=4320m。このとき「2往復して学校から公園に向かう途中の320mの地点に」いるAの進んだ距離は 720×2×2+320=3200m
  • 速さの比がA:B=3200:4320=20:27だからその逆比でかかる時間の比はA:B=27:20
  • そしてAは45分で5往復したから3往復するには 45×⅗=27分かかる。こうしてBは最初の3往復に20分(=27×20÷27)かかることがわかる

Bの残りの2往復について

  • Bがもし同じ速さで進んだら(距離は⅔倍なのでこれに比例して時間も⅔倍かかるから)20×⅔=⁴⁰⁄₃分かかるところ
  • だが実際にはBは「最初の⅝倍の速さで残りの2往復を」走った。速さの比は (Bの最初の3往復):(Bの残りの2往復)=8:5だからその逆比でかかる時間の比は5:8。とすると(最初の3往復のときに比べ)同じ距離でも⁸⁄₅倍の時間がかかる
  • したがってBは残りの2往復に21⅓分(=⁴⁰⁄₃×⁸⁄₅)かかる

よってBが休憩した時間は

 45-20-21⅓=3²⁄₃分=3分40秒 完了