植木算⑥ | 受験算数はきょうもおもしろい

以前の記事の続きです。

植木算の問題の第6弾です。

 

  木を植える(立命館慶祥2023)

 

まっすぐな道の両側に、はしからはしまで木を植えます。道の片側には6mおきに、反対側には10mおきに植えると、木の本数は両側合わせて50本になります。この道の長さは何mですか。ただし、木の太さは考えないものとします。

 

右矢印 この道の長さを㉚m(6と10の最小公倍数)とする。このとき必要な木の本数は

  • 6mおきに植えた片側は (⑤+1)本
  • 10mおきに植えた反対側は (③+1)本
木の本数は両側合わせて50本」だから

 ⑤+1+③+1=50 より⑧=48だから ①=6m

よってこの道の長さ㉚は 6×30=180m

 

 

  丸太を切る(青山学院横浜英和2023)

 

長さが10mの丸太があります。この丸太を40㎝ずつに切り分けます。40cmを1回切るのにかかる時間は10分です。また、5回切るごとに20分間の休憩をします。10mの丸太を1本切り終えるのにかかる時間は▢時間▢分です。

 

右矢印 長さ10m=1000㎝の丸太を「40㎝ずつに切り分け」ると(1000÷40=)25本に分かれる。このとき切る回数は24回(=25-1)

  • 24回切るのにかかる時間は「40cmを1回切るのにかかる時間は10分」なので  10×24=240分
  • 5回切るごとに20分間の休憩」をするから24回切るとき(24÷5=4あまり4より)4回の休憩をするので 20×4=80分
よってかかる時間はぜんぶで
 240+80=320分=5時間20分

 

 

  くいを打つ(帝塚山中2023)

 

長さ360mの道に、両端を答めて等しい間かくで61本のくいを打つはずでしたが、まちがえて46本のくいを打ってしまいました。最初の予定通りに61本打つために、両端を含めて正しい場所に打ってある▢本はそのままにして、残りを抜き、作業を再開しました。

 

右矢印右矢印右矢印

  • まちがえて46本のくいを」打ったときのくいの間かくの個数は45だから間かく1つの幅は 360÷45=8m
  • 正しく「61本のくいを打つ」ときの間かくの個数は60だから間かく1つの幅は 360÷60=6m

とすると(8と6の最小公倍数である)24mごとに同じ場所にくいを打つことになるから

 0m(左端)、24m、48m、…、360m(右端)

の地点に打ったくいは共通だからそのまま使えることとなる。

 

よってそのまま使えるくいの本数は(360÷24=15より間かくの数は15。これに+1して)16本

 

 

  紙をはる(東京都市大学付属2019第2回)

 

1枚の長方形の「大きい紙」に、1辺が5cmの正方形の「小さい紙」を、たての列がそれぞれ等しい枚数、横の列がそれぞれ等い、枚数になるようにはりつけます。下の【例】は、たての列に2枚ずつ、横の列に3枚ずつはりつけたときの図で、同じ長さのところを㋐と呼ぶことにします。このように、㋐の長さを決めて何枚かの「小さい紙」をはりつけるとき、あとの問いに答えなさい。

問1  ㋐の長さを10cmにして、「小さい紙」を12枚はりつけるとき、「大きい紙」の面積は最も小さくて何㎠ですか。

 

右矢印【例】をみてわかるのは

  • 1辺㋐㎝の正方形(「マス」という)が4つくっつく点を中心として「小さい紙」をはりつけること
  • 「小さい紙」をたてに2枚はるときたてに3マスが必要で、横に3枚はるとき横に4マスが必要となる。つまり「小さい紙」のたての列の枚数と横の列の枚数にそれぞれ+1したものが、マスのたての列、横の列の数になること
 

とすると「小さい紙」12枚のはり方をいろいろ考えると(12の約数は1,2,3,4,6,12の6コあることより)

  1. たて1列、横12列(またはその逆。以下も同じ)にはるとき…必要なマスはたて2×横13=26マス
  2. たて2列、横6列にはるとき…必要なマスはたて3×横7=21マス
  3. たて3列、横4列にはるとき…必要なマスはたて4×横5=20マス

これらを比べると(マスの大小がそのまま「大きい紙」の大小となるから)「大きい紙」の面積はたて40㎝、横50㎝のとき(たて4マス、横5マスのとき)最も小さくなる。

よってその面積は 40×50=2000㎠

 

問2  ㋐の長さを8cmにして、たての長さが48cmの「大きい紙」に、「小さい紙」を60枚はりつけます。「大きい紙」の横の長さは何cmですか。

 

右矢印㋐の長さを8cmに」したとき48÷8=6よりたてに6マス必要

  • このとき「小さい紙」はたてに5枚(マスの数-1)必要だからこれを60枚はるには(5×12=60より)横に12枚ずつはることとなる
  • とするとマスは横に13マス(「小さい紙」の枚数+1)必要

よって「大きい紙」の横の長さは

 8×13=104㎝

問3  たての長さが136cm、横の長さが255cmの「大きい紙」に、「小さい紙」をはりつけるとき、「小さい紙」は最も多くて何枚まではりつけることができますか。

 

右矢印 これもマスの方に注目する。

たての長さが136㎝、横の長さが255㎝」のとき(136と255の最大公約数17で割ると)たてと横の比は8:15。とするとマスの数も たて:横=8:15であることが必要

  1. そこでマスの数(必ず8の倍数になる)を①たて8マス、②たて16マス、③たて24マス、④たて32マスとだんだん大きくしていくと(マスの1辺である)㋐の長さは①136÷8=17㎝、②136÷16=8.5㎝、③136÷24=5⅔㎝、④136÷32=4.25㎝とだんだん小さくなっていく
  2. しかし「小さい紙」の大きさ(1辺5㎝)よりマスが小さくなることはないので④はなく、③たて24マスとなるとき「小さい紙」の枚数は最大となる。このとき「小さい紙」は(24-1=23より)たてに23枚ずつはれる
  3. またこのとき横は15×3=45マスとなっているから「小さい紙」は(45-1=44より)横に44枚ずつはれる

よって「小さい紙」が最も多くはれるときの枚数は 23×44=1012枚 完了