以前の記事の続きです。
今年出題された植木算の問題の第5弾です。
その1(函館ラサール2023)
南北にのびる道路があります。この道路に沿って、道路の西側には40mの間かくで、道路の東側には60mの間かくで木が植えられています。道路の西側にも道路の東側にも、はしからはしまで木が植えられていて、本数の差は20本です。
① 道路の長さは何mですか。
② 道路の東側に植えられている木の本数は何本ですか。
木の間かくに注目する。
- 「道路の西側には40mの間かくで、道路の東側には60mの間かくで」木が植えられているから間かくの長さの比は西:東=40:60=2:3。このとき間かくの数の比はその逆比で③:②
- そして木の「本数の差は20本」なら間かくの数の差も20コだから①=20コ
よって間かくの数は西側が60コで東側が40コとわかるから
①道路の長さは 40m×60=2400m
②東側の間かくは40コだから植えられている木は41本
その2(鎌倉女学院2023)
右の図のような長方形を合わせた形の土地のまわりに、等しい間隔で木を植えます。かどには木を植え、できるだけ間隔を大きくするとき、その間隔は[①]mで、木は全部で[②]本必要です。
①間隔
「等しい間隔で…できるだけ間隔を大きくする」ので、長さ8、12、24、32 の最大公約数を考えると4
よってその間隔は ①4m
②本数
- 「かどには木を植え」るからまず6つあるかどに植える木が6本必要
- つぎに6つある辺の上に(かどを除いて)それぞれ何本ずつ木を植えるかを考えるとそれぞれ「木の本数=間かくの数-1」となる。間かくの数は(4mおきに植えるので長さ÷4をすると)次のように6、8、2、5、4、3となるから 5+7+1+4+3+2=22本の木が必要
よって必要な木の本数は6+22=28より②28本
その3(須磨学園2023)
図1のようなAB=12cm、AD=4cmである長方形ABCDの用紙が何枚かあります。辺BCの真ん中の点を点E、辺DCの真ん中の点を点Fとします。この用紙を図2のように重ねて図形を作ります。
⑴ 重なっている部分の面積の合計が156㎠であるとき用紙の枚数を答えなさい。
重なっている部分1つの面積は6×2=12㎠
よって「重なっている部分の面積の合計が156㎠」なら 156÷12=13 より重なっている部分は13あるから用紙の枚数はこれより1枚多い 14枚
⑵ 用紙の枚数が80枚のとき、周りの長さは何cmか答えなさい。
両はしの2枚とそれ以外の78枚とに分けて考えると
- 両はし…1枚あたりの長さが(下図青字の和で)12+2+6+4=24㎝だから24×2=48㎝
- それ以外…1枚あたりの長さが(赤字の和で)(6+2)×2=16㎝だから16×78=1248㎝
よって 48+1248=1296㎝
一番最初に置いた用紙を1枚目と数えます。用紙の枚数が80枚のとき、図形の周りを図3のように点Pは秒速2cmで、点Qは秒速1cmで、同時に点Aから出発します。
⑶ 点Pが200cm動いたとき、何枚目の用紙の辺上にあるか答えなさい。
「点Pが200cm動いたとき」に〇枚目の用紙の辺上にあるとする。動く辺の長さを1枚目と2枚目以降の用紙に分けて考えると
- 1枚目…A→D→Fの長さは4+6=10㎝
- 2枚目から〇枚目まで…1枚につき2+6=8㎝
だから 10+8×(〇-1)=200 より ⑧=198 だから①=24.75
よって25枚目
⑷ 点Pと点Qが出発してから初めて出会うのは、何枚目の用紙の辺上か答えなさい。また、考え方も答えなさい。
距離1296㎝(小問⑴)だから点P(秒速2㎝)と点Q(秒速1㎝)が出会うのは 1296÷(2+1)=432秒後。つまり2点の432秒後の場所を考えればよい。
速さが遅い点Qの方が考えやすいので点Qで考えると秒速1mの点Qが移動した距離は432㎝。
そこで点Qが432㎝動いたときに〇枚目の用紙の辺上にあるとすると(小問⑶と同じように動く辺の長さを1枚目と2枚目以降の用紙に分けて考えると)
- 1枚目…A→B→Eの長さは12+2=14㎝
- 2枚目から〇枚目まで…1枚につき6+2=8㎝