図形の折り返し② | 受験算数はきょうもおもしろい

以前の記事の続きです。

図形を折り返したときの角度や面積がどうなるかという「図形の折り返し」の問題の第2弾です。

 

 

  おうぎ形①(獨協2023第3回)

 

図のように、おうぎ形の紙を折りました。斜線(しゃせん)部分の周りの長さは何cmですか。途中(とちゅう)経過を記入すること。

 

右矢印 円の中心から次のように赤の補助線を引く。この補助線は(円の半径なので)長さ6㎝

  • 斜線部分の周りを弧アと直線イに分けると、イの長さは折り返した部分なのでイも6㎝
  • とすると1辺6㎝の正三角形ができているのがわかり弧アの中心角は60°とわかる

よって アの長さは 6×2×3.14×60÷360=6.28㎝ だから斜線部分の周りの長さは

 ア+イ=6.28+6=12.28㎝

 

 

  おうぎ形②(穎明館2023第2回)

 

右の図のように、おうぎ形の中心Oがもとの円の円周上の点Aに重なるように折りました。角アの大きさは▢度です。

 

右矢印 前問で見たようにおうぎ形の折り返しの問題では正三角形ができることを利用するものがほとんど。

 

本問でもAO間に補助線を引いて正三角形を作るとアは頂角が36°(=96-60)の二等辺三角形の底角の1つだとわかるから

 ▢=(180-36)÷2=72度 

 

 

  長方形①(江戸川女子2023)

 

図は、長方形ABCDをEFとEGを折り目として折り曲げたものです。このとき、角アの大きさは▢度です。

 

右矢印 次のように記号をつけると

  • 平行線の錯角だから角FECもア。その折り返しなので角AEFもア
  • イ+58°=90°だからイ=32°
  • イ+ウ=90°よりウ=58°
よって三角形AEFの内角の和について ア×2+ウ=180°より
 ア=(180-58)÷2=61度

 

 

  長方形②(愛知淑徳2023)

 

たてが24cm、横が72cmの長方形の紙を折って、下の図のような線対称な図形を作ります。次の問いに答えなさい。

⑴ 図の斜線部分の台形の面積は何㎠か答えなさい。

 

右矢印 斜線部分の台形を次のように台形❶(青)と三角形❷(赤)に分けてみる。

  1. もとの長方形の紙は点線で示した形だからその面積は (❶+❷)×2
  2. また「たてが24cm、横が72cmの長方形の紙」の面積は 24×72=1728㎠
  3. これらが等しいから (❶+❷)×2=1728 より ❶+❷=864㎠

よって斜線部分の台形の面積は 864㎠

 

⑵ 図の[ア]に当てはまる数を答えなさい。

右矢印 台形❶の面積を求めると(これと「線対称な図形」である左側の台形で考えると)

 (20+27)×24÷2=564㎠

とすると(小問⑴より)❶+❷=864㎠だから三角形❷の面積は300㎠

よって ア×20÷2=300 より ア=30㎝ 完了